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第一話。クソ女神と異世界召喚。

俺は【中村優作】。25歳。独身で彼女はいたけど、半年前に振られて今は居ない。


俺は決して天才ではなく、かといって劣ってるわけでもない。

俺の何もかもが全て普通の域を出ない、よく言えば何でもこなせるが、悪く言えば器用貧乏。


そんな見栄えの良くない人生を25年間過ごして来た俺に突如として転機が訪れた。


ある日目の前にウインドウが表示された。

『あなたは選ばれた勇者です。異世界にてその才能を発揮できる可能性があります。異世界に転生または召喚されますか?』


モ〇〇リングか何かのドッキリかと思ったが、ビックリして了承した方がウケると思い、『はい』と答えた。


すると一瞬で目の前の景色が宇宙みたいな空間に変わった。

目の前の台座には奈良の大仏のように寝転がってる女がいた。見た目は女神っぽい。

『なんだ?すげー凝ってるな…』

そう言いつつ、こんな事現代技術で出来るのか疑問が湧き、段々とこれはマジもんの異世界転生なんじゃないかと思いつつあった。


女神っぽい女が偉そうに言う

『おめでとうございまーす!そして異世界への転生にご協力ありがとうございますー!』


『あのー、これ本当のやつ?マジな異世界転生のやつ??』

女神っぽい女

『本当ですよー!貴方にはこれから私の管理する世界で魔王を倒すべく!粉骨砕身頑張って貰いたいのですー!』


俺『な、なんで俺だったんですか??抽選とか??』


女神っぽい女

『抽選とかじゃいですよー。召喚する時にもお伝えしたと思うんですが、貴方は私の管理する世界において凄まじい可能性も持った才能の持ち主なのです!』


『ま、マジですか!!じゃ、じゃあ良くあるチートスキル貰えたりとか、凄い隠し職業とかそんな感じですか!?』


女神っぽい女

『残念ながら、隠し職業とかは無く、私がチートスキルを与える事もありません。貴方にはとんでもないS級スキルが既にあるのです!』


俺『うぉぉぉぉ!!マジかぁっ!!やったぁぁぁっ!!

それでどんなスキルなんです!??』


女神っぽい女

『それはまだ分かりません!!』


俺『……え?』


女神っぽい女

『だぁかぁらぁ、まだ分かりません!転生してから分かるんです!』


俺『なんで!?そんなS級スキル持ってるのは分かるのに!?そこまで分かってるのに内容分かんないなんで意味わかんなくないですか!?』


女神っぽい女『そんな事言われたってそういう決まりなんですよ。知らべたら分かりますけど、最初から知ってたら面白くもなんともないですもん!』


俺『面白くないって…あんた異世界の命運がかかってるんだろ!?めんどくさがらないで調べてくれよ!!』


女神っぽい女『命運も何も、この世界を面白おかしくする事が私のお仕事なんで!』


俺『はい??面白くって魔王を倒さなきゃなんだろ?』


女神っぽい女『そうですよー!私のお仕事は管理してる世界を面白くして、それを他の神様に配信して利益を出してるので!ただでさえS級スキル持ってるんですから、それくらいの苦労はしてください!』


俺『クソ見てーな世界じゃねーか!!マジで最初浮かれてたけど、来たの少し後悔しつつあるわ…』

(ユーチ〇〇バーかよ)


女神っぽい女『でもまぁ、見事魔王を倒せたら、私の管理が及ぶ範囲で好きな世界に転生や能力を持って行けるので頑張る価値はあると思いますよ?』


俺『まぁ、前の世界には特に未練も無いからやるにはやるよ…』肩を落としながらため息


女神っぽい女『申し遅れました。改めまして私は112626世界を担当してるブルュンヒルデと申します。』


俺『俺はなか…』

ブルュンヒルデ『あ、名前もう知ってるので自己紹介は良いです!』

俺『くそ女神!!』

ブルュンヒルデ『それより、一応選べるんですが、記憶を持ったまま15歳くらいの勇者として召喚されるか、記憶を消して転生して赤子からやり直すかどっちが良いですか?私としては面白そうだから赤子からお薦めしてますが。』


俺『面白そうって理由がムカつく…。選択した事によるメリットデメリットって、何かある?』


ブルュンヒルデ『いえ、特にありません。ステータスやスキルは変わらないので!しぃていえば赤子からやり直す場合綺麗なママのおっぱいを吸えて、そのシーンは結構視聴率あがるので、そっちの方が私はありがたいなと。』


俺『マジでクソ見てーな理由だなぁ!!』膝と手をつき叫ぶ


俺『でもまぁ、せっかくだから記憶を残して召喚にしようかな!まだやりたい事もたくさんあるし!』


ブルュンヒルデ『チッ…』

(優作ツッコミ(今舌打ちしただろ!クソ女神!おい!てめー聞いてんのか!!))


