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59歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 フロールが妖精王に会いに行ってる間クラリス達は大妖精達に挨拶回りをしていた。


「なんじゃ、クラリス呼べば王宮まで行ったのだが?」

「いや、改めて挨拶したかったから来たの。それにしても相変わらず散らかっているわね。」


 ダークの家の中はベッド以外の場所に本が積み上げられていた。机には紙の束がこれまた沢山積み上げられていた。


「ほんと、少しは片づけなさいよ!」

「やかましいんじゃ、わっちの家じゃ!好きに使って何が悪い!」


 ダークがクラリス達を怒鳴ると山積みになっていた本が雪崩れとなって落ちてきた。


「「「「「うぎゃああああぁぁー」」」」」


 辺り一面本だらけとなってしまった。


「みんなー、生きてるー?」

「なんとかー……」

「ええー……」

「ギリギリでした……」

「死ぬかと思ったー。」


 クラリスがみんなの安否を確認すると、みんなギリギリだが無事の様だった。そして、クラリスの後ろには無言で立つダークがいた。


「き〜さ〜ま〜ら〜……」


「おっ……」

「「「「「お邪魔しました!」」」」」


「ゴラー!貴様ら!片付けて行かぬか!」


 ダークは魔力で黒縄(こくじょう)を作るとクラリス達を纏めて捕まえてしまうのであった。

 そこからダークの家の片付けをさせられるクラリス達。


「貴様らは人の部屋を散らかして帰るとは、一体どういう神経をしてあるのじゃ……」

「こういう神経ですけど……イテッ!」


 口答えをしたウールにムチが飛んだ。


「誰が口答えをして良いと言った。黙って片付けをせよ。」


(聞いてきた癖に……)

「痛っ!」


「お主、今聞いた癖にとか思ったじゃろ?」

「なんで分かるのよ!」

「これがわっちの特性心眼じゃ。相手の心を読み取る事が出来るのじゃ。」

「何よその特性!ズルすぎるでしょ!」


「やかましい!さっさとせんか!」


 ウールはダークに噛みつき過ぎてムチでボロボロになるまで叩かれるのであった。

 結局今日はダークの部屋を片付けで1日が終わってしまった。


「イテテ……ムチで叩かれたのなんて初めてよ……」

「お主が余計なことを言うからじゃ。それと、お主は明日からここへ来い。修行をつけてやる。」

「……え?」


 ウールは何を言われたのか分からず変な声をだす。


「あら?ダークが弟子を取るなんて珍しいわね。でも、ウールは風の精霊よ。」

「そうか、まぁよい風魔法と闇魔法を教え込んでやろう。」


「いやよ!私は風の妖精になるのよ!」

「そうか……ならば今ここで縛り付けてやろう!」

「ひぃ……逃げるが勝ちよ!」


 ウールは風になって逃げようとした、しかし……


「フンッ!」

「きゃっ!」


 ウールはあっけなく捕まってしまった。


「心眼はの、心を覗くだけではないのじゃ、見えない物を見るのにも使えるのじゃ。よく覚えておけ……」

「ク、クラリス!助けて!殺される!」


「ごめんね、私じゃ、ダークは止められないの……でも生きてれば絶対強くなるから頑張ってね。」

「そんなー!クラリスの……バカー!」


 ウールは泣きながらダークの家へと吸い込まれて行った。


「だ、大丈夫なんですか、ウールさんは……?」

「心配ないわよ。ダークはああ見えてしっかりしてるし、面倒見もいいから。」


 心配そうなエールにリーフが問題ないと伝えてフロールの待つ王宮に帰るのであった。


 クラリス達が王宮に帰った後、ウールとダークは夕食を食べていた。


「うぅー……」

「いつまで拗ねておるのじゃ!いい加減現実を認めて飯を食わんか!冷めるじゃろ!」

「……いただきます。」


 少しの間食器の音が聞こえるが、沈黙に耐えきれずウールから話し出した。


「どうして私を選んだんですか?」

「簡単じゃ、お主が1番弱く、1番伸び代があるからじゃ。」

「えっ……」

「お主は魔法は風しか使えぬと思っておるようじゃが、実際にはもう1種類含まれておるんじゃよ。」

「えっ?でも、妖精の魔力は原則1つでしょ⁉︎」


 ウールは自分の属性が2つある事に驚いた。今まで風の精霊と思っていたのだから当然の反応である。


「これはあくまで仮説じゃがな……」


 そう言うとダークは机にある原稿の束を持ってくる。そしてそれをテーブルに置いて解説を始める。


「お主は初めこそ闇の魔力を持っておったが、フロール姫に出会い契約した事で風の魔力を得たのではないか?」


「うーん……分からないわ……フロールと出会う前まで私は人間だと思ってたから……」


「なるほどの……つまりお主は人として死した後に精霊となった者なのだな。」

「えっ……?」

「案ずるな、そういう妖精も沢山おる。わっちもその1人じゃ……」


 どこか寂しそうな顔をしながらダークは話を続けた。


「精霊はの、妖精同士で子供を産む場合を除いて2通りの方法でしか生まれんのじゃ。」

「2通り……」


「1つは自然界に於いてその物質に魂が宿る場合じゃ、これに当たるのがリーフじゃ。」

「リーフが……」


「そうじゃ、じゃからあやつには親がおらん。そういう者には里が全面的にサポートして育てるのが妖精の里の決まりじゃ。」

「そうなのね……」


 親が居ないというリーフに少し同情してしまうウールだが、少し疑問が出たのでダークに質問した。


「でも、親が居なくても妖精と契約出来たんじゃないの?」


 ウールの質問にダークは首を振った。


「あやつを育てた妖精……もとい、契約した妖精はおらん……」

「えっ……」

「あやつは特殊過ぎたのじゃ、樹木の精霊は樹木の妖精に付いて行かなくてはならないという暗黙のルールがあったのじゃ……」


「そんなの破れば良かったじゃない!」


 ウールはイラッとしてつい声を荒げてしまうが、ダークは寂しそうに言葉を続けた。


「あぁ、破りたかった。じゃが……奴は優秀だった。生半可な妖精なんかよりも遥かにの……だからわっちらが教えたのじゃ。」

「えっ……ダーク達が……ぐへ……」

「さんがついておらんぞ……」

「はい……ダークさん……」


 真面目な話をしていようと正す所は正すダークである。


「そうじゃ、じゃからあやつは自然界の6属性全てを完璧に使いこなせるのじゃ、応用も効くしの。」


 改めてリーフの凄さに驚くウールであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は1月3日午後15時です!日付と時間に注意してくださいね。


折角のお正月ゆっくり休んで下さい。


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。

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