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73/151

72歩目

お待たせしました。


今回は少し短いです。

それではどうぞ!

「ふぅー、ご馳走様でした。」

「お粗末様でした。」


 ダークが食べた後、食器を下げたツバキ。そしてダークはクラリス達に向き直る。


「さて、クラリス、リーフよ。詳しい話は後にしよう、まずお主達は和の国にきておる。」


「ええ、そこのボタンさんとツバキさんに教えてもらったわ。今のこの国の正式名は大和だそうだけど。」

「そうか、久しぶりに来たがやはりここの米は絶品じゃ。」


「何言ってるのよ。ダークはこの国の出身じゃない。」

「なんじゃ、リーフ知っとったのか。」


「ライトからね。それで里帰りでもしに来たの?ふべらっ!」


 ダークは軽口叩くリーフの頭にゲンコツを落とした。


「主らの付き添いじゃ!たわけ!貴様らに同行し、何かあればすぐに連絡せよという王の命令じゃ。」


「イテテ……なるほどね。」


 話をしているとツバキが戻ってきた。


「ダークさんも今日は泊まって行って下さい。この時間から山を降りるのは危険ですので。」


「いや、大丈夫じゃ。わっちらは空を飛べるからの。こやつらも飛べるからの。連れて帰る。」

「そ、そうなんですね。」


「ところでツバキとやら。お主はもう亡くなってるのには気づいておるのか?」

「「「「えっ?」」」」


 ダークの一言にクラリス達は驚いた。



「やっぱり気づいておらんかったか……」

「な、何を言ってるのよ。ダーク!そんなわけ……」


「とりあえずクラリスとリーフは修行のやり直しじゃな。まぁそれは置いておこう。」


 再びダークはツバキに向き直る。


「お主はもう亡くなっておる。成仏するか妖精の里へ迎え、ここはもうお主の居場所ではない。」

「な、なんでそんな事……」


「お主は気づいておらんだろうが、先程クラリス達から聞いた死霊達に襲われたと言う話。それはお主を探しておったのじゃ。じゃがここには強い結界が張っており死霊どもは入って来れん。じゃからこの辺りを人が通れば死霊が集まって来るのじゃ。」


「そ、そんな……」


 ツバキはダークの話を聞いて泣き出した。


「大丈夫じゃ、わっちが妖精の里へ送ってやる。あの死霊どもに喰わせる様な真似はさせん。それと、そこの小狐に感謝しておくのじゃ。」


「えっ……?」

「その小狐がいなければお主はとうの昔に死霊達に喰われておったぞ。」


「えっ、そうだったんですか……」

「ああ、相当な力じゃ。神にでも仕えておったのかのう。」


 クラリスはボタンの事をそこまで話していないのにボタンの力量まで分かっていた。


「そう……だったんですね……ボタン……ありがとう……」


 それだけ言うとツバキは消えていった。そして建物は先程とは変わり果てボロボロになっていた。


「……私たちキツネに化かされてたのかしら……」

「さ、さぁ……」


「その正体はこれじゃ。」


 ダークは部屋の奥へと足を踏み入れ中から一つの小槌を持ってきた。


「あ、それは……」


 ボタンには分かった様だが、クラリスたちには分かっていないのでダークが説明した。


「これは神具の小槌じゃ。おそらくここにおった神が誰かが来た時の為に置いていったのじゃろう。使ってくれていた者が消えたからか、効力も切れた様じゃが……さて、」


 ダークはボタンの方を見た。


「お主、わっちらに付いて来んか?」

「えっ?」


「ここはもう主人もいないおやしろじゃ、このままここで生を全うするのも良かろうがそれではつまらんじゃろ。」


「でも、私何も出来ませんよ?」

「よい、お主には才能がある。付いてくればわっちとクラリスで開花させてやる。」

「えっ?私も⁉︎」


 クラリスが驚いていたが、そんな事は気にせずダークはボタンへと手を差し出した。


「来いボタンとやら。わっちが面倒見てやろう。」

「は、はい……よろしくお願いします。」


 ボタンは恐る恐るダークの手を握るのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。


次回更新は1月30日日曜日午後15時です。お楽しみに。


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。

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