ブルュンヒルデ『それでは今より、信者どもに神託出したらすぐ召喚されると思うので、頑張ってきてくださいね!』


俺『おいちょっと待て!まだ言いたい事も聞きたい事もたく……』

(召喚転移される)




俺『さんあるんだ……ってもう!?もう召喚されたの!?』


見渡すと神官みたいな格好したおっさんと信者数人に囲まれていた。


神官『おお!ご神託は本当だった!!勇者様…突然の事でご混乱しているでしょうが、貴方様は創造神ブルュンヒルデ様のご神託によって導かれた勇者様です。何卒…世界をお救いください…』

他の信者達(お救いくださいませ。)


俺『はぁ〜。混乱というか、その女神様とやらに頼まれてこっちに来たからさ、魔王倒すの手伝うのは良いんだけど、自分でどんなスキルやステータスなのか分からないんだよね…』


神官『然様でしたか。それは困りましたね…。スキルやステータスは鑑定スキルが無いと知ることは出来ないのです。本来は自分のスキルやステータスは自分で確認は出来るのですが、スキルに関しては発動条件を満たさないと表示されないのです。』


俺『なるほどなー。ステータスはどうやって確認すればいいんだ??』


ブォンっと目の前にステータス画面が表示された。

俺『うぉ!出てきた!!』


神官『ステータスは確認したいと思いながらステータスという言葉を発声すれば表示されます。確認したい気持ちが無くなればステータスは勝手に閉じますよ。』


俺『それは便利だな!スキルの所【????】になってるな。』


神官『この世界ではスキルというのは各個人の素質がほぼ直結しております。スキルの数もランクも全てです。貴方様の【????】となってるスキルは、固有スキルですが、素質さえあればその他のスキルも発動条件を満たせば追加されます。』

俺『ちなみに発動条件って例えばどんなのがあるんだ??』


神官『それがですね。各個人で同じスキルでも発動条件が違いまして、正直分からないというのが本音です…。』


俺『!?え!??まじ??』


神官『はい。私の固有スキル【神託】の発動条件は神に手を合わせ祈る事でした。が、他の神託スキルの方で生まれつき使える者や日に1度の善行を30日間欠かさず行う事など、条件はバラバラでした。発動条件はある程度スキルに関連したような行動を行う場合に達成される事が多いですが、そもそも何のスキルなのか分からないので、自ら達成しやうと思っても難しいのです。固有スキルの発動出来ぬまま生涯を終える者も少なくありません。』


俺『マジかよ…。あの女神の世界らしいクソ仕様かよ…。』


神官『女神様に向かってなんて恐れ多い事を…ッ!!しかしまぁ、その各個人が持つ固有スキルというのは、その人なりに準ずる事が多いのが分かっているので、勇者様の性格や考え方が反映されたスキルだと思います。』


急に気が重くなってきた。

なんだよ。チートスキルで異世界最強出来るかと思ったのに…

そういう後悔とムカつきが込み上げてきた…


神官『しかし貴方様は神のご神託によって導かれた勇者様です。勇者様のスキル解放条件は基本的に緩い事や、ステータス上昇率が高かったり、魔法適正があるのでそのうち解放されると思います。気をしっかりお待ちください。私達の世界は貴方様にかかっているのです。』


俺『ウダウダ言っても仕方ないかー。そんで、これから何をすればいいんだ?』


神官『魔王は世界の中心部にある【キャロウェイ】という街を占拠し、城を築きました。最終的にはそこへ赴いて欲しいのですが、魔王城の周辺はレベルの高い魔物が多いので、まずはそこを避けてレベルアップを目指すのが宜しいかと思います。当面の資金や装備にお困りにならないよう金貨50枚をお渡し致します。』


そういって追い出された。

『なんかよくよく考えると腹たってきた…。

めっちゃ口調丁寧だったけど、世界を救って欲しい勇者に金渡して頑張れって適当すぎない!?

