面倒くさがりの大好物
今日は始業式だったがうちの学校は六時間目まで授業がある。
今日ぐらい授業なんてやらなくていいだろとだらけていると隣から声がかかった。
「あんたねぇ。もう少しシャキッとしなさいよ!だらしない。」
「うるさいな。お前に迷惑かけてないだろ。放っておいてくれ。お前は俺の母親かよ。」
「まったくマサは文句ばかり言って。あんたがシャキッとしないでだらだらしてるのが悪いのよ。こっちまで気が滅入るでしょ!シャキッとしなさいシャキッと!」
なんだこいつ。さっきからシャキシャキうるさいなキュウリかお前は。
次の授業の開始を知らせるチャイムがなった。
この後何回かこんなやり取りをしながらもようやく帰りのSHRを終えた。
勿論こんな性格の俺が部活になんか入ってる筈もない。
大好物である甘いものを食べに行こうと教室の出口に向かうと、いきなり手をとられた。
「マサ!私さっき面白そうな部活のポスター見つけたんだけど一緒に行ってみない?」
「はぁ?部活?お前去年の部活動紹介で気になる部活はないって言ってたじゃないか。」
「それがね!なんか今年から新しく出来た部活なんだけど。克服部って言ってね。」
なんだそのラノベによくある謎部活みたいな名前は。地雷臭しかしないぞ。
「止めといたほうがいいと思うぞ。」
そんな俺の優しい忠告も聞かず永美は話を続ける。
「なんかポスターにはあなたの苦手を克服しますって書いてあって」
なんだそれ何処の進○ゼミだよ
「部室は部活棟の三階だって。ちなみに部活棟っていうのはうちの学校はかなり部活動が盛んで部活の数が凄い多いんだよね。
そこで校舎の他に少し大きめの建物が有ってそこに部室をまとめているんだ!」
何で其処まで説明口調なんだ。
「行こうよ!克服部!」
なんだお前、克服部とやらの回し者か
「ほら!克服部OBからの声ってところにも色々書いてあるよ。
例えばほら、克服部のおかげで彼女が出来ました!とか宝くじが当たりましたとか!群馬の良いところを見つけることが出来ました!とか」
おい最後失礼だろ。群馬にも良いところはたくさんあるぞ。
焼きまんじゅうとか、ひもかわうどんとか、世界の名犬牧場とか、ぐりーんふらわー牧場とか。
「ねぇ行こうよーおーねーがーいーどうせ暇でしょ!」
...こいつ女じゃなきゃ絶対ぶん殴ってるぞ。
「後でクレープ奢ってあげるから!」
「何をもたもたしている。早くその克服部とやらに向かうぞ」
そうゆうことは早く言え。まったく...
「えっちょ...待ってよ!」
後ろから何か聞こえた気がするが気にせず俺は克服部とやらの部室に向かった。