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犯人は一晩だけ異世界チートになるようです  作者: たいよう はさん
破壊神ドカボンの異世界勧誘 − 記録係 : ナナセ
8/20

第6話 「破壊神の驚き」

「にゃ、大丈夫か?」


ドカボンがトウジをゆさゆさ揺らす。


…う、うぐ


「6話目だけどわかるか?」


6話目?


軽く呻き声を上げトウジは上体を起こす。


トウジ〜

生きてるか〜


ヤスヒコ?


おう


なんでお前が俺の夢の中に

……! そうだ獣ヒロイン!


「にゃ、うちのことか?」


おおおおお!


待て待て、落ち着けトウジ


飛びかかろうとするのをヤスが制止する。


離せ!

これは僕の夢……邪魔はさせん!


だあ暴れるな

これはお…僕の夢でもあるんだ


僕口調なヤスなんてキモいわ、この偽物め!


ったくひっでえな


「にゃ、構わんヤス。

 可愛いものを愛でたくなるのは道理」


ドカボンが両手を広げ仁王立つ。


「さあ来い少年よ。

 そのパトス受け止めてやる」


おお! さすがマイヒロイン!


「にゃ、ヒロインではない。うちの名はドカボン」


ドカボン様ー!


…じゃあ離すぞ


拘束を解くとトウジはドカボンの側に駆け寄る。

興奮のあまり飛び込んでタックルでもかますかと思ったが、そんなことはしなかった。


この顔の造形、口調もそうだが猫か

でも耳は犬? 面白い!

尻尾は……虎?


「にゃ」


その肩に手を置く。


…体温がない

手触りの良いぬいぐるみだな

この背中は……そうか鮫か! 意味がわからん!


ドカボンは尻尾をぐねぐね動かす。


生き物じゃないのに動いてる

こんな夢を自分が見るなんて……人形フェチに、目覚めたのか?


「にゃ」


あ、抱き締めてみてもいいですか?


「よかろう」


ぎゅっと抱き寄せてみる。


心音無し

抱き心地のいいぬいぐるみだな

今度おもちゃ屋で同じの買ってみよ


「にゃ、あまり気持ちよくない。

 頭はよく回るし、ヤスとは全然違うタイプだなお前」


こんな夢を見れて最高です!


「むーん」


少し困り顔でドカボンはヤスの方を見る。


ほら、お終いお終い


…うむ


割とすんなりトウジは離れる。


どうやら姿形こそマイヒロインに近しいものがあったが、生き物でなければ守備範囲外だ


お前が変な気を起こさなくて本当によかったよ


それでどうしてヤスが僕の夢にいるんだ?

僕はホモじゃないと思うんだが…


同性がひとりでも夢に出てきたらおかしいか?


僕の夢ではな!


…そうか


はあとため息を吐く。


まあなんだ、そのまま夢だと思って聞いてくれトウジ


ほほう


「にゃ」


ドカボンがヤスの隣に立つ。


…一晩、お前の才能を僕に貸してほしい、なんて言ったら、お前どうする?


………


暫し沈黙し、


…面白い!


そしてその場に胡座をかいて座り込む。


そんなことになった経緯を聞かせてくれ

そしたら少なくともひとつ才能を貸してやる


「にゃ、才能があると自覚してるのかトウジは」


当然だ

こんな俺にすら才能がなければ、世の中愚か者だらけだ


うぐうと、ヤスが呻き声を漏らす


「にゃ、無いものを差し出すと言われてもこっちが乗り気になれん。

 そこでプレートを発行し確認したい。

 名前は片仮名のトウジでいいですか」


頷いて応える。


「にゃ、これを首からかけて」


どこからともなくプレートを差し出し、それを、なんと!と反応して受け取るのだった。


「にゃ、コントローラーだと思って操作してみ」


するとトウジの前にゲーム画面のようなウィンドウが出る。


む、これか


そこには、巻末時点のトウジについて、という項目がある。


……ほうほう


ちょ、こっちにも見せろよ


画面は本人にしか見えていない。


ヤスよ、この中から好きなのを選ぶといい


そう言ってウィンドウをひっくり返し、それを投げてよこした。

するとそこには、


な、なんだと…!


ずらっと10個近くの才能が並んでいた。


『早食いの才』

『昆虫博士の卵』

『いじられの才』

『分析の才』

『露出の卵』

『✟ฺ 異種間交配願望 ✟ฺ 』

『✟ฺ 他種属崇拝義務 ✟ฺ』

『✟ฺ 下着フェチ両刀状態 ✟ฺ』

『蛇歩きの才』

『わらしべの加護』

『やんちゃの卵』


「にゃ、すげえぞ。加護持ちだ」


露出の卵とかヤスに合うんじゃねえの?


うわああああ!

何この ✟ฺ !! この ✟ฺ !?

変態だあああああ!


ここで友の意外なカミングアウトをくらう。

そして何度か家のパンツが無くなっていることを思い出すと、身震いするヤスだった。

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