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91歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 クラリスが素っ頓狂な声を出したのでもう一度ダークに言われた。


「先程の聖天の剣を見せてくれんか。」

「えっ?何かするの?」


「何もせん。神の道具とやらを見てみたいのじゃ。」


 そういうダークにクラリスは聖天の剣を見せた。


「なるほどの……物凄い力を感じる。」

「あれ?触らないの?」


「触れんな。かなり強い結界が張っておる、触ろうものなら手を弾かれる。エール、触ってみよ。」


「なんでですか⁉︎」


 手が弾かれると分かっているのに触らせようとするダークに盛大にツッコミを入れた。


「何、実演した方が早かろう。」

「自分でした方が早くないですか?」


「ほぉー……お主も言うようになったなエールよ。」

「あああー……」


 ダークは言うや否やエールを魔縄で縛り上げた。


「エールよ、何か言うことは?」

「ごめんなさい……」


 エールが謝ったので魔縄を解いてやる。そしてここでの絶対政権はダークであると改めて認識するボタンとサクラであった。


「ところで、クラリスよ。この剣で撃った最後の一撃は魔力を使ったのか?」

「えっ?魔力は使ってないと思うけど……でも、使った瞬間に物凄く疲れたよ。」


「なるほどの……」


 ダークはクラリスの話を聞いて少し考え込んだ。そして……


「つまりお主はその剣に魔力を吸われたか、他の何かを使わされたのかもな。」


「「「「えっ?」」」」


 4人は同時に疑問の声を発した。他の何かという部分が気になる様だ。


「魔力でないとすれば。おそらく生命エネルギーじゃろーな。」

「生命エネルギー?」


「つまり命じゃ。」

「命って……大変じゃないですか!」


「まぁ、普通ならな、じゃがクラリスは不老不死だ。だから吸われても直ぐに回復してしまう。じゃから先程はへたり込んでいたが今は普通にしておる。」


「なるほど……つまりあの威力の技をクラリスさんは無限に使えるという事ですね。」


 サクラの発言にダークは否定した。


「いや、そうとも限らん。恐らく使えるのは一戦に一度じゃろ。一回使えばしばらく動けんかったからな。使うなら一度、それもその一撃でケリをつけなければやられるという事じゃ。」


「な、なるほど……」

「まぁ、次の修行はその剣を使っての修行だな。新たな空間を作ってあの一撃でも壊れん様にせねばな。」

「えっ……?」


 ダークの一言にクラリスは顔が青くなる。ダークの修行は(まさ)しく死と隣り合わせ……クラリスの心中が分からなくないエールであった。


「皆様。お食事の用意が出来ました。こちらへどうぞ。」


 旅館の中居さんの様な方が来たのでクラリス達はついて行く事にした。


「こちらでございます。」


 部屋の中へ入るとオオクニヌシと稲荷がいた。


「お連れしました。」

「ああ、ご苦労。下がって良いぞ。」

「はい。失礼します。」


 クラリス達を案内してくれた方はオオクニヌシから礼を言われて下がって行った。


「さぁ、座るといい。食べれん物はあるか?」


 クラリスは周りを見てみんなの反応を見た。


「大丈夫そうです。」

「では、食事を楽しんでくれ。」


 クラリス達は返事をして席に着いた。そしてある事に気がつく。


「肉や魚はないのですね。」

「まぁな。下界なら食えるが、ここでは食えんのだ。」


「何故ですか?」

「生きた物を口にするのはこの国の神域内では禁忌なのだ。命を奪う事になる。」


「なるほどですね。」

「なーに、酒ならある。好きなだけ飲むといい。」


「いえ、私は……」

「そうか、飲めんのか……」


 オオクニヌシが少し残念そうな顔をしたのでダークが代わりに盃を差し出した。


「では、わっちがお相手しましょう。」

「おおー、そっちは飲めるのか。では、一つ。」


 オオクニヌシはダークの盃に酒を注いだ。そして今度はダークがオオクニヌシの盃に酒を注ぐ。


「では、頂こう。」

「頂きます。」


 そして2人は盃の中の酒を一気に飲み干した。


「ほぉー、なかなか行ける口だな。」

「ありがとうございます。」


「ささ、もう一杯。」

「では……」


 こんな感じで2人は酒を飲み干していく……そして……


「ほれ、もっと注がんか!」

「ダーク!もうやめて!飲み過ぎだよ!」


 オオクニヌシはもう酔いが回って大の字になって酔い潰れていた。そしてそんな状態のオオクニヌシにダークは絡み酒をしていたのでクラリスが止めるのであった。


「ク〜ラ〜リ〜ス〜〜もう少し飲ませるのじゃ〜」

「もうダメだってば!」


 クラリスが肩を貸してダークを運んでいた。3人は先に部屋に帰ってしまったので今はクラリスとダークの2人だけだ。


「クラリス……」

「なーに?」


「お主は……強くなったな……」

「珍しいね。ダークが褒めてくれるなんて。」


「たまにはの……いつも怒ってばかりですまんな……」

「いいわよ。ダークは私の事を思ってくれてるんだから。」


「分かってくれるのか?」

「ええ、ダークは優しい人だもん。私はそんなダークの事好きだよ。」


「……そうか……わっちもクラリスの事好きじゃよ。」


 そのままダークは寝てしまった。その寝顔を見てクラリスは少し笑って部屋に戻るのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。


次回更新は3月13日日曜日の15時ですお楽しみに!


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