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第十四話 死神の正位置「終わり」





長い髪の男「おいおい!大丈夫か!?」


金髪の男が倒れている。


金髪「が、ごほっ、ぐ、ぐっそ……」


起き上がろうとしているが、力が入らない。


スミ「はあ、はあ、」


ヤンキー「なんだよ。私、弱者です、非力で無害です、みたいな顔してやがったのに」



スミが丸太を横に構える。


スミ「う、うわああああ!!!」


横一線に薙ぎ払う。

ヒロトが寝転んで丸太をかわす。


長い髪の男「う、うわ!」


男たちもしゃがんで回避。


スミ「はっ、はっ、はっ、」


長い髪の男「ヒュー。顔に似合わない馬鹿力、ますます可愛くみえてきた」


ヤンキー「くそ、ゴリラみたいに振り回しやがって。おい、さっさと起きろよ」


金髪の男「う、今、起き上がろうとしてんだ……」


気を失う金髪の男。


長い髪の男「あらら、ダメそうじゃん」


入れ墨の男「これで、3対2か」




スミが縦に丸太を抱える。


スミ「はっ、はっ……。ヒロト君、大丈夫?」


ヒロト「ああ。でも、足が動かせそうにない」


ヒロトの足元に粘着の液体が張り付く。


スミ「ど、どうしよ……」


ヒロト「俺を盾にして。後ろのほうで、そいつを振り回して」


スミ「そんな!巻きこんじゃう!」


ヒロト「俺なら、かわせる」


スミ「う、うん」


ヒロトが剣をカードに戻して、ポケットにしまう。


スミ「ヒロト君?」


新たなカード取り出す。


ヒロト「オープン」


ヒロトの手のカードが、ぐにゃりと曲がる。

金色の大きな十字架のような物に変化する。

上下反対にし、剣のように構える。


スミ「別のカード……」


ヒロト「これ、苦手なんだけどね」


ヒロトが長い“まばたき”をする。


ヒロト「黒瀬先輩、急いで後ろに下がって」


スミ「え、うん」


スミが後ろに小走りする。

突然、地面が盛り上がり、

スミがいた場所に、大きな山が出来上がる。


スミ「え!?」


ヤンキー「あー、くそ、外したか」


スミ「今のなに!?」


盛り上がった土の山を回って、

ヒロトの後方につく。


ヒロト「次、丸太を、後ろから大きく振りかぶって、横に振る!」


スミ「は、はい!」


スミが丸太を抱えて、反転し、横に構える。


髪の長い男「可哀そうだけど、あの丸太は面倒だし、動けないようにしとこ」


走って近づいてくる、髪の長い男。

続く入れ墨の男。


スミ「振るよ! しゃがんで、ヒロト君!」


ヒロト「いいから、早くやれ!」


スミ「う、うわあああ!!」


横一線に丸太を振る。


髪の長い男「うわっと!」


ヒロトの手前で、しゃがんで丸太をかわそうとする。

立ったまま十字架を構え、

丸太をかわそうともしないヒロト。


スミ「ヒ、ヒロト君!!」


入れ墨の男「カット」


ヒロトに当たる手前で、丸太が消える。

スミの手元でカードに戻っている。


スミ「きゃっ」


丸太が消え、バランスを崩して倒れる。


髪の長い男「お、おい!ハサミで切るなら切るって先に……」


ガン!


