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67歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「さて、クラリスさん達が居ない間に特訓しなくちゃ。」


 フロールは部屋にある家具に水滴を集めた。そしてそれぞれの足場に集めて凍らせた。これで風魔法を使っても飛ぶ事は無くなった。小さい小物はそれごと凍らせてしまう。


「終わったら水蒸気に戻すのでそれまでお願いしますね。」


 水に意志などない、だけど使わせて貰ってる以上、フロールはしっかりとお礼を言うのだった。


 一方その頃クラリス達は妖精の里の城下町にいた。


「さて、クラリス。さっさと買い物終わらせて帰るわよ。」

「分かってる。もう既に狙われてるものね。」


 物陰でクラリスとリーフに殺気を向けるものがいた。しかし、クラリス達はすでに気づいていた。


「まさかとは思うけど……ここで襲ってきたりしないよね?」


「分からないわ……もし過激な奴らなら……」

「……早く帰りましょう。」


 そしてクラリス達が買い物をしていると、危惧してた事が起こった。


「え⁉︎いきなり火球⁉︎」


 クラリスは急いで魔法障壁を張って周りにいた妖精達を守った。


「アンタたち……仲間まで巻き込んで何考えてるの⁉︎」


 リーフが攻撃してきた奴らに怒鳴るが彼らはどこ吹く風だった。


「貴様こそ!人間に守られて恥ずかしくないのか!樹木の妖精リーフよ!」


「アンタたちこんな事ダーク達が知ったら殺されるわよ?」

「大妖精がどうした。我らの仲間にも大妖精が2人おる。貴様の後ろにいる6人など足元にも及ばぬぞ。」


「それで、アンタがその大妖精なのかしら?」

「我はその配下。貴様ら如きに我らが大妖精様が出てくるはずなかろう。」


(つまり、コイツらは上の指示を受けず独断で行動してるわけだ。)


 リーフは奴らが勝手に暴れてる奴らだという事が分かったなのでとりあえず叩きのめす事にした。


「クラリス。コイツらは私が潰すからみんなを守ってくれる?」


「そんな、私も戦うわよ!」

「いいから……クラリスが暴れると人のイメージが悪くなるわ。妖精の問題は、私が解決するわ。」


 そこまで言われてはクラリスも引き下がるしか無かった。なので他の妖精や精霊を護る事に専念する。


「まさか、我ら相手に1人で戦う気か?」

「ええ、アンタ達相手に2人は要らないわよ。」


「随分と舐められたもんだな。やっちまえ!」


 いきなり2人の妖精がリーフに襲いかかった。リーフは木刀を取り出すと一気に振り抜いた。


「汚い言葉……使わないでくれる!」


 そうして2人の妖精は地面に倒れ伏した。


「妖精の品位が下がるから。」

「ひ、怯むな!数はこっちが多いんだ!潰せ!」


 リーフに向かって一斉射撃の様に魔法が飛んでくる。水泡や火炎に風刃、色んな魔法が飛んでくるもリーフは全て魔法障壁で防いでいた。


 クラリスはみんなを守っていると精霊の子が人質にされようとしていたので剣を抜いて飛びかかった。


「何ふざけた事してるのよ!」


 クラリスは一気に間合いを詰めて子供を庇った。そして襲いかかってきた妖精をクラリスは真っ二つに切り裂いた。


 クラリスはその子を親元へ返すとすぐに戦況を確認する。


「あ……」


 クラリスが間の抜けた声を出した。クラリスの目線の先に居たのは……


「ライト……」


 クラリスの言葉に戦ってた全員の手が止まった。


「皆さん……これはどういう事なのかしら……?」

「こ、これはですね……ライト様……人間が我が里でうろうろしておりましたので排除しようと……」


「誰がそんな命令を出したのですか?」

「……」


「あら、聞こえなかったのかしら?誰に命令されたのですか?」

「わ、私の独断です……」


「ですよね?そちらの大妖精2人もそんな命令出していないそうですもの……という事で……参加した者全員……死刑!」


 ライトが死刑宣告をすると空から無数の矢が落ちてきた。


「リーフちゃん。こっちへ、もう大丈夫よ。」

「ありがとうライト。助かったわ。」


「ごめんなさいね。まだ人間嫌いな妖精が沢山いてね。今回アイツらを束ねてる大妖精に指示したのかの確認に行ってきてたの。だから遅くなっちゃったのよ。」


「いいわよ。ライトが悪い訳じゃないし……ん?という事はライトは私たちの行動を見てたの?」


「わたくしには光の魔力という(しもべ)たちが里の情報を逐一教えてくれる様にしているの。だからこうして他の妖精より早く動けるのよ。」


「流石ライトね。それで、いつまで矢を降らせるつもり?」


「うーん……死ぬまで?」

「怖いわ!いいから一旦止めて、クラリスも含めて里のみんなもいるんだからね。」


「大丈夫よ!クラリスちゃんがちゃんと守ってくれてるから。」


(あー、結局クラリスが1番貧乏くじ引いちゃってるなー……)


「もぉー!いつまでこの矢を降らせるのよ!ライト〜!」


 クラリスの悲痛な叫びは2分位続くのだった。


 矢の雨が止んで、遺体の片付けが行われた。


「もぉー、ライトったらひどい!私を殺す気?」

「大丈夫よ、クラリスちゃんならみんなを守ってくれるって分かってたもの。」


「そういう問題じゃないわよ!」

「ふふふ。でも良い連携でしたし、わたくしもまだまだ威力を上げねばなりませんね。」


「もぉー!少しは反省してよ。」


 クラリスの言葉も虚しくライトは反省などしなかったのだった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は1月19日水曜日の21時です。お楽しみに!


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