紹介
「も、申し訳ございませんでした、いろいろございまして。」
「あ、えっと、それはいいんですけど自己紹介したほうがいいんじゃないですか?」
緑の髪の少女がひっそりと言う。
「お願いします」
(まとめまーす。すいません)
黒髪の男性はガイ、銀髪の男性はリガル、濃い茶髪の男性はグレス、おじいちゃんがクロエ、明るい茶髪の女性はネイ、ふわりと浮かんでいる精霊らしき女性はクラリス、金髪の女性はミク、緑髪の女の子はレイラ、桃髪の女の子はジャンヌと言う名前だった。
「では改めて。私はディーヴァと申します。」
「うちはミルナーゼいいます。」
二人で同時に頭を下げる。
「んー、なんか堅っ苦しいのよねー、それ。」
クラリスに言われて、二人して、
「「仕事ですから。」」
である。
「じゃあせめて私とジャンヌはこどもですからいいですよね?呼び捨てで呼んでくださいね。」
レイラにも言われて、
「じゃあ・・・レイラさ、レイラとジャンヌだけですよ。」
「「わーい!!」」
二人から「トランプしましょうよー!」「あそぼー!」など言われまくり、二人とも目がぐるぐる回っている。
「まだ仕事があるのー!」
「ならあの双子と遊ばせておけばいいだろう。」
アグレスが途中で口を挟む。
「解体中ですから・・・」
「無理だな」
「無理です」
「解体中って何が?」
ガイが聞く。
「ねーねーその子と遊びたいー!」
二人とも言いだしてもうこのメイド2人の頭が大混乱である。
「じゃ、じゃあ用意するように言ってきます!」
ディーヴァが飛び出していく。
「で、解体中って?」
「こどもがいると話しにくい内容だからな。」
「まあそうやね。」
「子供扱いしないでください!」
もうギャアギャアみんなが言い出している。
「で、解体ってなんだったんだ・・・」
グレスが言う。
「人間よ」
「うおっ!?しかもさらっとやばいこと言った気が・・・」
(ガイはジャンヌを止めに行きました)
「あんたは?」
濃い紫の髪に、これまた深い紫の瞳。
「魔女のリレイヤ。」
病人なのだろうか、ケホケホとたまに咳き込んでいる。
「リレイヤ様ー!お待ちください!」
後ろからまた女性が追いかけてくる。
「あの双子は人間を解体しておもちゃと称して遊んでるのよ。それじゃあね。」
魔法を使ったのか、ふわりと姿が消えた。
「すいません、お待たせしました!」
ディーヴァが部屋に入ってきた。両手を2人の子供と繋いでいる。
1人は銀髪で紅い目。もう一人は金髪で、紅い目。髪の色以外はとてもよく似ている。手を繋がれたまま二人でわいわいと騒いでいる。
この無邪気そうであどけない女の子たちが人間を解体しているのかと思うと、グレスは鳥肌が立った。しかしそれをディーヴァもミルナーゼもアグレスも知っていた。それでも普通に接しているので素直にすごいなと思ったグレスだった。
「私はティファニー。ティファって呼んで。」
「ちょっとなんで妹のあんたが先に言うのよ。」
「いいじゃん生まれた時間ほとんど変わんないんだし。」
「まあいっか。私は二アリー。ニアって呼んでね。」
というわけで仲良く遊び始めた。
遊ぶ、といったときにレイラとジャンヌが解体される姿を思い浮かべてしまったグレスだった。(そんなことはない)
ちなみにディーヴァさんの用意の内容は双子の部屋の掃除をして、死体を捨てて、2人の血塗れの服を洗濯機に放り込んで着替えさせることです。