普通あれでしょ!国王様の所に連れてかれてさ、めっちゃ優遇されて衣食住は困らなくて、綺麗なパーティーメンバーとかお供についちゃってさ!国軍と一緒に魔王攻略とかじゃないん!?』


はぁ、文句ばっか言ってもしょうがないかー。

そう思いながら、とりあえず武器屋に向かった。


武器屋にはいかにもな面構えの坊主頭の店主がいた。

めちゃくちゃ顔が怖いけど、異世界モノではお決まりの意外と気さくな店主パターンでこの世界の事を教えてくれた。


まず、スキルに関しては個人の才能が全てで俺がこれからどんなスキルを手に入れるかは俺の素質次第らしい。

が、スキルはたくさん使うとスキルレベルが上がり、勇者はその上限が無いとの事だ。レベルが高くなるに連れてレベルは上がりにくくなるものの、上限があるのとないのとじゃ全く違う。どのスキルも上限は5が最大らしいが勇者は6でも10でも上がるようだ。


あと、この世界には魔法があり、魔法は魔法操作能力とイメージが大事らしい。魔力自体はステータス依存だが、どういった魔法をどの程度の威力で使うか、またイメージ通りの魔法操作を出来るかは修練次第で何とかなるようだ。


また、魔道具があれば魔力の消費無しで誰でも簡単に魔法を使える。

魔道具は日用品から戦闘用まで幅広くあって、魔道具を作るには相当な魔力操作が必要で基本的には買った方がお得なよう。


またこの世界のモンスターや魔物について、モンスターにはランクがあるが、基本的には人間が評価して付けたランクで、同じモンスターでも希少種や突然変異型、また単純に強い弱いがあるので目安程度に考えれば良い。


モンスターを倒すと魔素が放出される。それを魔力操作で取り込む事でレベルアップする。その時に魔力も少し回復するようで、魔力が尽きた時は弱いモンスターを倒して回復するか、回復薬で補充するのが一般的。


そしてこの世界にはギルドがあり、色んな依頼をこなして生計を立てる冒険者業がお薦め。その為にはギルド登録料と簡易的な試験を受ければ大体冒険者登録出来る。

冒険者ランクはG〜Sまでの8段階あって、Sランクは世界に数人、Aランクでも世界に100人といなくて、基本的にはBランクが冒険者としてのランク上限のようだ。

ランクは試験を受けるか、実績によってギルド権限で昇級させられるシステム。

AやSランクは昇級試験は無く、天災級のクエスト依頼や魔王軍との討伐実績などを持って、世界中のギルド組合のギルド長の承認を得てようやくなれるようだ。AやSランク以上の冒険者は1人で小さな国の戦力と同等の力を持ってるので、その冒険者が在籍してる国の立場が強い。(前の世界の核保有国みたいなもんか)

それでもそんなAランクやSランクがパーティーを組んでようやく倒せるレベルの天災級のモンスターや魔物がいるので、その場合は各国が協力しあってるみたいだ。


またこの世界の硬貨価値は、国によって違うが今いる【ブルーペンタゴン】では銅貨3枚で一食分、銅貨10枚で簡素な宿一泊分なそうだ。

基本的に硬貨は国によって大きさやデザインは違えど、材質が同じであるため他国でも殆どのものは使える。

冒険者ランクがE以上であれば宿と食事には困らないくらい稼げるらしい。


店主『ま、こんな感じかな!にいちゃん勇者ならうちを使ってくれよ!勇者は良い広告になるから、無料で提供するぜ!』

俺『本当ですか!?ありがとうございます!』


この世界に来て初めて優遇された気がする。というかこいつ優しすぎないか?俺にずっと説明してる間誰も客が来てないけど、この店の装備大丈夫なの??

と疑問が湧いたがタダなのでとりあえずもらう事にした。


店主『にいちゃん武器は何使いたいんだ?獲得できるスキルは本人の性格や気性にもよるから、武器はインスピレーションで決めるのがお薦めだが。』


まじかー!と思ったが、俺って何の武器が好きなんだろ??武器とか完全に無縁な世界から来たし、いざそう言われると困るな……

モ○ハンとかだと笛使ってたけど、武器っていうには…サブ武器は大剣とガンランスだっからイカツイ武器にしようかな??


