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55歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 クラリス達とバンデスとの戦いから3日が過ぎた頃、フロールは目を覚ました。


「ん……んー……ここは……?」


 フロールは当たりを見渡すととても綺麗な部屋だった。起き上がると胸に少しの痛みがあった。そして、自分の周りに誰も居ない事に気づくと不安になった。


(私……死んじゃったのかしら……)


 すると扉の外からコンコンとノックされた。


「ど、どうぞ……」

「あっ!起きたみたいね!」

「フロール!良かったよー!」


 入って来たのはリーフとウールであった。リーフはタオルをウールは洗面器を持って来てくれた。


「3日間も寝てたのよ。流石に怖かったわよ。もう起きないかと思ってみんな泣いてたのよ。」

「良かった……みんな生きてて……」

「何?怖い夢でも見たの?」


 フロールは首を横に振ってそれを否定した。


「ううん、ただ起きた時誰も居なくてこんな綺麗な部屋にいるんですもん。私だけ死んじゃったのかと思ってしまいました……」


 涙を拭いながらそんな話をするので、リーフはフロールの頭を撫でてあげた。


「ばーか、クラリスが死なせる訳ないでしょ。クラリスが死なせたくないなら私だって全力をだすわよ。と、言いたいところだけど……今回は私だけじゃ危なかったかもね。」

「ん?……そういえばクラリスさん達は?」


 クラリスとエール、ニコラの姿が見えない事にようやく違和感を持ったフロールにウールが答えた。


「エールは隣の部屋でニコラの看病してるわよ。」

「えっ?そんなにですか?」

「まぁ、実戦で初めて使ったから手加減をせずにぶっ放して魔力が戻るまで絶対安静って言われたのよ。」

「そうなのですね……クラリスさんは?」

「クラリスは……」


 少し顔を引き(つら)らせながらリーフは目を背けた。


「何かあったんですか?」


 リーフが答えないので、代わりにウールが答えた。


「クラリスは今、地下牢に入れられてるわよ。」

「……え⁉︎」


 フロールは唖然としてしまうのであった。



 ところ変わって地下牢のクラリスがいる場所では……


「……ん……ここは?」


 クラリスの両手と両足には枷が付けられていた。この事から何をやらかしたのか直ぐに理解した。


「ようやく目覚めたようじゃのう。クラリス。」

「ダーク……私を殺しにきたの?」

「ほぉー……罪の意識はあるようじゃのう。」

「ええ、私は暴走してしまったのね……」

「分かっておるようじゃな。」

「覚悟は出来てるわ。さぁ虚無の世界でも死界でも何処へでも飛ばさない。」


 クラリスは真っ直ぐとダークを見つめた。しかしダークはやれやれという顔をしてしまう。


「お主は今回無罪じゃ。」

「……はい……?」

「今回は特別じゃ、妖精界の姫君を救ってもらったのじゃ、当然じゃろ?」

「姫君って……リーフの事?」

「たわけ!あやつではないわ!」

「じゃあまさか……」

「そうじゃ、フロール様じゃ。」

「でも、あの子は守り神をやってたのよ⁉︎姫君がそんな事……」

「あれはフロール姫が幼少期に拐われてしまってたからじゃ、あれは人の仕業だと思っておったが、まさか神が犯人だったとはのー……」

「そう……なのね……それでフロールは⁉︎」


 当然ながらクラリスもフロールが心配である。なのでダークに尋ねたのだ。


「残念じゃがまだ目覚めておらぬ、じゃが一命は取り留めたぞ。」

「よ、良かったー!」


 クラリスはとりあえずフロールの無事を知るとヘナヘナッと地面に座り込んだ。


「あれ?じゃあなんで私は牢屋に入れられてるの?」

「そりゃーお主……」


 クラリスはダークの雰囲気が一気に変わったのを実感した。


(あれ?雰囲気がさっきより険しくない?)


「リーフまでならともかくドラゴンの娘に姫君までたぶらかす様なたらし人間には仕置きの1つや2つは必要じゃろー?」


 口元が少しにやけているダークにクラリスは直ぐにでも逃げ出そうとするが両足に枷がある為逃げ出さないのであった。

 そして牢屋の中にダークが入って来て直ぐにクラリスの絶叫が地下牢内に響くのであった。



 再びリーフ、フロール、ウールサイド……


「ちょっとフロール!いきなり動いて大丈夫なの?」

「クラリスさんは私を助けようとしてくれたんです。それなのに牢屋になんて納得できません!」


「それはわかるけど、責めて王様に一言言った方がいいわよ。」


 フロールは立ち止まって振り返る。フロールの目には涙を一杯に溜めて今にも泣き出しそうであった。


「私を助けてくれたのにその人を殺そうとする王様なんて私は知りません。助けが遅れてクラリスさんが死んでたら私は絶対に自分を許せなくなります。だから私はクラリスさんを助けに行きます!」


「……はぁー……しょうがないわね。いいわ。私が案内してあげる。闇雲に探すより、私の力を使って探した方が早いわ。」


 フロールは振り向き、リーフにお礼を言う。そしてリーフはサクッと魔法で道案内を始めた。

 そうして地下牢の入り口を見つけると3人は慎重に階段を降りていった。

 するといきなり誰かの叫び声が聞こえた。


「クラリスさん⁉︎」

「まさか、間に合わなかったの⁉︎」

「嘘よね⁉︎」


 フロールとリーフは絶望の様な顔をして、ウールに至っては泣き出していた。3人は急いで階段を降りるとそこには……


「いやー!やめて!あはははは……」

「まだまだじゃ、始まったばかりじゃろう?」


 泣きながら笑い続ける下着姿のクラリスと羽やら筆やらを空中で操っているダークがいた。


「何してるの……2人とも?」

「おおー、リーフか、今此奴に仕置きをしておる。」

「またなんでよ?」

「此奴は女ったらしじゃろー、浮気をする様な奴にはたっぷりと仕置きをせねばなるまい。」

「ちょっと待って!クラリスは死刑にならないの?」

「何を言っておる。フロール姫を救ってくれた者にその様な事する訳なかろう。」


 至極当たり前の事を言われて3人は目をパチクリとさせるのであった。その間もクラリスは蒸せながらも笑い続けていた。


「あははは!や、やめて!ごめんなさい!許してください!」


「フロール、ウール……帰ろっか?」

「ええ、そうしましょう。」

「なんか無駄に疲れたわ……」

「ちょっと、3人とも助けてよー!」


 3人はクラリスをほったらかしにして先に帰るのであった。その後1時間位して、痙攣してるクラリスをリーフ達のいる部屋へ投げ込んまれるのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は12月26日日曜日の15時です!お楽しみに!


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