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46歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 1日休んで街から少し離れた平原にて、クラリスとニコラ、リーフとエールで稽古をしていた。ドラゴンの里からこの2組は師弟関係になりつつある。

 その近くでは、フロールとウールは魔法の練習をしていた。主に風魔法と治癒魔法をフロールがウールに教えていた。


「ほらほら、ニコラ!スピードが一定になってるよ。」

「わわわ!いきなり早くしないで!」

「敵にそんな事言ってる間にやられるわよ!」


 クラリスはニコラの体術を磨いていた。魔法ももちろん使えるけれど、それ以上に体術の才能を見出したのだ。


 なので……


「ほらほら!脇が甘い!」

「ぐぅぅぅー……」

「ほら、今度は下がお留守だよ!」

「うわっ!」


 上を攻撃していた途端にいきなり下に潜り込まれて足を払われたニコラは地面に転がるのであった。


「まだまだね。」

「ぐぬぬ……もう1回!」

「ダーメ、次はリーフとエールの番だから一旦休憩。」


 クラリスはニコラの手を掴んで起き上がらせた。そして、リーフとエールにハイタッチをして入れ替わった。


「いくわよ、エール!」

「はい!いつでもどうぞ。」


 リーフとエールは拳に魔力を纏わせて一気に距離を詰めた。


「はぁあああーー!」

「やぁあああー!」


 お互いの拳をお互い紙一重で交わした。そして……


「うらららら!」

「やぁあああ!」


 連打である。お互い避けたり当てたりしていたが、若干有利なのはエールである。


「エールの魔力コントロールは日に日に良くなってきてるわね。」

「お姉ちゃんは体術も凄いけど、魔法も凄いもの。特に火魔法はね。」

「ニコラも身体強化出来るじゃん、それに魔力量も多いと思うわよ。」

「でも、お姉ちゃんの方がコントロールも体術もしっかりしてるもん……私じゃ……」

「はい、そこまで。」


 ニコラが弱気になりそうだったので、クラリスは止めた。


「ニコラも徐々に強くなってるよ。ただ、熱くなると一直線になっちゃうからそこを今治してるの。」


 クラリスはニコラの頭を撫でながら慰めた。


「私……強くなってる?」

「もちろん!強くなってるよ。だからそんな顔しないの。ところで、ニコラの得意属性は?」

「私の属性は火と土だよ。」


 ニコラの得意属性を聞いたクラリスはあることに気づいた。


「もしかしてニコラ火より土の方が得意なんじゃない?」

「!……な、なんで分かるの⁉︎」

「やっぱり、よし、私たちもフロールたちと一緒に魔法の練習するわよ。」


 クラリスは2組と少し離れたの所でニコラの魔法の特訓を始めるのであった。


「いい?ニコラ、今からあなたに土魔法を教えます。」

「はい!」

「じゃあまずは寝っ転がって。」

「えっ?寝るんですか?」

「そうよ。ほら寝て寝て!」


 ニコラはクラリスから勧められて地面に寝そべった。


「どぉ?何か聞こえる?」

「うーん……特には……」

「じゃあ、手のひらから土の魔力を吸い上げられる?」

「えっ?出来るわけないじゃないですか⁉︎」


 クラリスの無茶ぶりにニコラは驚いて声を上げた。それを見てクラリスは少し残念そうな顔をした。

「じゃあ仕方ないわね。」

「えっ?」


 トンッ……

 ニコラが何かを言う前にクラリスはニコラを気絶させた後、背中に背負ってフロール達の所へ行く。


「みんな少し集まって!」


 クラリスは一旦みんなを集めて話し合いを始めた。


「ごめんね、私今からニコラとワンツーマンで魔法を教えるから明日の夕方まで離れるわね。」

「私たちは行ってはダメなんですか?」

「ダメね。みんながいるとどうしても時間を合わせないといけないからね。だからそれぞれの修行をしてて、大丈夫よ。魔法の修行だから。」

「分かったわ。ちなみにどこで修行するの?」


 リーフの質問にクラリスは山の方を指した。


「あそこなら人も来ないから大丈夫そうだし、何より野良の妖精もいるからやりやすいと思うの。」

「そう、分かったわ。もし、何かあったら信号弾を上げて、すぐに行くから。」


 クラリス達が話を進める中、エールは心配そうな顔をしていた。


「大丈夫よエール、ニコラは私が責任持って育てるから。期待して待ってて、あなたの妹は物凄い才能を秘めてるんだから!」

「……はい、宜しくお願いします……」


 そう言うとクラリスはニコラを抱えたまま物凄いスピードで行ってしまった。


「えっ?クラリスってあんなに速いの?」

「ワタシが飛んでる速度と変わらない気がします……」

「風魔法を使ってるんですか?」


「フロール正解。基本1人旅だから普通でもクラリスの歩くスピードは速いんだけど、風魔法を使うと段違いに速くなるのよ。」


 リーフの説明に納得しつつ、エールはもしやと思った事を聞いてみた。


「もしかして、クラリスさんが余計なことをして逃げ切る為に作ったんですか?」

「おおー、エール正解!前に2、3度やらかしてその時追い風を使えば……って考えたのよ。」

「その発想力が凄いわね……」


 リーフの言葉にウールは少し呆れてやれやれという表情である。


「さぁ、私たちも修行を再開するわよ!」

「「「はーい!」」」


 こうして4人の修行は続くのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。


次回更新は12月5日の午後15時です。お楽しみに!


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします!

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