俺『なんかイカツイ武器が良いな!でっかい剣とか!もしくはマイナーな武器!』


店主『なるほどな。使いこなすには魔力操作が難しいが、使いこなせれば超強いイカツイ武器があるぜ。ほらよ。』

そういって奥から馬鹿でかい棍棒みたいなのを持ってきた。


俺『これは…?』


店主『これは魔法杖と武器が1つになった画期的な武器さ!殴れる杖だと思えばいい。魔力を流して、先端の魔法石から魔法を放ち、味方をサポートしたりバフをかけながら自分でも殴れる武器さ!』


俺『狩猟笛じゃねーか!それほぼやってる事狩猟笛だわ!!』

店主『狩猟笛ってのが何かは分からないが、サポートも戦闘も出来る画期的な武器だぜ。』


俺『でもなんでそんな強そうな武器がマイナーなんだ??』


店主『魔力操作の上手い奴は大体運動出来ない奴が多く、逆に戦闘スキルが高い奴は魔法操作が苦手なんだよ。この武器が棍棒みたいな見た目になってるのは棍棒の中にバカでかい魔法石を埋め込んであって、魔法の威力や範囲を超底上げしてる。しかし持てば分かると思うが馬鹿でかいゆえに、この武器を持つものは常時自分に身体能力を上げる魔法か武器自体を軽くする魔法を戦闘中掛け続けなきゃならん。さらにいえばそれを武器として振り回すのならなおさらな。それが出来ても魔力が尽きると武器すら持てなくなるから使う奴が少ないんだ。』


俺『それなら剣とかに手頃な魔法石を埋め込んだ武器とかにすれば良いのに…』

店主『魔法剣ならあるぞ。それが1番人気だ。』


…あるんかい…


俺『そんな難しい武器なんでわざわざ作ったんだ?』

店主『俺が作ったわけじゃないが、魔法石はでかけりゃデカいほど魔力を底上げしてくれてる。つまりこの武器はロマン砲でありながら繊細な技術が必要な選ばれし者だけが持てる幻の武器なのさ!』


う……

めっちゃ惹かれる…この店主…見た目によらず、死ぬ程商売がうめぇ。すでに買いたくてしょうがない自分がいる…

俺『しかし、そんな難しい武器俺でも使えますかね??』


店主『あんたこの武器見てどう思った?カッコいいとか心が惹かれたなら恐らくスキルとかが発動する条件を達成出来るかもしれないし、これを使う素質がある可能性は充分あると思うがな。』


俺『わかった。この武器にする。ってくっそ重!?!?』

店主『あぁ、勇者様はまだ魔法使えないのか!魔法を使うコツは心臓に集中してそこに何かモヤモヤを感じないか?』


俺『ん…。あるような気がする。』

店主『それを体の中を通して手に集中させてみろ。手が暖かい気がしないか?それが魔力だ。それを頭の中のイメージとすり合わせて、身体能力を向上させるか手に集中させて武器を軽くするかやってみろ。』


んんん!!!そいや!!

俺『お!持ち上がった!!!か、軽い!!振り回せそう!!』


店主『やっぱ勇者様は才能あるんだなー。1発で出来ちまうなんて、ほとんど見ないぜ。ちなみに、イメージしづらかったり、難しい魔法を使う時は詠唱するのも手だな。詠唱なんてしなくても魔法は使えるが、する事によってイメージをより精密化させる事が出来る。精密な魔法や威力を上げたい時は詠唱するのが一般的だが、対人戦では無詠唱が基本だ。』


俺『店主さんありがとうございます!』

店主『いいってことよ!装備もひとまず渡すから、金稼いだら買いに来てくれよな!あと、勇者様がうちの装備使ってるの宣伝するけどいいよな!?』


そんなもんで装備が貰えるなら安いもんだと簡単に了承した。

が、知らん間にカメラみたいなので撮られてたらしく、後日めちゃくちゃチラシを配りまくったせいで、俺が勇者である事が写真付きで町中に知られ、パーティー参加希望者や胡散臭い奴に絡まれまくる事になったのは言うまでも無い。


とりあえず今日は店主お薦めの宿に泊まり休む事にした。


俺『明日はギルド登録をして、レベルアップ目指すかー!』


『本当に異世界に来たんだな。凄く長い1日に感じたなー。でもこの世界で俺はレベルアップして、有名になって、可愛い女の子とかに囲まれて、後輩や新人冒険者には尊敬されまくったりする人生を目指すかー!!!すげーやる気出て来た!明日から頑張るぞ!!』


こうして、俺の苦労の絶えない冒険が始まるのだった。

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