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65歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「もぉーいつも私たちが行く時に泣かないでよ。」

「ヤダなものはヤダなの!行っちゃイヤだー!」


(あんなに強いのにクラリスさんの事になると見た目のままの子供ですね。)

(少しドン引きかも……)


 エールとニコラが引いてるところにスイがゴウカを宥めに入る。


「まぁまぁゴウカちゃん。その辺にしないとクラちゃんから嫌われちゃうよ。いいの?」

「うぅ……良くない……」

「じゃあ一緒に見送ろうね。」

「うん……」


 こうして泣き止んだので帰ろうとするクラリスに今度はいきなり鉄拳が降ってきた。


「いたっ!な、何⁉︎」

「何ではなかろう……クラリスよ……」

「ダ、ダーク⁉︎」


「お主はまだわっちの修行こなしてなかろう。それなのに逃げる気か……」

「いえ、そんなつもりじゃ……」

「ならば残るな?」


「いや、そういう訳にも……」

「なんじゃお主はまだあやつらの事を気にしておるのか?全く、ほっとけば良いんじゃ!クラリス達にちょっかい出すようならわっちが虐殺してくれるわ!」


「うわー……ライトと同じ事言ってるよ。」

「とにかく残るよな……?」


「ううん……やっぱり何かあってからじゃ遅いから私たちは出るよ。」


「そうか……ならば1週間くれんか?」

「1週間?またなぜ?」

「理由は1週間後に話す。それと、フゥとデンジが帰ってきたぞ。」


「そういえばまだ会ってなかったわね。どこ行ってたの?」


 フゥは風の大妖精、デンジは土の大妖精だ。ここに来た時は何処かに行っていたのでまだ3人とは出会っていない。


「そういえばフゥさんの名前は聞いたけどまだ会ってないよね。」

「この2人の様に幼女なの?」


「ウチらは幼女じゃないよ!」

「私は幼女じゃないもん!」


 ニコラの言葉にゴウカとスイは反論したが見た目が見た目なので説得力がなかった。


「えーっと……あの子は凄いよ。服装とかいろいろと……、デンジは堅実よね。」


「確かにあやつらにはピッタリの言葉じゃの。」


 ダークが笑ってる横でエールとニコラの頭にははてなを浮かべている様なので今から会いに行く事にした。


 里の西側にクラリスとエール、ニコラが来ていた。ゴウカとスイはダークに連れて行かれたので来ていない。


「あの……フゥさんとデンジさんは女の人なんですか?」

「ええ、2人とも女の子よ。」

「クラリスさんの周りって女の子ばかりだね。」


 ニコラに痛い所を突かれた。確かに最初の勇者パーティ以降、男性を極力避けていたのだ。男性恐怖症ではないものの、高圧的な人や極端に優しい人には警戒心が強くなったと言えた。


「うーん……確かにそうかもね。これを機に男の人もパーティに……」


「やめてー!」

「クラリスさん!血の雨が降りますよ。特にリーフとフロールさんとニコラが降らせますよ。」

「わ、分かったから!」


 物凄い剣幕のエールで止められたのでこの話はお流れとなった。


 そうこうしていると木の上にある家が見えてくる。


「もしかしてあれですか?」

「あれよ。風が身近に感じるって言ってたわ。」


「すごーい!秘密基地みたい!」


 ニコラは目をキラキラさせていると後ろから声がかかる。


「ほほー……主はなかなか見所があるな!」


 エールとニコラは後ろを振り返るが誰もいなかった。


「えっ?どこ?」


 辺りをキョロキョロするエールとニコラ。しかし、そんな事で見つかるほど甘くはない。


「あの子はね。隠密が得意なのよ。」

「「隠密って?」」


「つまり、スパイよ。」

「「スパイ⁉︎」」


 驚く2人を他所にクラリスはフゥを探す。


(うーん……やっぱり今回は魔力の反応すらも消せる様になってたわね……)


 前にやった作戦が使えない事を確認したクラリス。そして次の方法を考えた。


「風よ。疾風の刃となれ!エアカッター!」

「クラリスさん⁉︎」


 ニコラの驚く声を他所にクラリスはエアカッターを四方八方に飛ばす。数十発放った所でクラリスはエアカッターを止める。


「そこね……」

「ああん!見つかっちゃった。」


 クラリスの指差す所から忍びの格好をしたポニーテールの女の子がいた。


「えっ?なんで分かったの?」


 ニコラは何が起こったのか分からなかったみたいなのでエールが説明した。


「クラリスさんは風を上手く使って地面や木に目印となる傷を付けていたのよ。傷が中途半端に切れてる場所を探せば見つかるって寸法よ。」


「エール正解!成長したわね。」

「いえいえ、」


「次はもっと考えて隠れよー」

「フゥ、紹介するわね。こちらは……」


「あー、知ってるよ。エールさんとニコラさんでしょ?ウールさんとフロールさんは来てないの?」


「な……」

「「なんで知ってるんですか⁉︎」」

「ふふふ……ひ・み・つー」


 驚くエールとニコラを揶揄(からか)うように笑いながら木の上にある家にジャンプして登った。


「2人ともドラゴンだから飛べるでしょー?上がって行きなよお茶出すからさ。」


「ほんと凄い人ですね……」

「うん、身体能力とか掴みどころがない所とか……」


 フゥの情報網と身体能力に呆気に取られる2人だった。家の中に入ると先客がいた。


「あれ?デンジもいたの?」

「あっ、クラリスちゃんじゃん!お久しぶり!」


「ほんと久しぶりね。元気してた。」

「うーん。フゥのお()りが大変かなー。」


「誰のお()りよ!デンちゃんだって私が運ばないと飛べないじゃん!」

「それは助かってるけど低空飛行で何度酷い目に遭った事か……」


 それでも何度もコンビを組んでる辺り仲が良いのがよくわかる3人でした。

ここまで読んで頂きありがとうございました。


次回更新は1月15日土曜日の15時です。お楽しみに。


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。


*私事ですが、リアルで仕事を再開しました。なので更新通りに行かなくなる事もあるかと思いますがなるべく更新を守るのでこれからもよろしくお願いします!

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