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雑魚魚に転生した私、進化したら人魚になったので海の頂点を目指します  作者: Magicfactry


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第9話 自分で進化する力

第9話です。

水流が、荒れる。

小さな体は、まだ耐久特化の感覚を覚えている。

だが、今回は、いつもと違う。

巨大な影、グラドの尾ひれが、水圧と共に押し寄せる。


逃げる。

体を傾け、水流に乗る。

だが、押し返される力は、これまでの比ではない。

骨が軋み、筋肉が引き伸ばされる。

痛みが、全身を貫く。


「ここで……死ぬか?」

思わず心で呟く。

体は、小さい。

しかし、耐久特化の力は、まだある。

だが、限界に近いことも、体は教えてくれる。


牙が、迫る。

尾が、揺れる。

逃げられない。

小さな体で、どう立ち向かえばいいのか。

恐怖が、胸の奥でうずく。


その瞬間、体の奥で、違和感が走った。

骨格が、筋肉が、内臓が――勝手に反応する。

圧力を吸収し、少しずつ体が、耐える力を増す。

痛みはある。

だが、潰れはしない。


「進化……するしかない」

自然に、決まった。

体の奥で、熱が湧き上がり、骨格が、再び組み替えられる。

筋肉が張り、内臓が、圧力を完全に受け止める。

小さな体は、変わらない。

見た目は、同じだ。

だが、中身は、明らかに違う。


尾ひれが迫る。

牙が振り下ろされる。

しかし、今回は、違う。

耐久特化と、内部進化が同時に働き、押し返す力を、体で感じる。

恐怖は、残る。

だが、絶望はない。

生きる感覚が、全身を満たす。


グラドの瞳が、揺れる。

動きに、迷いがある。

小さな体の私が、未知の力を持っていることを、感じ取ったのだろう。


水面の光が、差し込む。

光に包まれながら、初めて互角に渡り合える可能性を実感する。

恐怖の余韻は残るが、心の中で小さく笑った。


瀕死の危機を超えた先で、私は理解する。

耐久特化だけではなく、自ら進化する力がある。

止まらない成長は、もう他から与えられるだけではない。

主体的に、自分の意思で、形を変えられる力だ。


光が揺れ、影が迫る。

だが、小さな体の心は、揺れない。

次に戦う時は、もっと強くなる。

小さな体でも、止まらない成長があれば、海の頂点に近づける――。


深く、息を吸う。

水流の中で、再び心を整える。

瀕死を越えた先に、進化の芽は確かに芽生えたのだ。

お読みいただき、ありがとうございました。

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