93歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
「さぁ、飲め飲め!食え食え!」
オオクニヌシが進めるのでどんどん飲めや食えやのどんちゃん騒ぎをしていた。
「おう、嬢ちゃん。昨日オオクニヌシを飲み負かしたらしいな!今宵は俺と飲み比べだ!」
「いいだろう!わっちも飲み足らんかったんじゃ!勝負!」
戦神とダークは飲み比べをしていた。しかも樽でである。
「サクラさん。今日は魚がありますよ。」
「本当です!昨日は物足りなかったから嬉しい!」
エールとサクラは飲むより食うに走っていた。やはり野菜だけというのはこの2人には物足りなかった様だった。特にエールは。
「あの……オオクニヌシ様。」
「ん?なんだボタン。お前も飲むか?」
「いえ、お伺いしたい事が……」
「分かっておる。お前の主人の事だろう?」
「はい。数年前に何処かへ行ったきりなんです……何か知りませんか?」
「うーむ……我も見つけれてないからな……もしかしたら他国に行ったのかもな……」
「そんな……」
「あやつは掴みどころがないからな。でも、消えてはおらん。それだけは確かだ。だから安心して良い。」
「はい……」
良い情報ではないが、生きてる事がわかっただけ良かったと思えるボタンでした。
それからしばらく宴会が続いた。結局今宵の飲み比べもダークが勝っていた。なのでクラリスがダークを連れて帰り、戦神はオオクニヌシが連れて行った。
「クラリスさん。私が運びましょうか?」
「大丈夫よ。エールは今日の量でようやく満足?」
「はい!昨日の量だと、やはり足りませんね。サクラさんもですけど。」
「そりゃーあの量で足りるはずないよ!エールだってクラリスだってそうなんでしょう?」
「もちろん。ドラゴンですから。」
「まぁね。でも身体には良いのよ。暴飲暴食は美容にも良くないし。」
「むむむ……クラリスが真っ当な事言ってる。ボタンちゃんはあの量で足りるの?」
「えっ?わ、私ですか⁉︎」
急に話題を振られたので驚くボタンだったが、すぐに元の調子に戻った。
「私はあのくらいで丁度いいです。そもそもあまり食べないので。」
「へぇー。でももう少し食べないと身長も胸も成長しないぞ!」
「ほ、ほっといて下さい!」
サクラにからかわれて頬をぷくーっと膨らませるボタンでした。
翌日……
「お世話になりました。」
「なんだ、もう帰るのか。つまらんなー」
クラリス達は下界に降りたのでそのままリーフ達の元へ帰る事にした。
「まぁ、それぞれに用事があるからな。また近くに来たら来い。今度くる時は何かしらの土産を期待しているぞ。」
「神様なのにせこい奴じゃの。」
「コラ!ダーク!分かりました。では。」
そしてクラリス達はリーフ達の元へ帰路に着いた。
「ねぇ、このままエールに乗って帰る?」
「それも良いがこの前の村の様子を見ていかんか?」
「あー、あのひどい人たちがいた?」
「うむ。滅んだかどうか見ておきたくてな。」
「物騒な言い方ね。でも火事の後だし見て行こうか。」
出雲の町を抜け、人里離れた場所に行くとエールはドラゴンになりみんなを乗せた。
「やっぱり空を飛ぶと速いね。」
「エールのこのスピードが丁度良いのよね。」
風を感じながらクラリスとサクラは話していた。そしてその後ろではボタンとダークが話していた。
「お主はまだ主人を探すのか?」
「はい、生きてるならまだ戻られるかだけは確認したいのです。」
「ふむ……ならばこの旅の間探してみると良い。これからいろんな場所へ行くことになるだろうしな。」
「良いんですか?」
「何故、そんな事を言う?旅の目的はそれぞれじゃ。まぁ、たぶんその神も戻る事はないだろうがな。」
「えっ……?」
「あの荒れようじゃぞ?戻るつもりなら何かしらの結界を張っていたはずじゃ。それがないということは……」
ボタンには厳しい現実を突きつけたダーク。しょんぼりしてしまうボタンだったが。
「それでも……理由が聞きたいんです。どうしてあの場所をお捨てになったのかを。」
「そうか。その覚悟があるのなら見つかっても落ち込む事はないな。」
ダークは厳しい事を言ったが、その実優しさも含む事が多い。だからクラリスは何も言わないのだ例え聞こえていたとしても。
「あ!見えたよ!」
「本当……ね……」
サクラが見つけたのでクラリスも見た。するとそこには……
「何よこれ……」
「うっ……死臭が凄い……」
「ひどい……」
エールはとても耐えきれないほどの匂いらしく一旦村から遠ざかって行った。
ここまで読んで頂きありがとうございました。次回更新は3月19日土曜日の15時です。お楽しみに。
また私が3月24日ワクチン接種の為3月26日の更新はお休みさせて頂きます。再度来週も通告しますのでお間違えのないようにお願いします。
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