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27歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「人間が俺と1対1でやろうだと…舐めてるのか!」

クローズは怒り任せに翼を羽ばたかせて強風を起こす。

「風にキレがないわね…」

クラリスは杖を一振りするとクローズが起こした強風は治った。

「本当に相手を飛ばすならこうするのよ!」

クラリスは無詠唱のまま杖を振るとクローズが起こした強風より更に強い暴風を起こした。

「うぉっ!」


(な、なんだコイツは…明らかにバースよりつえーじゃねーか…だがな…)


「力なら俺の方が上だ!」

クローズは一気にクラリスとの間を詰める。それに対してクラリスは…


「クラスチェンジ!」


剣士へと姿を変えて迎え撃つ。

「この俺と力比べだと!舐めやがって肉塊にしてくれる!」

「うるさい口ね、その舌切り落としてあげるわ!」


刹那、クラリスとクローズが交わる。


「切り落とさなかったか…」

クラリスはなんとか切り付けたが有言実行とはならなかった。がしかし…

「おのれ…人間…」

クローズの舌は真ん中から切れてヘビの様になっていた。


「許さんぞ…人間!」

怒りに満ちた目でクラリスを睨む。次の瞬間クローズは空高く飛び上がった。

「俺を傷つけた罪は他の者に取ってもらおう…」

「はぁ?何を言ってるの。貴方の相手は私じゃない!卑怯よ!」

「フンッ、それは貴様が決める事ではない。俺が決めるのだ!」


クローズが見たのはウールだった。


「まずい!リーフ!フロール!」

「「任せて!」」

「バーストエンブレム!」


途端にウールの所に火柱が登った。だが…

「なに…?」

ウールは水の結界によって守られており、無傷である。

その横でリーフとフロールが任せてと言わんばかりに親指を立てていた。

(2人ともありがとう…)


「クローズ!」

クラリスがクローズを呼ぶとギロリとクラリスを睨んだ。

「人間のくせに、俺の名前を呼ぶとは…そんなに死にたいのか!」

喋りながらも火炎を吹き出してクラリスを襲った。だが、その火炎をクラリスは一刀両断する。

「あんたの相手は私なんだから…私の仲間に手を出すんじゃないわよ!」

クラリスも負けじとクローズを睨みつけた。

「フンッ!ならば守ってみろ。この俺から弱者をな!」

「言われなくても…もうあんたには空へ飛ばさせないわ!クラスチェンジ!」


クラリスはもう一度魔道士に変わった。そして直ぐに魔法を行使する。


「グラビトン。」

その一言でクラリスとクローズの範囲の重力が強くなった。


「な、なんだ。身体が重い…」

「さーて、どこまで持つかしら…」

クラリスが使った魔法は重力を倍にする魔法だ。ただこの魔法はここ最近クラリスが作った魔法でまだ扱いにもにも慣れておらず制御しきれていなかった。なのでクラリスもこの魔法の範囲内にいて我慢比べ状態である。

ただクラリスは重力5倍までは耐えられるくらいには鍛えている。


「ぐぬぬぬ…おのれ、俺を地に堕とす気か…」

「しぶといですね。では4倍にしましょう。」


クラリスが更に魔力を流し込む。


「ぐあああー!」

クローズはついに地面に堕ちた。

「おのれ…人間ふぜいが俺を見下ろすな…」

「まだ吠える余裕があるんですね。」

「許さん…貴様だけは生かしておかん!」

そう言うとクローズは巨体を左腕と両足で支えて右腕を大きく振り上げ、クラリス目掛けて振り下ろした。

クラリスは普通にバックステップで避けた。

「貴様…」

「あなたでは、私に勝てませんよ。」

「ふざけるな!人間がドラゴンを見下すだと!あり得ん!」

クローズの言葉にクラリスは寂しそうな顔をする。

「私はあなたを見下してなどいません。ポテンシャルはドラゴンの方が断然上ですし、知性も人間なんかより遥かに上です。ですが……あなたには何もない。」

「なんだと…」

「あなたは私だけでなく、エールとニコラにまで手を出した。仲間なのに…あなたが戦争したいなら勝手にすればいい…でもあなたは自分と同じ種族のドラゴンにまで手を出して、それでプライドだけは高くてよく見下すなといえますね。恥を知りなさい!」


クラリスは怒っていた。仲間を傷つけようとした事、同種であるエールとニコラを傷つけようとした事。それでいて自分を正当化しようとするクローズが許せなかったのだ。


「人のくせに!人のくせに!俺に説教だと!許さんぞ人間!」

「許さなくていいわ!でも、エールとニコラには謝りなさい!話はそれからよ。」

「黙れ!人の指図は受けん!」


「クローズよ、何をしておる…」

クラリスが声のした方を向くとそこにはバースがいた。


「その者は我が恩人にして、客人じゃ、傷つける事は許さん!」

「この老害ジジィが!貴様の恩人ならばここで殺してやる!」

「そうか…ならばここからはワシが相手をしようかの…クラリスさん、代わって貰えるかの…」

「は、はい。」


バースの気迫に押されてクラリスは重力魔法を解いた。


「クラリスさんはリーフさん達の所で待ってなさい。直ぐに片付けるからのぅ…」

クラリスは頷くとリーフ達の所へ駆けて行った。バースの目には怒りの炎があったからだ。願わくば更地にならない事を祈るクラリスであった。


ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は21時です。

お楽しみに

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