ヒロトの十字架が、髪の長い男の頭を、払い飛ばす。

叩き飛ばされ、ごろごろと転がる髪の長い男。

気を失って動かない。


ヤンキー「あのバカ、なにやってんだ!」


入れ墨の男「……。俺が丸太を切るの、読んでたってこと?」


ヒロト「そんなの、お見通し」


ヤンキー「やっぱ、お前、うざいな」


銅色のメダルをヒロトに向ける。

ヒロトの周りの地面が盛り上がり、

山のように積み上がりながら、ヒロトの身体を飲み込んでいく。


ヒロト「ぐっ……」


顔だけを出し、盛り上がった土の山に飲まれる。


スミ「ヒロト君!」


ヒロト「だ、大丈夫! 先輩は動かないで!」


ヤンキー「しゃべんな。うっせーなー」


ヒロト「ぐ、が、が……」


ヤンキー「まずはこのガキをゆっくり圧殺だ。そのあとで丸太女をやる」


入れ墨の男「その間に、女の子に逃げたられたりしない?」


ヤンキー「チームの奴らが公園を囲ってる。外には出れねえよ」


ミドリ「そこまでだ! クズ野郎ども!」


ヤンキーが振り返る。

包丁の雨がヤンキーに降り注ぐ。


ヤンキー「なに!? うわああ」


腕や足に刺さる。


ヤンキー「いっでええええ!!」


スミ「西野さん!!」


入れ墨の男「援軍か……?」


ミドリ「まだやる!? お前らの仲間は、先生が相手してる! ここには来ねぇぞ!」


ヤンキー「いでえ……、くそが!」


銅色のメダルをヒロトに向ける。


ヒロト「ぐ、うぐあああ!!」


スミ「ヒロト君!?」


ミドリ「な!?」


ヒロト周りの土が更に分厚く広がっていく。


ヤンキー「動くなよ!! 動いたらこのガキを殺す!」


ミドリ「野郎……」


ヤンキー「今だ、おい、この女を殺せ!早く!」


入れ墨の男「いや、いいや、今日はもうやめた」


ヤンキー「はあ!?」


入れ墨の男「お前も、もう動けなさそうだし。僕一人で、女の子二人は相手したくない」


ヤンキー「ふざけんな!!」


入れ墨の男「じゃあ、後は頑張って」


入れ墨の男が立ち去ろうとする。

足に絡みつくツタに足をとられて止まる。


入れ墨の男「な、なんだ?」


みるみる内に全身に絡まるツタ。

ヤンキーにも、気を失っている男たちにも絡まる。


ヤンキー「な、なんだよ!! これ!!」


入れ墨の男「うぐ、息が、ぐぐぐぐ、が、……」


ヤンキー「くそが、ぐ、が、……」


動かなくなる男たち。

男たちの全身のツタから、紫の花が咲く。


秋穂「は~い。お待たせしました」


ヒロト「お、おせえ……よ」


秋穂「ごめんなさ~い。周りにいた男たちにナンパされちゃってさ~。私の美貌にみ~んな群がっちゃって~」


ミドリ「スミ! 大丈夫か?」


スミ「た、助かった……。西野さん、先生、ありがとう」


秋穂「よく頑張ったみたいね。関心関心」


ヒロト「う、うるせ……」


土の山から這い出るヒロト。


スミ「だ、大丈夫?」


ヒロト「なんとか」




秋穂「じゃあ、お宝タイムね~」


ツタが男たちの体をまさぐる。

服のポケットに入り込み、カードを取り出していく。


秋穂「お、いっぱいあるじゃ~ん!」


4人の男のポケットから取り出された、合計9枚のカード。


秋穂「9枚か~。一人2枚。1枚はじゃんけんで勝った人にってところかな」


ツタが緩み、地面に倒れる男たち。


ミドリ「怪我はないか?」


スミ「うん。でも、ヒロト君が」


ヒロト「このくらい、大丈夫だっての……」


ヨロヨロと立ち上がる。


ミドリ「やばそうじゃん。先生、早くここから離れようぜ! 他にもこいつらの仲間がいるかも!」


秋穂「はいはい。ちょっと待ってね」


秋穂が男たちをツタで引っ張って運んでいる。

男たちを重ねるように積み上げていく。


スミ「先生……?」


秋穂「西野さん、コイツに何か言っておくことない?」


一番上に積まれたヤンキーを指差す。

気を失っている。


ミドリ「……。よくも、お母さんをボコボコにしてくれたな。仇、取らせてもらうぞ!」


思いっきり顔面を殴る。


ミドリ「ふう……」


秋穂「あら、それで終わり?」


ミドリ「ああ、こんなことしてる場合じゃないしよ。新藤の体も心配だ。誰か来る前に逃げようぜ」


秋穂「もっと盛大にやっちゃってもいいのに……。それじゃあ、仕上げといきましょう」


秋穂が銀のメダルをカードに戻す。

別のカードを取り出す。

シャンパングラスに変化。


スミ「え? それ……」


シャンパングラスの液体を男たちに振りかける。

布のように広がり、男たちを包んだかと思えば、

小さくなりながら消えていく。

跡形もなく消える男たち。


スミ「っ……!」


ミドリ「なんだよ……、それ」


秋穂「お片付けは、きっちりしないとね」


ミドリ「殺したのか……? 跡形もなく……」


秋穂「さあ? わかんな~い」


ミドリ「……」


秋穂「はい、みんな、お疲れ様。今日はここで解散。カードの山分けは明日の放課後ね」


スミ「……」


ミドリ「……」


ヒロト「……」


秋穂「じゃ、お先~」


手を振りながら去っていく、秋穂の後ろ姿。




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