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52歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 クラリスとニコラは相手との距離を一気に詰めた。


「はああぁぁぁ!」

「うりゃゃゃー!」


 そして、相手の懐へクラリスは剣を、ニコラは拳を打ち込んだ。だが……


ギィィィーン……


 片手で張った障壁に止められた。


(嘘、この剣が止められるなんて……)


「へぇー君魔法だけじゃないんだ。やるねー」

「くっ……」


 クラリスとニコラは一旦飛び退いて距離を取る。


「おやおや、距離を取って大丈夫なんですか?お友達はもうそろそろ限界ですよ。」

「あなたに心配されるほど3人とも柔じゃないわよ!それより聞かないといけない事があなたには山ほどあるのよ!」

「あはは。知る必要はありませんよ。あなた方はみんなここで死んで貰いますから。」

「まだ死ぬつもりはないし、誰も殺させない。そういえばまだ名前を聞いてなかったわね。教えなさいよ。」


 にこやかな顔でクラリス達に死刑宣告を下す男にとりあえずクラリスは名前を聞く。


「そうですね。名前も知らない相手に殺されてはあの世で自慢にもなりませんからね。名前くらい教えておきましょう。私の名前はバンデス創造神です。」


 バンデスはリーフ達への攻撃を止め、名前を名乗った。そして、クラリスはあり得ないという表情をした。


「創造神……あり得ないわ!創造神は今は封印されているはずよ!」

「そう……あの神龍での一件の後、私は神々に封印させられました。私は人々の、いえ、この世界の者を愛していたのにそれを壊され幽閉させられた。これはその復讐の序章です。」

「まさかそのためにフロールを……?」

「ええ、神力がだいぶ衰えていましたからね。妖精の里から連れ去り、守り神にさせて魔力を吸い上げていたのですがね……どうやら誰かに契約を壊されたみたいなんですよ。その後はその子を探しましたよ。」

「じゃあなぜ殺す必要があるのよ⁉︎」


 今度はリーフが叫んで質問した。相当怒っている様だ。


「バレては困るんですよ。その子が妖精の里に戻った後、何をしていたのかがバレるとね。流石に神々に今回の事が私だとバレるには少し早いのです。まだ力を取り戻していませんから。」

「それじゃあ、ニコラを襲ったのは……?」

「そこの少女のドラゴンですか?争いの種が欲しかったんです。反乱分子のクローズというドラゴンがいたのでね。そのまま人族と戦争になれば神々は困る。そして、魔王が復活する。そうすれば世は混沌となる。再び私の力が必要となる!」


 そこで一度言葉を切った。既にクラリスはバンデスが何を考えているか分かった。


「そしたらもう一度神龍を生み出せると?」

「素晴らしい、その通りです!だけどただの神龍ではない。全ての生き物、私以外の全生物を滅ぼす神龍を作るのです。そうすれば神は私だけになる。そこからまた始まるのです新たな世界が!」


 クラリスは眉を寄せてそれを吐き捨てた。


「バッカじゃないの⁉︎」

「なに?」


 ギロリと視線を動かしバンデスはクラリスを睨みつけた。


「確かに、あなたは酷い目にあったわ。神龍もね。でも、その責任を今の人達までに背負わせるのは間違いだって気付かないの!頑張って今の国、生活を壊す権利はあなたにはないわ!」

「いいえ、こんな生物の遺伝子は早めに取り除くべきです!争いを繰り返し、反省もしない生物に生きる価値などない!」

「争いは常に起こります。それでも、人々は許す事が出来るの。どんなに争っても許して前に進もうとしているの。どうしてそこまで見てあげられないの!」


 クラリスは涙を流しながらバンデスに訴える。それでもバンデスの答えは変わらない。


「もう良いでしょう。死にゆく者にこれ以上の言葉は不要です。まずはあなたから殺してあげます。あなた、名前は?」

「クラリス……、あなたを殺す人間です。」

「クラリスか……覚えておこう。この創造神に説教をした人間として……さらばだ!」


 それだけ言うと、バンデスは先程の光の光線をクラリスの頭にに向けて打ち込んだ。


「来ると思いました!クラスチェンジ!マジックミラー!」


 クラリスはその攻撃を読んでいた。クラリスはクラスチェンジで魔道士へと変わり、バンデスの攻撃を反射させた。


「なに⁉︎」


 一瞬虚を突かれ避けるのが遅れたバンデス。だが、倒すまでには至らず左腕を(かす)めただけであった。


「その魔法はごく一部の神々が使える技どこで習得した⁉︎」

「教えてもらいました。女神様にね!」


 今がチャンスとクラリスは巨大な火球をバンデスにぶち込んでいく。ただこのくらいでは倒せない事も分かっている。だから……


「ニコラ!()()ブレス!」

「わかった!行くよ!」


 ニコラは空気を大きく吸い込み、足をしっかりと固定した。


「エール下がって巻き込まれるわよ!」


 クラリスの言葉にコクリと頷いてリーフ達のところへ飛び退いた。


「いくよ……マグマブレス!」


 ニコラが口を開き咆哮を放つとマグマが物凄い勢いで飛び出した。クラリスと考えて作った技である。土の魔力と火の魔力を使い混ぜ合わせる事でより強力な技に仕上げたのだ。ちなみにブレス名はまだ決まっていないので2人ともバラバラであった。


 ブレスを放ち切るとそのままニコラは大の字になって倒れた。


「はぁー!スッキリした!」

「良いブレスだったよ。」

「ありがとう、クラリス!」


 クラリスがニコラの近くまで歩いて行き労った。そこへエールもやってきてニコラを抱きしめた。


「ニコラ!強く……なったね!」

「お姉ちゃん、泣く事ないでしょー!」

「だって……こんなにも強くなってたなんて……嬉しくて嬉しくて!」


 仲睦まじい姉妹を宥めつつ、クラリスはリーフ達の方を見た。リーフ達もなんとかなったと安堵してその場に座り込んでいた。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は12月19日午後15時ですお楽しみに。


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。

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