95歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ
「なんか風が強くないですか?」
「そうね。結構強い風かも……」
クラリス達はチヨの家へ向かっていると急な強風に煽られていた。
「この風は……ウールのではないか?」
「ウールの?って事はあっちで何かあったんじゃ⁉︎」
「いや、この風にはキレがない。攻撃というより飛ばすじゃな。」
「じゃあ何を飛ばしたのかしら?」
「これじゃよ。」
「葉っぱ?」
ダークは空から落ちてきた葉っぱを掴んでクラリスに見せた。
「何で葉っぱなんか……あっ。」
「気づいたか。」
クラリスが触れた葉っぱからリーフの魔力を感じ取れた。
「早く帰らないとね……」
魔力からリーフ達が相当心配しているのが読み取れたクラリス。
「おーい!2人とも早くー!」
気がつくとサクラとエール、ボタンが大分前を行っていたのだった。
「早いなー!待ってー!」
先を行く3人に向かって歩き出す2人でした。
少し歩くと煙が上がっていた。クラリス達はそれを見ると嫌な予感がして走り出した。
「まさか……」
そのまさかである。チヨ達の家に火を放とうとしていたのだ。
「おのれ……奴ら性根が腐っておる様じゃな……」
ダークも怒りが言葉にこもっていた。とにかく作戦を考えてる暇はない。早くチヨ達家族を助けなければならないのだ。
すると、いきなり雨が降ってきたのだ。
「クラリスお主か?」
「いえ、私ではないわ。自然の雨でしょ?」
「しかしこの雨には魔力が入っておるぞ。」
「……てことは……」
「あなた達。人の家を焼こうなんて何を考えているのかしら?」
「あんまり私たちを怒らせないで下さいね……?」
声のする方を見ると見覚えのある顔が2人。
「リーフ!フロール!」
クラリスが2人の名前を叫んだ。
「遅いから迎えにきたのよ。クラリス!」
「半分はそうですが、半分はこの人たちが家を囲んで何かしていたのできたんですけどね。」
空を飛んでいた2人だったがクラリス達を見つけると降りてきたのだった。
「おのれ。妖怪の類か!」
「妖怪な訳ないでしょ⁉︎妖精よ!」
妖怪呼ばわりされてリーフが怒って言い返したがそんなの関係なしに相手は矢を放ってきた。
「わわわー!いきなりあいつら矢放って来たわよ!」
「うむ、これでは死んでしまうのー……やり返さなければな!」
棒読みで言うダークに戦慄するクラリスとフロール。そしてボタンはもはや気絶仕掛けていたのでサクラに支えてもらっていた。
「それじゃあ殲滅しますか!」
「ああ、2人くらい生かしておけよ。尋問しなければならんからな!」
ダークは口角は上げながらみんなに言うのであった。
5分後……
「き、貴様らは一体何者なんだ!」
敵は全て全滅しており5人だけツルで縛り上げて捕らえていた。
「威勢がいいのー、だがのー……」
ダークは男が身につけている脇差を抜いて男の太ももに突き刺した。
「ぬあああー!」
「質問してるのはわっちじゃ。貴様は生かされただけでいつでも殺せるという事を忘れるなよ?」
((((((怖い怖い怖い!))))))
クラリス達全員がダークにビビるのだった。なので尋問はダークに任せてクラリスとサクラボタンはチヨ達を探す事にした。リーフとフロールはダークの手伝いをする事になるのだった。
「チヨちゃーん!何処にいるのー?」
「もう大丈夫だよー!」
「チヨチちゃーん!」
「……お姉さん達?」
「「「チヨちゃん!無事で良かった!」」」
「助けに……来てくれたんですね!」
「うん!遅くなってごめんね!」
「ううん!来てくれるって信じてました!」
「あれ?お母さん達は?」
「こちらです。火を放とうとしていたので漬物を付けてる家の下に隠れてました。」
チヨが指差す方には木で出来た扉が地面にあった。
「父様、母様、お姉さん達が助けに来てくれましたよ!」
「本当か⁉︎」
「外にはもう安全なの⁉︎」
チヨの両親は不安なのかなかなか外に出てこないのでクラリス達が顔を出し手を差し伸べた。
「ああ……ありがとうございます!」
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
チヨの両親は何度もクラリス達に頭を下げるのであった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は3月21日月曜日午後15時です。日付に注意して下さい。お楽しみ!
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