77歩目
お待たせ致しました。
それでは本編をどうぞ!
少女が泣き疲れて眠ってしまったので、昼間助けた女の子の横に寝かせてクラリス達は夕食を摂っていた。
「それではこれからあの子も一緒に行くのですね。」
「うん、だってほっとけないよ。」
「わっちもクラリスと同意見じゃ、連れて行った方が良い。この国ではあやつは生きにくかろうし。隣に不老不死のクラリスが居れば安心するじゃろ。」
ダークもクラリスの意見に賛成した事で、この話はまとまった。しかし、クラリスが少しだけ疑問に思ってた事を話し出した。
「でも、彼女のは呪いなんかじゃないと思うわ。」
「どういう事ですか?」
「私は不老不死だけど、頭を粉砕されたりそれこそ再起不能になるまで粉々にすれば流石に死ぬわ。でもあの子は首が飛んでも死ななかったって言ってたわ。その辺りはもっと詳しく知らないとね。」
「なるほどの。まだまだ分からない事もあるようじゃの。」
「ええ、時間はかかるけど、そうしないと彼女も心を開けないと思うわ。」
クラリスとダーク、エールが話していると、黙っていたボタンが口を開いた。
「あの……みなさんはどうしてそんなに優しいのですか?」
「えっ?これって普通じゃないの?」
「そうですよ。これくらいは普通のことですよ。」
「すいません。私が知ってる人間と全然違っていて……」
「確かに、この村の人たちは薄情に見えたわね。」
「ここはまぁ、田舎じゃからな。都会では義理人情に厚い奴らもおる。あまり誤解するものではないぞ。」
「……それもそうね。まだ来たばかりだものね。」
ダークの言葉に納得するクラリスとエールであった。すると、先程居た村から煙が上がっていた。
「あれは……火事かしら?」
「みたいですね。私が消して来ましょうか?」
「それなら私も行くわ。エールだけに行かせるのは悪いからね。」
という事で、ダークとボタンは留守番をさせてクラリスとエールは村へと戻る事にした。
しかし村に近づくと何やら叫び声や、逃げ惑う人たちが村から出てきていた。なのでクラリスは村から出てきた人へ何があったか聞いてみる事にした。
「あの、何かあったのですか?」
「あぁ?お前らのせいだよ!お前らがあんなガキ守ったせいで俺の家族は……」
「はぁ?どういう事?」
「わからねぇーのか⁉︎お前らが殺した人間はここらを治めてる殿様の家来だ!日が暮れても戻ってこず死体も見つからない。この村の人間が殺したと思った奴らは俺たちの村を焼き討ちしたのさ!」
「……分かった。じゃあその殿様も、家来も全て消してあげる……あなたは生き残った村の人たちを集めてくれる。エールその人たちをお願いね。」
「は、はい!」
クラリスの目に正気は無かった。ただ……ここからは虐殺である。
炎が燃える村の中をクラリスは歩いていた。
「外道は何処にいるのかな?」
「おい、人がいたぞ。全員殺せ、同胞の仇を!」
そう言って2人の人間が刀を抜いてかけてきた。
「外道みーつけた……」
そう言うとクラリスは剣を抜いて2人を切り倒した……
「まだまだこんなもんじゃないわよね……全滅させなくちゃ……私のせいなんだから……」
「いたぞー!」
「殺せ!」
「仲間の仇じゃあ!」
次は3人……しかしクラリスは氷の矢で3人の人間を穴だらけにした……3人は何が起こったのかも分からず絶命していた。
「これで5人ね……まだいるわよね。」
そうして、村の奥へと入っていく。そして村の中心へ着くとクラリスは詠唱を始めた。
「水よ。火を消せ。クリーンレイン。」
すると村に広がる炎は滝の様に降る雨で消えてしまった。
「な、なんだこれは……」
その様子に村人たちは驚いていた。急に大雨が降ってきて火を消してくれたのだから。しかし騒ぐ事は出来ない。近くに敵がいるかもしれないという恐怖からか、素直に喜べないのだ。
一方で敵の方も困惑していた。
「おのれ、雨とはついておらん。おい、村の奴らはどうした!」
「はっ!もっか捜索中です!」
「必ず見つけ出して殺せでなければ我々の首も危ういぞ。」
「大丈夫ですよー、あなたは今から死にますからー。」
女の声だった。そして目の前の部下がいきなり見知らぬ金髪の女になったのだ。
「さようなら。もうあなた以外死んだわよ……」
「ば、馬鹿な……どこから……」
「幻覚は初めての様ね。さようなら。」
クラリスは別れの挨拶をすると、男を縦に切り裂いたのだった。
「次……行かなくちゃ……」
今宵、クラリスは1人で30人を殺したのだった。そしてゆっくりと前へと進もうとした時声がかかった。
「もうよかろうクラリス……」
その声にクラリスはゆっくりと振り返った。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は2月11日金曜日の20時です。
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