48歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ
ニコラがクラリスの指示で空にブレスを放ってた頃……
「ちょっと何よあれ!」
ウールが指差した方向には火柱が上がっていた。
「あれは……ニコラのブレス!」
「ちょっとちょっと、クラリス何してるのよ⁉︎私、ちょっと行ってくるわ!」
そう言うとリーフはさっきのクラリスの様に物凄い速さで走っていった。
「ウールに連れて行ってもらった方が早いのに……」
「フロール……それはないから……あの2人の方が早いから……」
フロールの期待に応えられない悔しさよりあの2人が異常なのを思い知るウールであった。
その頃クラリス達は……
「どぉ?土の魔力を感じ取れる様になった?」
「うん、めちゃくちゃ分かる!これなら探しやすいよ。」
ニコラは先程と同じ様に服を脱いで寝っ転がっていた。けれど、先程の様に何も感じないなんて事はなく。しっかりと意思を持って土の魔力を捉えることが出来ていた。
「じゃあ、第2段階に移るわよ。」
「うん、じゃあ服を着てくるね。」
ニコラが服を受け取ろうとした時、遠くから足音が聞こえた。
「な、何この足音……速いの?それとも大人数なの……?」
「ん?あーこれは……」
「クーラーリースー!」
聞き慣れた声が茂みから向こうから聞こえてくる。そしていきなりリーフが飛び出してきた。
「ーーアンタって人は!ニコラになんて事してるのよ!」
叫びながらリーフはクラリスに跳び膝蹴りをかました。
「ふぎゃー!」
「ク、クラリスさん⁉︎」
「ニコラ大丈夫?クラリスに襲われてない?」
「え?ええ、そこは大丈夫だよ?」
「たくもー!この変態め!女の子を裸にして何してたのよ⁉︎」
一方的に変態扱いされてるクラリスが不憫なので、代わりにニコラが弁明するのだった。
「あれをやってたのね。でもね、クラリス……ここでやるのはやっぱりダメよ!」
クラリスは正座させられてリーフに説教されていた。
「なんでよ?」
「私たちは妖精の里で修行したでしょ?しかもあの時はしっかり人避けの結界張って。こんな山奥でも誰か来る可能性は充分あるでしょ。もう少しニコラの事考えなさい!」
「はい、その通りです……」
「まぁ、もうした事だし、どうにも出来ないからこれ以上は言わないわ。ただエールが心配してたわよ。ニコラのブレスを見て何かあったんじゃないかって。」
「ごめんなさい……帰ったら改めて謝ります。」
「まぁ、何事もなければいいのよ。ニコラは修行の成果も出てきたみたいだしね。」
「えっ?分かるの?」
「うん、今さっきより顔がイキイキしてるわよ。疲れも見えるけど。」
リーフに言われて先程までの自分がどんな顔してたのか少し心配なニコラであった。
「じゃあ私は帰るけど、夕ご飯はどうするの?」
「干し肉と水で乗り切るわ。時間が勿体ないからね。」
「それはいいけど、しっかり休みなさいよ。」
それだけ言うとリーフはさっきのスピードで帰って行った。
「す、凄い……私の飛行速度より速いかも……もしかして私を気絶させたのって……」
「ええ、ニコラを運んで来る時にあのスピードだと酔うって分かってたからよ。だから帰りも気絶してもらうから。」
帰りも気絶が確定してしまいゲンナリするニコラであった。
「さぁ、じゃあ次の段階に進むわよ。」
クラリスはそう言うと魔力で土を集めると泥団子を作った。
「泥団子くらいなら出来るわよ。ほら、」
ニコラは手の上にクラリスと同様に泥団子を作ってみせた。
「じゃあそこの木に泥団子をぶつけてみて。」
「えっ、こう?」
ニコラは言われた通りに木にぶつけるとベチャっという音を立てて壊れた。
「うん、まぁまぁね。でも、ニコラにはこのくらいになって貰いたいのよ。」
今度はクラリスが泥団子を投げて気にぶつけた。すると……
ドンっという音を立てて泥団子は砕けた。文字通り木を揺らすレベルの強さである。
「何いまの……?鉄球?」
「何言ってるの、泥団子よ。」
「いや、違うから!私のと全然違うから!」
「そりゃー違うわよ。作り方が違うからね。」
見本を見せた所で再び木の枝を持って地面に絵を描いていくクラリス。座学に戻るのだ。
「じゃあまず、私の泥団子とニコラの泥団子は何が違ったと思う?」
「えっ?うーん……質とか?」
「残念!質は同じ土の魔法の泥団子よ。」
「えっ、でも明らかに私の泥団子より強度があった様な……」
「それは正解よ。私の泥団子の方が強度はあったわ。じゃあ他には?」
「ええっ?うーん……もしかして魔力の込め方?」
「おおー、正解!強度を上げるために魔力で泥団子の強度を上げたのよ。」
「でも、それって普通のやり方じゃないですよね?」
「そうね。だからニコラには今からこの泥団子作りの特訓をするのよ!」
「えっ?えーー⁉︎」
絶叫するニコラに、クラリスは説明を続ける。
「いい、よく聞いてね。」
「は、はい……」
「この泥団子が作れる様になれば色んな応用に使えるの。魔力をコントロールする為にも大事な特訓だから疎かにしないで欲しいの。」
「は、はい!」
「もし怠けたら鞭打ち10回とダッシュ10本だからね。」
「はい!」
「じゃあ、始め!」
「はい、クラリスさん!」
「何かしら?」
「どう作ればいいか、分かりません!」
そうまだどうやって作るのかを説明していなかったのであった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は12月11日土曜日15時です、お楽しみに!
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