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50歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 次の日お昼を過ぎた頃クラリスとニコラは帰ってきた。ニコラはクラリスの背中で眠っていた。リーフとエールは昨日と同じ場所で特訓していた。


「ただいま!」

「あら、結構早かったわね。」

「いやー、意外とニコラが成長したからね。早めに帰ってきたのよ。」


 リーフに早かったと指摘されたのでクラリスは早く帰ってきた理由を答えた。すると、心配そうにエールがクラリスの背中で眠っているニコラへと駆けてきた。


「あの……ニコラをまた気絶させたのですか?」

「いや、疲れて寝ちゃったからそのままおんぶして帰ってきたの。」

「凄く……汚れてますね……」


 ニコラの前髪を撫でる様に触って顔の泥を見た。


「頑張ったのね……」

「そりゃー物凄く頑張ったからね。」


 クラリスはリーフの方を見た。


「リーフ、宿はこの前と同じ場所?」

「ええまぁ……もう帰るの?」

「うん、私も寝てないから帰ってシャワーを浴びて少し寝るわ。」

「分かったわ。フロールとウールは宿で治癒魔法の特訓中だから鍵は要らないと思うわ。」

「りょーかい。」


 クラリスはニコラと一緒に帰ろうとするとエールからお礼をいわれた。


「クラリスさん、妹をありがとうございました。」


 エールに深々と頭を下げられたのでクラリスは頭を振った。


「ううん、私は教えてただけよ。頑張ったのはニコラだから起きたらニコラを褒めてあげて。じゃあ私たちは先に行ってるからまた後でね。」


 それだけ言うとクラリスは普通の速さで街へと帰っていった。


「どぉ?姉として妹が強くなった感想は?」

「負けてられませんね。リーフ、修行を再開しましょう!」

「そうこなくっちゃ!」


 そこから日が落ちるまでリーフとエールの修行は続いたのだった。


「ただいま!」

「あっ、クラリスさん!おかえりなさいニコラさんも!」

「おかえりクラリス、ニコラ。」

「ただいま2人とも。ごめんニコラを着替えさせるから手伝って。」

「うわー、2人とも泥だらけじゃない!クラリスもそこで服脱いで!ニコラは私とフロールでやるから。」

「じゃあお願い!」


 そういうとクラリスはそのままシャワー室へ向かった。ここは結構高級宿なので部屋にシャワー室があるのだ。


 シャワー室から上がると、ニコラはしっかり着替えが終わっており顔や手に付いてた泥も拭き取られていた。


「あ、クラリス。一応ニコラは綺麗にしといたわよ。」

「こら、ウール!ごめんなさいクラリスさん。私たちにできる事はやっておきました。クラリスさんもゆっくり休んでくださいね。」


「うん、2人ともありがとう。ニコラが起きたらシャワー浴びさせてあげて。あと、金貨3枚あげておくからニコラに好きなもの食べさせてあげてくれる。頑張って私の修行を終えたからね。」


「はい!お任せください。」

「分かったから、早く寝なさい。クラリスだって疲れてるんでしょ?」

「ありがとう。フロール、ウール。」


 それだけ言ってクラリスはベッドへ寝っ転がった。そしてそのまま夢の中へと落ちていった。



 目が覚めるとそこには全員いた。もう夕日は完全に沈んで夜になっていた。


「ようやく起きたわね。クラリス」

「疲れていたんですよね。クラリスさん。」

「さぁ行くわよ。夕飯を食べに!」

「後で、ワタシの特訓の成果も見せますよ!クラリスさん。」

「なんかすっごく久しぶりな気がするね!」


 楽しそうにみんなしているのをクラリスは遠い目をして見てた。


(私……もう充分幸せな気がするな……)


 そんな事を思っていると後ろから声がかかる


    『いいえ、まだまだこれからですよ。』


 クラリスはばっと後ろを振り向いたが壁であった。


(あの声は確か……)


「クラリスさん、どうしたんですか?」

「いや、なんでもないよ。」


 フロールにはなんでもないと答え。クラリスはベッドから立ち上がった。


「それじゃあ何か食べたい物はある?」

「肉!」

「野菜!」


 ウールとニコラは同時に答えて顔を見合わせてパチパチと視線を当てる。


「ウールは昨日街で美味しいもの食べたんでしょ?私に譲ってよ。」

「クラリスの事だから干し肉食べさせられたんでしょ?良いじゃんお肉だし、たまには野菜を食べなさいよニコラ。」


 そんな言い争いを始めようしたのでフロールとエールが2人に鉄拳を見舞って停めた。


(こういう時のフロールは怖いなー……)


「あの、せっかくならフロールの手料理食べたいな。」


 クラリスの言葉に全員目を丸くして笑い出した。


「私の手料理で良かったらいつでも食べられますよ。」

「でも。いいわね。なら私も手伝うわ。」

「ワタシも手伝います。」


 そう言うとフロールとリーフとエールは簡易キッチンへと向かっていった。

 残された3人は顔を見合わせて、テーブルの上を片付けるのであった、




 クラリスの宿から少し離れた建物の屋根の上で女性が座り込んでいた。


「クラリスさん。私が少し目を離した隙に沢山のお友達が出来たみたいね。でも……」


 その女性はすくっと立ち上がると白い翼を広げて空へと昇っていく。


「まだまだ、幸せになって貰うわよ。それだけ人助けしてくれたんだもの。」


 その声を誰も聞く事はなく、その女性は雲の向こうへと消えていった。


50歩目にようやく到着です。ここまで読んでくれた皆様本当にありがとうございます!今後ともよろしくお願いします!


次回更新は12月15日水曜日の22時です。お楽しみに!


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします!


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