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第二十九話 カップの3「加入」





コートの男が持つ壺から、

大量の蛇が飛び出す。

男がいる門の所から、

庭を挟んで、スミたちがいる玄関まで、

蛇が長く、上下左右に広がりながら伸びる。


ヒロト「先輩達、全部は対処できないから、各自で自衛」


ミドリ「わかってるよ!」


ナオ「身を守るためだもの。やるしかないようね」


スミ「……うん」


カードを光のローブに変化させるナオ。

スミのカードはハサミに変化。

細い剣をヒロトが振り、

近づいた蛇から順に頭を落としていく。

ヒロトの隣でミドリも包丁を振って、蛇の頭を落とす。


コートの男「若者はいいですね。仲間と共に戦う。青春を感じますね」


ミドリ「きしょいこと言ってんなよ、おっさん!」


ミドリの周囲に大量の包丁が浮かぶ。

包丁たちが宙を舞い、玄関で飛び交う。

次々と蛇の群れを切り刻む。

切られた蛇は次々に光りとなって消えていく。

残った一匹の蛇がスミに向かって突進。


ナオ「こんなもの!」


スミの手前に来た蛇の首を掴むナオ。


ミドリ「今だ、スミ!」


スミ「はい!」


ハサミを広げて蛇を切る。

蛇が光になって消える。

それと同時に、コートの男が持つ壺も

そこから頭を出す蛇もまとめて消失。


コートの男「そのハサミ、今はそちらのお嬢さんが持っていましたか。チーム内でカードトレードを行っているのですか?」


ヒロト「前は俺が預かってただけだっての」


コートの男「預ける……。強い信頼関係なんですね。いいなあ……、私にも仲間がいればね」


水際「あらー? 私じゃご不満?」


門の向こうから水際が顔を覗かせる。


スミ「え!?」


ミドリ「水際先生!?」


ヒロト「……」


スミ「水際先生が、なんでここに……」


コートの男「おやおや、出てこられたんですね」


水際「もういいかなって。ここでカードを奪えば、隠す意味も無くなるし」


ミドリ「どういうことだよ」


水際「私は警察のスパイでーす。あなた達が危ないことをしてないか、監視してましたー」


スミ「うそ……、なんで……」


水際「ふふー。でもねー、もう調査がかなり進んだんだー。だからー、次のステージに移行ってわけ」


ヒロト「……次のステージ?」


スミ「……」


コートの男「いいんですか? ここでバラシてしまっても」


水際「ええ。我々はカードを危険な物と断定した。だったら、そんな凶器は、生徒から取り上げないとね」


ミドリ「な!?」


コート「はは、悪い先生だ」


ナオ「あんた……、どういうつもり? 私を先に行かせたのは、こいつらを説得させるためじゃなかったの……? てか、その男、いったい何?」


水際「そうよー。ナオちゃんに説得してもらって、穏便に済ませても良かったんだけどー。でもー、なんか上手くいかなそうだし、もういいかなってー」


ナオ「もういい……?」


水際「何人もの協力者がいると危険なの。カードは一カ所に集まろうとする性質がある。敵対しあう者同士が持てば、組織内の争いが生まれかねない。だったら、より信頼のおける実力者にカードを集めたほうがいい。わかるでしょ?」


ナオ「……私と、こいつら、まとめてカードを奪い去ろうってわけ?」


水際「奪うだなんてー、違うわよー」


水際の笑顔が消える。


水際「あなた達の持つカードは、子供なんかに任せておけるものじゃないの。公的な管理が必要、と判断されたのよ。お子様が持っていい物じゃない」


ナオ「……あんた、私を、なめんなよ!!」


ナオがコートの男と水際に向かって飛び出す。


ミドリ「は、はやまんな! 白川ナオ!」


水際「馬鹿な子。やっちゃってー」


コートの男「ええ、もちろん」


カードを変化して壺の形に戻す。

大量の蛇が飛び出し、ナオに飛び掛かる。


ナオ「そんなゴミカードで、私を倒せるわけないじゃん!」


ナオが大きく腕を広げて、勢いよく両手を叩く。


パンッ!!!


