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8歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 クラリスが目を覚ますと両腕が動かなかった。理由はすぐに分かった。フロールとリーフがクラリスの腕に抱きついて寝ていたのだ。


(起こすの可哀想ね…)


「後で文句だけ言っとこ……しょうがないからもう少し寝よ……」


 再び眠るクラリスでした。


 結局起きたのは日が昇ってしばらくしてからだった。まだ真上には来ていないのでお昼前ではあった。


「うーん!よく寝た!」

「気持ちのいい朝ですね!」


「もぉーフロールとリーフはもう少し離れて寝てよ!私の腕が拘束される形だったんだけど!」

「だってー」

「うぅー……」


「「抱き心地が良かったんだもん」」


 2人同時に言われてクラリスは少し怯んだ。


「……と、とにかく!少し離れてくれないと寝返りも打てないでしょ?」


「それは……」

「そうですね……」


「返事は?」

「「はい……」」


(今日は安眠出来るかな……)


 返事はもらえたが少々不安の残ったクラリスでした。朝食を摂り、再び出発する。


「そろそろ下り坂になるはずよ」


 地図を持ってるクラリスが注意を促す。


「と言われましても……」

「歩いていてもあんまりねー……」


「まぁ、そうよね、崖があるからとかの方がわかりやすいよね。」


「まぁ、急な坂道だと、足に負担かけちゃうから少しは気をつけておくわ。」


 そんな調子で歩く事数時間……


「おっ!街が見えるよ!」


 先行していたリーフが街を見つけた。


「良かったー今日は野宿しなくて済むよ。」

「3日振りのベッドです〜」


 やっぱり大丈夫と言ってても多少無理してたらしくフロールが安堵の声を出す。


「そういえばさ、クラリス金貨持ってる?3人で泊まるとなると最低でも金貨2枚はいるわよ。」


 リーフから言われて財布を確認するクラリス。


「うん、大丈夫!結構残ってるから少し贅沢しても良いかも!」


「「やったー!」」

「夕ご飯の時はウールも呼ぼう。食事はみんなで摂るのが楽しいからね。」


「もう呼びましょうよ!フロール!」


 リーフは早くウールを呼んで欲しいみたいだった。


「いいわね、ウール!おいで!」

「ふわぁ……呼びました……?」


 目を擦りながらウールは現れた。


(昼寝でもしてたのかな?)


 クラリスはそんな事を思ってた。


「ウール寝てた?」

「うん……今の時期は風が気持ちいいのよ。心地よく暖かいからね。」


「ふふふ。そうなんだーじゃあ私の背中においでーおんぶしてあげるー」


「リーフ、役得する気ね」

「あっ!バレてる。」


「ふふふ、ウールが良ければさせてもらいなさい。私も見てみたいもの。」

「うん……まだ眠いからそうする……」


 寝ぼけているのかウールは素直にリーフの背中におんぶされて眠るのであった。


「「「か、可愛い……」」」


そして3人してウールの寝顔にうっとりするのであった。街へ入ってまず宿を探した。


「すいません、3人部屋空いてますか?」

「えーと……4人部屋も空いてますが……よろしいのですか?」

「ええ、この子は私と寝ますので。」


 宿に入ってまず確認されたのがこれである。当たり前だ。ウールも入れれば4人なのに3人部屋を選ぶのだから……だけど精霊だからとは言えない為、あくまでも子供としてウールを扱うのであった。


((ウールが起きて無くてよかった……))


 そう思うクラリスとフロールであった。


 荷物を置くと4人は街へでた。


「うわー人がいっぱい!」


 クラリスとリーフは旅をしているので見慣れているがフロールは久しぶりに人の居る街に来たのでテンションが上がっていた。


「じゃあどこから回ろうか!」

「お腹空いたからまずは食事にしたいわ」


「私もリーフと同じ意見です。」

「そういえばお昼まだだったね、じゃああの店に入ろうか。」


「ちょっと待ってクラリス!あなた毎回行き当たりばったりでお店選んで失敗してるでしょ?ここはしっかり情報収集しましょう!」


「そうなんですか、クラリスさん?それでしたらリーフの言う通りにしましょうよ。」


「うーん。そうだね、なんだかしっかり者が2人増えちゃって私は安心できるよ!」


「「私たちは不安でいっぱいです!」」


 またしても2人に怒られるクラリスであった。


(この2人本当に息が合ってるなー)


 クラリスは怒られながらも感心していたのであった。


「じゃあこのお店にしましょう。」

「ええ、」

「賛成です。」

「意義なし!」


 途中でウールも完全に目を覚ましたので、こうして無事4人で昼食を摂った。


 結果から行くとクラリスが入ろうとした店は冒険者が多く味は良いのだが、冒険者同士の喧嘩が多くとても落ち着いて食べられないらしい。なので、ここは少し高くなるけど、落ち着いていて、しかも美味しいお店を選んだのであった。


「私、フロールが作った料理以外食べた事ないから楽しみ!」

「ふふふ、私も自分で作る料理は母から習った物だからそれ以外の方が作る物を食べるのは初めてかもしれません。」


「あれ?この前フロール私の作った干し肉食べてたよね?」

「クラリスのは料理とは呼べないわよ!」


 クラリスの言葉にリーフがツッコミを入れてきた。それを聞いていたフロールもよそ見をしてクラリスと目を合わせてくれない。


(解せない……)


「お待たせしました。」


 ウェイトレスさんが料理を配っていく。4人とも麺を使った料理を頼んだ。


 トマトとひき肉を麺に絡めたもの。トウガラシ少量を粉末にして麺と和えた物、キノコとちょっぴり濃いめのスープに麺を和えた物、チーズを溶かして麺に絡めて更に粉末状のチーズを乗せた物。それぞれ色鮮やかで綺麗な料理だった。


「「「「美味しい!」」」」

「トマトの風味が凄いです!美味しい。」(フロール)

「このピリッと感がたまらないわ!」(ウール)

「キノコと麺が丁度いいわ!」(リーフ)

「濃厚なチーズが麺に馴染んでて美味しい!」(クラリス)


 それぞれの感想を聞いて、食べ比べをしながら食べていく4人であった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は本日の21時です。


面白いと思った方はブックマークよろしくお願いします。手間でなければ評価もして頂けると幸いです。

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