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47歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 ニコラが目を覚ますとクラリスが上から見下ろしていた。


「ここは……?」

「山の中よ。これから半日であなたを鍛えます。」

「半日で⁉︎」

「そう半日で!まずは座学からね!」


 そう言うと驚いてるニコラをよそにクラリスは鉛筆とノートを収納から出した。


「ちょっと待って!まず私は何を学ぶの?目的が分かってないと何をして良いか……」

「そうね。じゃあさっき、私はニコラに何をしてみてって言ったか覚えてる?」

「えっ?確か……地面から魔力を吸い上げられるか?だよね。」

「そう、それ!それが目的ね。」

「えっ!」

「今ニコラは出来ないって自覚してるよね?じゃあどうすれば出来る様になるのかを考えていくんだよ。」

「でも、どうやって……?」


 やった事もないのにいきなりやろうというのも無理な話である。なのでクラリスもその辺は考えてある。


「ニコラ、服を脱いで。」

「……えっ?」

「いいから、脱いで。」

「ちょっと待って!なんでこの流れで服を脱ぐのよ!」


 ニコラは顔を赤くしてクラリスに抗議した。まぁ、当然の反応である。


「ニコラはまだ手のひらから……というより、自然の魔力を捉えきれてないから直接皮膚につけてやった方がいいのよ。だからこんな山奥に連れてきたんじゃない。」

「うぅー……じゃあ、2人っきりにしたのは……」

「そう、フロール達にまで見せない為によ。ニコラだって恥ずかしいでしょ?」

「……もう、わかりましたよ!」

「あー、下着は付けてていいから。」

「分かったから脱いでるところ見ないでよ!」


 数分経つと下着姿のニコラから声がかかる。


「い、いいわよ……」

「おおー、意外と胸あるわね。」


 頬を赤らめて胸の前で腕を組んでいるニコラがとても可愛かったのでクラリスは少しからかってみた。


「もぉー、良いから!早く修行つけてよ!」

「あー、はいはい、じゃあそのまま寝っ転がって。そして呼吸を整えて目をつぶってね。」


 ニコラは言われた通りにやっていく。


……

…………

………………


「どぉ?何か感じる?」

「……」

「あれ、ニコラ?」

「グー……グー……」

「コラー!」


 ゴンッ!


 修行の途中に寝てしまったニコラにクラリスは鉄拳制裁を加えて叩き起こした。


「痛っ!あっ、ごめん寝ちゃった……」

「今度寝たら下着を全て剥ぎ取るからね!」

「ごめんなさい!真面目にやります!」

「ほほー……今までは真面目じゃなかったのね……」

「そ、そんな事はないよ!」


 少し焦ってるニコラが面白くてクラリスはついまたからかってみたのだった。


「ほら、もう1回寝て。」

「はーい。」


「どぉ?何か感じる?」

「うーん……分からない……でもひんやりしてて気持ちいいかな?」


(ひんやりしてるかー……)


「ニコラ、地面に魔力を流してみて。出来るなら火の魔力で地面を温める感じで。」

「えっ、魔力って属性に分かれてるの?私の中の魔力も?」


(やっぱり知らなかったかー……)


「じゃあ、基本から教えるよ。私は人だから魔力は契約した妖精達に魔力を渡してその魔法を具現化して貰ってるのよね。」

「それは知ってる。前にフロールに話して貰った事があるからね。」


(ほぉほぉー、しっかり勉強してるじゃないか。)


 私は感心しつつ話を続ける。


「という事は、妖精の魔法の使い方も知ってるのかな?」

「ええーと、確かもっと簡略化出来るって言ってた様な……」

「そうね。私達人間が魔力という代価で妖精から魔法を使わせて貰ってるからその手間がないからね。魔力という代価を支払わずに魔法を使えるのが妖精や精霊ね。ただ、魔力が無くなっちゃうと消えてしまうから相当気をつけているみたいだけどね。」


「なんか、サラッとすごい事言わなかった?」

「まぁ、ここはサラッとね。その辺は私がしっかり3人を監視しないといけないのよね。」


 なので3人に魔力を使わせすぎない様にしなければならないのだ。


「まぁ、あの子達の話は置いといて、ドラゴンはどうなの?」

「えっ?分からない……です……」

「あー、落ち込まないで!まだ初めてだからね。じゃあ簡単なテストをしようかしら。」

「テスト?」

「とりあえず、服を着ようか。風邪ひくからね。」


 クラリスから服を渡されて一旦服を着るニコラ。ニコラは自分が下着姿なのを忘れていたらしく。それを思い出して顔を再び赤らめるのであった。


 服を着を直した後、クラリス達は一旦休憩を挟んだ。お昼も食べてなかったので携帯用干し肉を食べてから修行を再開する。


「じゃあ、空へ昇ろうか!」

「えっ?」


 そういうとこの前の魔法陣を描いた。そして葉っぱの絨毯の上に乗って空へと向かう。


「じゃあ、ニコラ空に向かってブレスを放って、魔力を使い切るまでよ。」

「えっ、そんな事して今日の修行続けられるの?」

「大丈夫、私の予想が当たってるならそんな事ならないはずだからね。」

「……分かった、じゃあいくよ!」


 ニコラは思いっきり空気を吸い込んで火炎を放った。


「はあああぁぁぁぁぁー!」

「いいよ!限界まで吐き出して!」

「ああああぁぁぁぁー……」


 そして、火炎を吐き尽くしたニコラは両膝に手をついて息を切らしていた。


「出し尽くした?」

「え……ええ……出し尽くしたよ。」

「身体の中にまだ魔力の感覚が残っていない?」

「えっ?……んー……確かにまだ残ってる気がする。」


 ニコラはお腹の辺りを触って確認してみた。


「それがニコラの土の魔力よ。その魔力の感覚を忘れないでね。」

「うん!」


 ようやく成果を実感出来たのか満面の笑みで頷くニコラだった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は12月8日の22時です。お楽しみに!


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。

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