ナオの前から広がるように衝撃波が起き、蛇を弾き飛ばす。


ナオ「どうだ!」


スミ「ナオちゃん! 右!」


ナオ「え?」


水際が銀色の槍を持ってナオに突進。

とっさに槍を掴むナオ。


ナオ「こ、これ……。レオの槍!!」


水際「よく止めれたねー。やはり、あなたは優秀だね」


ナオ「なんでお前が、この槍を持ってる!?」


水際「さあ……。どうしてでしょう?」


ナオ「お前!!」


蛇がナオの足元から絡まり、

全身にがっちりと巻き付く。


ナオ「う、ぐ!」


ミドリ「白川ナオ!!」


スミ「ナオちゃん!」


水際「動かないで! この子を殺すわよー」


ミドリ「て、てめ!」


ナオ「ふ、ざ、け、ん、なー!!!」


ナオがぎりぎりと腕に力を込め、

全身を広げて蛇を引きちぎる。


コートの男「おお、これはすごい」


ナオ「はあ、はあ、」


地面に膝をつくナオ。


水際「……あなた、危険よねー。足の一つは潰しておくかな」


ナオに向けて槍を突く。


ガシン!


細い剣で槍を受け止めるヒロト。


ナオ「あ、あんた……」


ヒロト「あんたじゃない。新藤ヒロト」


ヒロトが剣で槍を弾く。


スミ「だ、大丈夫、ナオちゃん!?」


ナオに駆け寄るスミ。

ミドリが宙に浮く包丁を水際に向かって飛ばす。

バックステップで避ける水際。


ミドリ「白川ナオ、一人で突っ走るなよ!」


水際「あらあら、良かったわね白川さん。新しい学校に馴染めているわね」


ナオ「あんた、レオに何をしたの……? 何が目的なのよ……」


水際「私も不本意なんだけどー、学生って、どうしても信頼がないものなんだよねー。それにさー、カード集めに動かすにしても、色々制約が多いからさー」


ナオ「だから私を切り捨てて、その男を引き入れたってわけ?」


水際「そうねー。でもー、ゆくゆくはー、全てのカードは公的に管理される。それが最も安全よ」


ナオ「レオはどうしたのよ。なんでアンタがレオのカードを持ってる?」


水際「彼は素直でいい子ねー。私達の話を素直に理解して、カードを渡してくれたわー。それが、お姉さんにも、家族にも一番迷惑をかけない方法だと教えてあげたのー」


ナオ「レオも私と同じように騙したってわけ?」


水際「騙したなんてー、人聞きが悪いなー。合理的な判断をしただけー」


ナオ「何が合理的よ。この詐欺師が」


水際「ひどいなー、刑事に向かって……。それにね、元々、彼はカードを持っていなかった。あなたが家族を守るためと言って、彼にカードを渡していたんでしょう? 今、あなたの家族は私たちが守っているのだから、そのために彼のカードを使うのは、間違っているのかしらー?」


ナオ「守るなんて言って、利用しているだけじゃない!!」


ナオが水際に飛び掛かる。

水際もナオの懐に飛び込む。

ナオが右ストレートを放つ。

それを読んでいたように、かわして、

お互いの顔が密着するほど近づいて、

睨み合う。


ナオ「っち!」


ナオが後ずさりしながら、拳の連打。

水際はナオから離れないように密着しながら拳をいなす。

ナオの拳からは衝撃波が放たれているが、

水際には当たっていない様子。

衝撃波が庭の木々を揺らす。


ナオ「は、はなれろ!」


繰り出そうとするパンチ。

しかし、水際に二の腕を掴まれて止められる。


水際「どうやら、ゼロ距離なら、あなたの力も対処できそうね」


ナオ「こ、この……」


シャキン!


突然、ナオの頭の横を細い剣が勢いよく通る。

水際がナオの腕を離して、剣の先端をバックステップで避ける。


水際「……危ないなー。今の、殺人未遂で立件できそうだったけどー?」


ヒロト「それ、未成年だと、刑期はどれぐらい?」


水際「そうねー、でも、軽くならないように、余罪をたっぷりつけてあげるー」


ヒロト「冗談」


ナオ「……アイツ、戦い慣れてる」


ヒロト「見たらわかるって。チーム戦なんだからさ、一人でやるなって西野先輩にも言われたよね」


ナオ「……。チーム戦……、ね……」


ミドリ「そういうことだ、白川ナオ」


ナオと背中を合わせるように立つミドリ。


スミ「この人達、強いから……、お互いをカバーしなきゃ……」


ナオとミドリと、背中を合わせるスミ。


ナオ「ふーん……。そういうのも、悪くないかもね」


ヒロトも背中を合わせるようにして、4人が密着。


水際「あらー。いいわね、そういうの」


コートの男「協力し合うというのは良いものですね。では私達も、連携プレイと致しましょうか、水際さん」


水際「えー。おじさんと連携なんてー、したくないしー」


コートの男「……。まったく、このお嬢さんときたら……」


水際「まあ、しょうがないか。じゃあ、私が先行でー」


水際がナギナタのように、槍を振り回す。


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