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第三十一話 ペンタクルの6「取引」





両手を上げる水際。


水際「はいはーい。私たちの負けー」


ナオ「これで終わり? もう私たちからカードを奪おうとはしないってこと?」


水際「そうよ」


ミドリ「オッサン、あんたもだよな?」


コートの男は腕を押さえながら膝をついている。


コートの男「そう致しましょうかねぇ」


ヒロト「なあ一つ聞くけど、この後、警察はどう動く気?」


水際の首元に細い剣を当てるヒロト。


水際「そうねー。外のヤツらに聞いてみたら?」


ザ、ザ、ザ、ザ、


門からスーツの刑事達が拳銃を持って入ってくる。


ヒロト「俺ら……、お尋ね者ってことか……」


スミ「け、警察の人……?」


刑事「武器をおろして、手を上げなさい」


刑事達がミドリとナオに銃を向ける。

ミドリは包丁を地面に落とし、手を上げる。

ナオも観念したように両手を上げる。


ミドリ「はあ……。これでアタシも終わりか。家に迷惑かけっぱなしで……、最悪な締めくくりだな」


ナオ「……」


水際「あのー、一年生? あなたもよ?」


ヒロト「……」


細い剣をカードに戻し、手を上げる。

スミの隣にも銃を向ける刑事。


水際「ぷっ、くくく。素直ね、あなたたち。少しぐらい抵抗するかと思ったのに」


ヒロト「どうせ逃げられないだろ」


水際「よくわかってるわねー。えらいえらい」


スミ「どうしよう、どうしよう……。秋穂先生……」


秋穂「あら、大変なことになっているようね」


秋穂が屋敷の玄関から顔を覗かせる。


スミ「先生……」


秋穂「なに? 暗い顔して」


スミ「私たち……、終わりですよね……」


秋穂「さあ? 聞いてみましょうか。どうなんです? 水際先生」


水際に微笑みかける秋穂。


水際「そうですねー……」


水際が秋穂に微笑みかける。


水際「合格ってところです。秋穂先生」


秋穂「うんうん」


スミ「ど、どういうこと?」


秋穂「あなた達がどの程度の力を持ち、危険な人物かどうかを見極めていた。それが一区切りついたと言ったところかしら」


水際「ええ、その通りー。そして結果が出ましたー」


水際の笑顔が消える。


水際「あなたたちは強い。そして、ただの高校生よ」


ヒロト「それで、どうするの? 俺らのこと」


水際「それはうちのボスが決めるわ」


門からひとりの男性が入ってくる。


市之瀬「お邪魔しますね」


ヒロト「あんたは……?」


市之瀬「カード犯罪対策室をまとめている、市之瀬と言います」


スミ「カード、犯罪、対策室……?」


市之瀬「まあ、言わば、カードという不可解な物を使った、悪い犯罪者を捕まえる人達ってところかな」


ヒロト「そんで、俺らを見張ってたってわけ?」


市之瀬「ああ、高校生がその危険なカードを持って何をするのかにも興味があった」


ヒロト「興味?」


市之瀬「カードを持つ人はどんな人たちか……、僕たちは調べていた。どうやら、必ずしも悪人が持つ凶器というわけでも無いらしい。そこの白川さんのように、善良な市民でも、カードを持つ者がいるとわかったしね」


ナオ「……」


ミドリ「あんた、何が言いたいんだよ……」


市之瀬「放火魔の西野ミドリさんか」


ミドリ「な!?」


市之瀬「安心しなさい。捕まえようとは思っていない。いくつか、君に疑いがある放火事件、それも全てが君たちの起こしたものではないと、我々もわかっているよ」


スミ「放火……。白川さんの家の前の林を燃やしたのは、私です。捕まえるなら、私を……」


水際「あー、はいはーい。その話は後でねー。先に本題の話させてー」


スミ「本題?」


市之瀬「君たちも、カード犯罪対策室の協力者になってもらいたい。いくつか君たちが関与したと思われる事件もあるが、協力してくれるなら、悪いようにはしない」


ミドリ「どういう、ことだよ」


水際「私たちと、お仲間になりましょうってこと、そこの白川さんと同じようにね」


ナオ「あんた、私を裏切っておいて、よくも、のうのうと……」


秋穂「それは誤解よ、白川さん」


ナオ「なっ……?」


秋穂「水際先生はね、私たちにカードを持たせていてもいいのか、テストをしていたのよ」


ミドリ「テストだって……?」


ヒロト「……」


秋穂「結果はどうだったのかしらね」


水際「もちろん合格ー。協力者として申し分なーし」


スミ「ごう、かく?」


水際「私たちを追い返すだけの実力があれば、危険な犯罪者がカードを持って攻めて来ても、あなた達なら大丈夫かなってー」


ミドリ「それって、つまりどういう」


水際「カードを取り上げたりしないってこと。代わりに協力してもらうことになるけどね」


ミドリ「よ、よかった……」


ヒロト「よかったって言えるか? まだわかんねーけど」


秋穂「よかったじゃない。すぐに逮捕されるわけじゃないのよ?」


ヒロト「……」


水際「そういうこと。あなた達は保護観察を継続。これからは協力もしてもらうけどね」


スミ「……えっと、つまり……?」


秋穂「これまでと変わらず学生生活を続ければ良いという事よ」


スミ「よ、よかった」


水際「でもー、犯罪まがいのカード集めをしたら、しっかり捕まえるから、そのつもりでいてねー」


ミドリ「お、おう……」


市之瀬「期待しているよ。君たちの事は見張っているけど、ボディガードだと思ってくれたら」


ヒロト「いらねー」


ヒロトがうな垂れる。



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