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42歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

 朝方、クラリス達は街を出た。まだ日が昇っておらず街は霧に包まれていた。


「ふぁー……眠いよー……」

「ニコラは昨日遅くまで遊んでたからでしょ!だから早く寝なさいって……」


 姉のエールに小言を言われてるがそれでもうとうとしているニコラである。


「でもー、それなら一緒に遊んでたウールさんは普通に起きれるんですかー……」


「私は意外と朝型なのよ。まぁ、睡眠より遊んでる方が好きなのもあるけどね。」


「子供は早く寝ないと胸が大きくならないんだよー。見てよ、エールをよく寝るし、よく食べるから胸とお腹が……イテッ!」


「余計なこと言ったら殴るわよ。」

「もう殴ってるじゃん……」

「もう1発いっとく?」

「ゴメンナサイ……」


 ニコラが話してる途中でエールの鉄拳がニコラの脳天を襲ったのだ。ニコラの頭からは少しの煙が上がっていた。

 

 次の街までは平原が続いていた。空も晴れているので遠くまでよく見えた。


「次の街はまだ見えませんね。」

「この先真っ直ぐのはずよ。先は長そうね。」

「今日は野宿になりそうね。」


「地図だと近いのにー」

「そりゃーそのまま書いたら大きいままだからね。」


 ニコラの言葉を冷静にウールがツッコミを入れた。


「そろそろ休憩しましょう。雨も降りそうにないし、ここで食べましょう。」

「そうね。天気もいいし、平原で視界を遮るものもないから強襲もないからね。」


 クラリスとリーフ提案に4人は了承する。


「ねぇ、クラリス久しぶりに()()やらない?」

「そうね。やりましょうか。」


 クラリス達が勝手に話を進めるので4人は何のことか分からずにいた。


「2人ともあれってなによ。私たちをほったかして話さないでよね。」

「あ、ごめんごめん。どうせなら空の上で食べようって話よ。」


「「「「空の上?」」」」

「何言ってるんですか、クラリスさん!そんなの出来るわけないじゃないですか⁉︎」

「そうよ。全員風魔法使えるからってそれは無茶よ。」


 フロールとウールに完全に否定されたクラリスであるが、その後ろではリーフがしっかりと準備を進めていた。


「出来たわよ。」

「お、早かったね。じゃあやろうか。」


 クラリスとリーフは魔法陣に魔力を込める。すると……


「えっ、葉っぱが……」

「集まってきたわね。」

「一体どこから……」

「すっごーい!」


 4人が驚いていると、魔法陣の上に木の葉の絨毯(じゅうたん)が出来た。


「さぁ、乗って乗って!」

「この魔法陣の上ならどこまでも高く登れるわよ。」


 クラリスとリーフに勧められて4人は恐る恐る木の葉の絨毯に乗ってみる。


「おー!ふかふかだね。」

「草原の香りだー。」

「ずっと寝てられそうねー……」

「気持ちいい……」


4人は寝そべって気持ち良さそうにしていた。


「じゃあ上に行くわよ。」


 クラリスとリーフが手を上に上げると木の葉の絨毯は上昇しだした。そして、ある程度の高さで停止させた。


「この辺りでいいわね。」

「そうね。じゃあ昼食にしましょう。」


「うーん……もう少し寝てたい……」

「気持ち良すぎよー。」


「これは人をダメにしますねー」

「お姉ちゃんドラゴンじゃーん。」


「いいから起きて、休むなら食べてから休んで。」


 クラリスの一言にようやくみんな起き上がってくれた。そしてみんなで昼食を食べた後、各々休憩していた。


「うーん……風が心地良いわね。」

「それにしても、2人ともなんで今まで使わなかったの?」


 ウールの質問にリーフが答えてくれた。


「今までは山や森ばっかりだったから、魔法陣は描きづらいし、上に登っても木の枝に当たってしまって出来なかったのよ。」


「ちなみにどこまでも登れるのですか?」

「どこまでも登れるわよ。ただし、上に行けば行くほど空気は薄くなるし、寒くなるからここくらいが丁度いいわよ。」


 ウールとリーフとフロールが雑談をしている間、エールとニコラはお昼寝をしていた。クラリスはというと次の街までの距離を確認していた。


(まだ距離があるわね……)


 まだ日が高いとはいえ、この辺りは湖も川もない場所だった。野宿をするとなると水がないのは辛いのだ。


「みんな、ちょっと聞いて。」


 クラリスの声でフロールとウール、リーフはこちらを向く。エールとニコラはぐっすり眠っていた為、後から説明することにした。


「今確認したんだけど、やっぱり今日は野宿になりそうなの。」

「分かってるわよ。そんなこと、」

「それで問題なのは川や湖がこの辺りにないの……」

「つまり水かないんですね。」


「そうなの。食糧は置いといて水は飲み水以外は魔力を節約する為に川や湖を頼ってたけど、今回はそうも言ってられないみたいなのよ。」


「でしたら、私が水を担いますよ。クラリスさんやリーフみたいに戦えませんので……」

「そうしたいけど、フロールには回復魔法の為に魔力を残して欲しいのよ。」


「なるほど、だからクラリスは頭を抱えてるのね。」


 ウールの一言にクラリスは頷いた。


「だからウール、あなたにお願いしたいの。」

「なるほど、そういうことね……いいわよ。」


 そう、クラリスはウールに水を買ってきてもらおうとしているのだ。魔力をなるべく節約する為とは言え、年下を使いっ走りさせるのは気が引けたのだ。


「ごめんね、エールやニコラが行くと街で騒ぎが起こっちゃうから。」


「いいわよ。任せなさい。お使いみたいなものだし。」

「ありがとうー、戻ったらフロールに甘えていいからね。」

「えーー!」


 急に自分が報酬にされてフロールは驚きの声を上げた。


「ほんと⁉︎じゃあダッシュで買ってくるわ!」


 そういうとパッと風になってエールは消えた。


「ク、クラリスさん!」

「お願い!フロール!一つ貸しにしといて。」

「もぉー、返してもらう時は3倍位で返して貰いますからね。」


 ぷくーっと膨れたフロールを見てクラリスとリーフは可愛いと思うのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は11月27日土曜日の午後15時です。お楽しみに。


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