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22歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ

「そうか、そうか、次は妖精の里に行くのか、」

「はい、フロールを王様の所へ連れて行かないといけませんし、ウールは行った事ないそうなので、」


クラリスはバースに次の目的地を決めた事を伝えた。


「行くのはまだ先じゃろ?どれ午後からは散歩がてらこの里を案内してやろう。来てからずっとバタバタしておったからの。」

「良いんですか?助かります。」

「ほっほっ。うっかり喧嘩に巻き込まれるかもしれんからの。」

「えっ…なにそれ怖いんだけど…?」


喧嘩という言葉を聞いてウールが少しびびっていた。


「力比べをする連中だからの、いきなり勝負を仕掛けてくる輩もおるのじゃよ、まぁこの里の名物じゃよほっほっほっ。」

「わ、私は行かないわ。ドラゴンに勝てる自信ないもの…間違いなく吹っ飛ばされる…」


ウールは完全に行く気を無くしていた。


「大丈夫じゃよ。その為にワシがおるんじゃからな。ワシが案内してる途中で喧嘩をふっかけてくるようならワシが締めるからの、ほっほっほ。」

「え、バースさん今でも戦えるんですか?」

「ほっほっほ、昔は里で1番強かったんじゃよ。」


人は見かけにやらないとよく言うけど、ドラゴンにも言えるらしい。


「おはよ。あ、リーフおかえりなさい。」

「ただいま。お昼今から作るから待ってて、」

「それなら、私も手伝います。」

「だーめ、あんたは寝てなさい、代わりにウールを借りるわね。」

「でも、1日休んでますし、そろそろ身体動かさないと…」


すると、リーフはツカツカと歩いてフロールの前に立つと、いきなりフロールをお姫様抱っこしてクラリスに渡す。


「クラリス、フロールをちゃんと見ててね。」

「あ、うんわかった。」

フロールを見ると顔を真っ赤にして目を回していた。

「じゃあウール手伝って。」

「は、はい。」

2人は台所へ行ってしまった。


「な、なんじゃ今のは…」

「うーん、口で言っても分からないから思考を停止させたのかもね。」


クラリスは自分の腕の中で目を回してるフロールを見てそう呟くのであった。


一方その頃台所では…


「ねぇ、リーフさっきのは何?」

「うん、ねこだまし的なやつかな。」

「ねこだまし?」

「例えばさ、ウールにいきなり私がキスしたらどうなる?」

「吹き飛ばす。」

「まぁ、そうなるわよね、でもその間にタイムラグがあるわよね。」

「タイムラグ?」

「つまり頭が真っ白になるってやつよ。」

「あー。なるほど、」

「そういう事よ。特にフロールは初心(うぶ)だから私にいきなり顔を近づけられてお姫様抱っこされれば破壊力は絶大よ。」

「私、リーフが少し怖い…」

「そぉ?じゃあ怖くなくしてあげようかしら?」


包丁を持ったリーフの目は据わっていた。


「いやー、許して!」


ウールの叫びが家中に響き渡った。


「あの2人は何しているのじゃろうな?」

「さぁ?」


クラリスはニヤニヤしながらバースの質問に返事をしていた。ちなみにフロールはというと、リーフにお姫様抱っこされてたと思ってたらクラリスに変わっていたのに驚いて再び目を回していた。


「お待たせ!お肉ばかりだから小さく切って少しの野菜と炒めて作りました。」

リーフとウールが調理を終えて戻ってきた。ウールは少し顔を赤くしていた。


「フロール起きてお昼だよ。」

「ひゃ、ひゃい!」

クラリスは目を回していたフロールを起こすと、まだ緊張していたらしく変な声で返事をした。


「フロール、バースさんが里を案内してくれるそうだけど一緒に行かない?」

「は、はい。行きます!」


まださっきの緊張からか、フロールの挨拶がぎこちなかった。

こういうフロールはあまり見ないので可愛いかった。


お昼を食べ終わるとクラリス達はバースの案内で里を観光して回った。


「あまり人の村や街と変わりませんね。」

「ほっほっ、そりゃそうじゃ、人と同じ様に生活せねばならん、狩ばかりしていては他の生物が絶滅してしまう。畜産もすれば農業もする。魚は海に行き人々から買っておる。精霊族もそうじゃろ。」

「そうね、ただ私たちはあまり肉や魚は食べないから野菜中心だけどね。」

「それぞれの文化があるのね。当たり前だけど。」


ウールが辺りを見回しながらポツリと呟いていた。

すると、どこからがドーンという物凄い音が聞こえた。


「な、なによ⁉︎」

「ほっほっ、どうやら力比べでも始めたかの?」

「力比べですか⁉︎何て規模なのよ…」

「ほっほっほ、これも里の名物ですじゃ!行ってみるかの。」


そう言うと、バースさんは喧嘩が行われてるという場所へと向かった。

向かうとそこには見知った顔がいた。


「あっ、クラリスさーん!」

「ニコラ!もう大丈夫なの?」

「もちろん!もう全快だよー」

「ニコラ、軽くって言ったでしょ。やり過ぎよ!」


ニコラは手を大きく振ってクラリス達へアピールする。その隣にはエールもいた。


「あー、そうだ!クラリスさん。私の相手してよ。」

「ちょっ!何言ってるのよニコラ!」

「だって、私の怪我を治すくらい魔力持ってるんだよ。その辺のドラゴンより強いよー」

「ちょっと、命の恩人を殺すつもりなの?」

「ちゃんと手は抜くよ。心配症だなーお姉ちゃんは。」


クラリスをほったらかしに姉妹で話を進めていた。


「クラリス、どうするの?」

「どうするって…」

「バースさん止めて下さいよ。」

「ほっほっほ。あの姉妹は強いからの。でも、喧嘩ではないからの。やってみても良かろう。」

「もぉーバースさん!」


バースは楽しそうに私に力比べを進めてくる。そして横ではフロールとウールが見てくる。


「クラリスさん!カッコいいところ期待してます。」

「勝ったらリーフが私の事好きにして良いわよ。」

「クラリス!是が非でも勝ちなさい!勝たないと許さないからね!」

「ちょっと待って!私には報酬ないじゃない!」


クラリスは3人に押されて闘技場に入る。

ドラゴンの里のみんなからも拍手で迎え入れられる。


「よろしくお願いします!」

「あはは…お手柔らかにお願いします。」


クラリスとニコラは互いにお辞儀をして戦闘体制をとった。


ニコラは両腕を上げて構え、クラリスは木刀を持って構えた。





ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は10月24日土曜日の21時になります。

お楽しみに!


面白いと思った方はブックマークと評価を宜しくお願いします。

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