表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雑魚魚に転生した私、進化したら人魚になったので海の頂点を目指します  作者: Magicfactry


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/21

第17話 同時進化

第17話です。

迷路の中央。


水が、張り詰めている。


私とグラド。


互いに、傷を負いながら向かい合う。


逃げない。

退かない。


その瞬間。


グラドの体表が、鈍く光った。


嫌な予感。


水圧が、変わる。


巨体が、さらに膨れ上がる。


鱗が重なり、厚みを増す。

尾が広がり、筋肉が隆起する。


進化。


しかも、戦闘中に。


「……来る」


低い振動が、迷路を揺らす。


岩が軋み、サンゴが折れる。


ただ大きくなっただけではない。


水流の使い方が変わった。


尾を一振りするだけで、衝撃波のような流れが発生する。


直撃すれば、吹き飛ぶ。


だが。


胸の奥が、静かに燃える。


上等だ。


尾ひれを打つ。


内部が熱を帯びる。


耐久、維持。


速度、最大。


意識を集中する。


グラドが突進。


今までとは桁が違う加速。


迷路の通路を無理やり拡張するかのように、岩を砕きながら迫る。


真正面では、危険。


直前で、急旋回。


サンゴの影へ滑り込む。


だが。


衝撃波。


水流が横から叩きつける。


体が弾かれる。


岩に激突。


視界が揺れる。


速さだけでは足りない。


なら。


私は、止まる。


尾ひれを小刻みに動かし、微細な流れを読む。


光が、上から差し込む。


枝サンゴの隙間。


光と影のまだら模様。


グラドの視界は、巨体ゆえに死角が多い。


光の中へ、あえて飛び出す。


眩しさで輪郭をぼかす。


グラドが噛みつく。


空振り。


そのまま、岩の裏へ。


尾ひれで水流を巻き、渦を作る。


砂が舞い上がる。


視界を奪う。


巨体が、わずかに戸惑う。


今だ。


腹部の下へ潜り込む。


真下から、全力で突き上げる。


衝撃。


だが、弾かれる。


硬い。


進化で、確実に強化されている。


グラドの尾が振り下ろされる。


避けきれない。


正面から受ける。


衝突。


骨が悲鳴を上げる。


だが、折れない。


内部進化が、衝撃を分散する。


押し込まれる。


だが。


押し返す。


尾ひれを、限界まで打つ。


水流が一点に集中する。


狭い迷路。


巨体は動きにくい。


私は、動ける。


岩と岩の隙間へ滑り込み、急上昇。


グラドが追う。


狭い。


引っかかる。


その一瞬。


光の柱の中から、斜めに急降下。


側面の傷口へ、噛みつく。


深く。


血が、にじむ。


グラドが咆哮するように水を震わせる。


暴風のような尾撃。


だが、もう読める。


一瞬早く離脱。


尾ひれで水を切り裂き、反転。


互いに、荒い呼吸。


進化したのは、私だけではない。


だが。


追いつかれたのではない。


並んだのだ。


互角。


真正面から、ようやく。


グラドの瞳が、変わる。


敵を見る目ではない。


認める目。


小さな魚。


だが、同じ進化を選ぶ者。


海の中で、ただ力を誇るだけではない。


選び、変わり続ける存在。


水が、静まる。


次の一撃で、どちらかが崩れる。


だが。


不思議と、恐怖はない。


高揚。


この瞬間を、待っていた。


逃げるだけでも、押し潰されるだけでもない。


同じ高さで、ぶつかれる相手。


尾ひれを構える。


グラドも、構える。


光が揺れる。


水流が収束する。


同時に、踏み込む。


海中迷路の中心で。


二つの進化が、激突した。

お読みいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