第1話 [始まりから終わり]
「よし。」
昨日俺は18歳の誕生日を迎えた。
この世界では18歳から正式に冒険者を名乗ることができ、ライセンスを取得することができる。
彼もまたこの世界を救うべく冒険者として旅に出ることを決心する。
「赤井勇人です!ライセンスの登録に来ました」
この主人公はこれぞって特徴はなく髪が少し茶色で天然パーマで少しつり目でどこにでもいそうな普通の青年であった。装備も何も揃っていない彼は全身青いジャージでとてもじゃないが新米冒険者には見ない。
軽い検査を行い、いよいよライセンス取得の時。
「赤井さん〜」
酒場のお姉さんに呼ばれ
「はい!」
ワクワクとドキドキしながらライセンスを見た。
「あの、、、」
凄まじい衝撃が走った。
「ステータスオールF」
「得意属性なし。」
「適正武器とかになし。」
目を疑い彼は
「あの...なにかの間違いでは...?」
苦笑いをしながら赤井は酒場のお姉さんに聞いた。
「私もびっくりです。ここまでひどい冒険者は初めて見ました!むしろ喜んでいいくらいです!」
バカにしているような口調で彼女は言った。
••••••
「もういいですーーーーーー」
彼は新米冒険者装備を装備しライセンスを握りしめて泣きながら酒場を後にした。
「おい、勇人じゃねーか!」
街を泣きながら走っていたら声をかけられた!
「お前も昨日で18か!」
逆立った髪にイケメンな顔で長身。彼は近くに住んでいる雷人だ!
彼とはそんなに仲良くはない気がする。
「そーだけど、なんか用あるのか?」
勇人は真顔で答えた。
「冷たいな、ちょいとライセンス見せてみろよ」
雷人は勇人からライセンスを取り上げた。
「ブハッ、なんだこのライセンスは小学生でも今どきもっとましなんじゃねーの?」
雷人は爆笑しながらこれ以上にないほど勇人を馬鹿にした。
確かにこのステータスじゃ笑われても仕方ない。
「努力すればなんとかなると俺は思ってるから。それに、最初のステータスなんて関係ない。」
少し怒った口調で勇人は言った。だが、、、
「むりむり、得意属性もなくておまけにステータスがオールFってどーやってもむりむり!」
こう言い返された。
「おっとわりー、お前に付き合ってる暇はないんだった。これから俺はみんなとレベル上げ行くんだったわ。せいぜい頑張れよ三流冒険者!!」
こう言って彼は立ち去った。
いつもそうだった。昔からなぜか俺にだけ当たりが強くてまともに喋ったこともなく、常に見下されていた。まあ、それもこれもあの事件のせいなのだが、、、
「これからどうしょう...」
ライセンスを見ながら勇人は呟いた。どんな人であれ短所がある分長所はある。だけど、彼には短所しか存在しない。こんな異例は初めてである。
「とりあえず村の周りでレベル上げでもしようかな...」
勇人はそっと街を出て行った。
レベル1
頭 冒険者の帽子
体 冒険者の服
靴 冒険者の靴
武器 冒険者の短剣
現在の装備。