84歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
「すごーい!空を飛ぶってこんな感じなのね。」
「落ちない様にね。」
「大丈夫ですよ。」
サクラは空からの景色が新鮮なのか、凄くテンションが高い。
「そろそろ降りましょうか?」
「いや、もう一山越えよう。ここで降りてもまだかかる。今日は宿で泊まりたいじゃろ?」
ダークの提案にクラリスも頷いた。やはり疲れている様である。
「でも、ダークはこの辺りの土地勘あるの?あの山を越えて何もなければ今日も野宿よ。」
「安心せい。たまにこの国には里帰りしておる。戦で滅んでなければ街があるはずじゃ。」
ダークを信じて先を目指す事にしたクラリス達。そして山を越えるとそこには大きな街が見えた。
「おおー、本当だ街がある!」
「ここは京の都ですね。40年前に来ました。」
「サクラも来たことあるんだ。どんな所なの?」
「良い所ですよ。都と言うだけあって歴史も古いです。」
「そうなんだ。ちなみに宿とかは?」
「沢山ありますよ。ただ夜は危険です。」
「えっ?」
「なんじゃ。まだあの噂があるのか?」
「いえ、噂ではないと思いますよ。」
ダークとボタンは何か知っている様だった。しかしクラリスは分からないのでサクラが解説してくれた。
「妖怪が出るんです……私は1度襲われました。」
「妖怪って?」
「なんじゃクラリスは知らんのか?妖怪とは人が語られて出来た空想上の怪物じゃ。」
「へぇー、でもサクラは襲われたって……」
「恐らく人と間違えただけじゃ。心配ない。」
「そんな事ないですよ!本当に怪物に襲われたんですよ!」
ダークの言葉にサクラは猛反発しているが、クラリスもやはり信じきれていなかった。
それからしばらく空を旋回して着陸地も探し、エールは着陸した。
「ありがとうエール。」
「いえいえ、今日はゆっくり寝られるのなら山の1つや2つ越えますよ。」
どうやらエールも今日は野宿は嫌な様である。
「着いたけど……」
「本当に……街なのですか?」
そう、クラリスとエールは驚いていた。何故なら……
「建物が全て木ですよ!こんなので大丈夫なんですか?」
「そうよ!街ならもう少し石とか土で補強するとかあるでしょ⁉︎」
「とりあえずその無礼な口を閉じよ。そして騒ぐな!」
ダークから鉄拳制裁を受けクラリスとエールは沈黙する。
「良いか、木材というのは加工し漆などを塗ると強度が増すんじゃ。200年以上存続してる建物もあるくらいじゃ。」
「そうなのね。失礼しました。」
「ごめんなさい。」
「うむ、分かればよい!」
そうしてしばらく街を散策して宿屋を決めた。
「この宿にしよう!」
「まぁ、1人あたり1両ならばよいじゃろう。」
サクラが宿屋を指差して金額を確認すると、ダークからも許可を得れたのでそこにする事になった。
「すいません。今日泊まりたいのですが。良いですか?」
「はい。何名様でしょうか?」
「5名です。」
「では、お部屋にご案内しますね。」
そう言うと中居さんは中へと案内してくれた。だが、クラリスとエールはそこでダークに呼び止められる。
「お主ら、靴は脱がんか。」
「「えっ?」」
「この国では宿屋でも靴は脱ぐんじゃそこに靴入れがあるじゃろ。」
「へぇー、そうなんだ。国が違うとやっぱり変わるんだね。」
昨日は靴を脱いでチヨの家に入ったが、この国に来て初めてとなる宿屋。なのでいつもの宿の様に入ってしまうクラリスとエールであった。なので、クラリスとエールも靴を脱いで宿の部屋へと向かうのであった。
「こちらになります。」
「うわぁー広ーい。」
「今日はゆっくり寝られます〜」
「私初めてかも。こんな綺麗な宿に泊まるの!」
ボタン、エール、サクラは部屋に入るなり感想を言う。
「何かありましたらお声かけ下さい。」
そうして仲居さんは襖を閉めて部屋を後にした。
「ようやく落ち着いたわね。」
「だな……今日はゆっくり出来そうじゃ。」
「ねぇ!お風呂行きたい!」
「お風呂?なんですかそれ?」
サクラの言葉にエールは疑問符を浮かべているのでダークが説明してくれた。
「いいですね!行きましょう!」
「じゃあサクラとエールとボタンの3人で言ってきなさい。私とダークは後で行くから。」
「いいんですか?先に行っても?」
「いいわよ。私とダークは少しゆっくりしとくは。」
「そうですか、では、2人とも行きましょう。」
「「はーい!」」
そうして3人は部屋から出て行った。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は2月26日土曜日の15時です。お楽しみに!
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