86歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
エール達が戻ってきたのでクラリス達はお風呂へと向かった。
「うーん。いい湯だったー」
「お湯に浸かるってこんなに気持ちいいんですね。また入りたいなー。」
「エールさん達の国にはそういう文化ないんですか?」
「ええ、身体は洗うけど、基本的にはシャワーね。」
「「シャワー?」」
和の国にはまだシャワーというものがない。なのでエールはシャワーの説明をした。
「便利だけど、物足りないね。」
「うん。私はお風呂に入りたいです。」
説明してみたもののやはり2人には不評の様である。ちなみにエールもお風呂という文化を知ってしまった為、シャワーじゃ物足りないと思っていた。
「さっさと入って寝たいタイプにはシャワーがいいのかもしれませんね。」
エールが結論を出してこの話は終わりにした。
「私……ちょっと眠いかも……」
「ボタンちゃん眠いの?じゃあ寝てていいよ。クラリスさん達が戻って来たら起こしてあげるから。」
「ありがとう……おやすみ……」
そう言うとボタンは寝てしまうのでした。すると……
「わわ、きつねになった!」
「サクラさんにはそう見えちゃうんですね。この子神通力という力で人間の形に変化してたんです。でも、眠ってしまうとやはり解けてしまうんですね。」
「じゃあエールにはさっきのボタンのままなの?」
「ええ、ワタシには先程のボタンちゃんのままですよ。」
「私も魔法を使えるようになれたら見れるのかな?」
「なりますよ。たぶん相当なスパルタで教え込まれますので……」
「えっ?スパルタ?死ぬの?」
「死なないですよ!死んだらワタシはここにいません。ただ死にかけるだけです……」
「怖いよ!」
エールの答えにサクラは盛大にツッコミを入れた。そしてエールがスイにどんな修行をしたのかもなんとなく分かってくる……
「でも、サクラさんは運が良かったですね。」
「えっ?そうなの?」
「そうですよ。たまたまワタシ達が居たからこうして孤独から解放されたんですから。」
「まぁ、確かに……」
「ワタシと妹もクラリスさん達に助けて貰ったんですよ。」
「そうなんだね。」
「あら、驚かないんですね。」
「そりゃー、クラリスのあの性格だもの。みんな助けて貰ってるんだと思っちゃうわ。」
「……それもそうですね。」
2人でクスクスと笑ってしまうが、それでも何だか笑ってしまうのだった。
「ねぇ、エールさんの妹ってどんな子?」
「あっ、エールでいいよ。どんな子かー……かなりの無鉄砲で負けず嫌い。でも、泣き虫でもあるかな。」
「へぇー、一緒に旅はしてないんだね。」
「してるけど、今は別行動。帰る場所を守ってくれてるの。」
「じゃあこの国には来てるんだ。会ってみたいなー。」
「会えるわよ、時期にね。今はこの国の神様に会いに行く為に旅してるから終わり次第戻るのよ。」
「へぇー、という事は出雲にいくの?」
「そうです!知ってるんですか?」
「知ってるよ。和の国の神様オオクニヌシ様を祀られてるんだ。」
「もうここからならエールで飛べば一日かからないと思うよ。」
「そうなんですか!?じゃあしばらくはここでゆっくり出来ますね。」
「神有月はもうすぐだし、良い時期に来たね。」
「はい!」
新たな情報が聞けた事でエールは少し嬉しくなった。
「ただいまー……」
「戻ったぞ。」
「あ、お2人とも。」
「おかえりなさい。」
「ゆっくり出来ましたか?」
「全然……」
「わっちは堪能出来たぞ。」
クラリスは逆に疲れている様でダークは若々しく見えた2人。
「ダークったら私の胸を揉んでくるのよ!」
「何を言う。どのくらい成長したか確認してやっておるのじゃ。」
「ただダークが楽しんでるだけでしょ!どうせ私はダークほど大きくないわよ。」
「じゃから揉んで大きくしてやろうと……」
「余計なお世話よ!」
こんな痴話喧嘩をしてる2人も仲が良いのだと思う2人であった。
痴話喧嘩を終えて、夕食の時間になった。
「皆さん何食べます?」
「うーん。なんか、しっかりしたものが食べたいなー、ここ最近野菜ばかりだったし……」
「じゃな、肉など食べたいの。」
エールの問いかけにクラリスとダークはガッツリ食べたいと言う。その意見にサクラも賛同する。ボタンはまだ寝ているので、ここでは意見は聞けてない。
「ボタンちゃんは何がいいかな?」
「そろそろ起こさんとな。夜が眠れなくなるぞ。」
という事で、ボタンを起こしてボタンにも何を食べるかを聞いてみる。
「ボタンちゃんは何が食べたいですか?」
「私ですか?私は……皆さんにお任せします。人の食事はよく分からないので……」
ボタンは食事に関してはあまり自分の意見を言わない。遠慮してるのだろう。そこへ仲居さんが部屋へ入ってきた。
「失礼します。皆様お食事はどうされますか?」
「えっ?いや、今決めてるところでして……」
「でしたら、こちらでお召し上がりになりませんか?お一人様50銭で明日の朝の分まで作らせて頂きますが?」
「そんなに安いのであれば頼もうかの。皆も良いか?」
「ええ、考えなくて良いものね。」
「ワタシもそれでいいですよ。」
「私もいいよ!」
「お任せします。」
という事で決まった。仲居さんにお願いすると頭を下げて部屋を出て行った。その30分後、クラリス達の部屋に料理が運ばれてきた。
「嘘でしょ?これで銀貨一枚なの?凄い!」
「ええ、これなら金貨2枚取ってもおかしくありませんよ!」
クラリスとエールが驚くのも無理はない。そのくらいの量と美味しさなのだから。
「あー、ここに住みたい。」
「たわけた事をぬかすな!」
クラリスの言葉にダークは盛大なツッコミを入れるのであった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は3月2日水曜日の21時です。お楽しみに!
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