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1歩目

お待たせしました


それでは本編をどうぞ!

「いい天気ねー」


 草原に1人の少女が寝っ転がっていた。見た目は18歳くらいで金髪のロングヘアーに透き通る様な白い肌、瞳の色は青く、今の青空に等しいくらいだ。


 彼女の名前はクラリス。大昔に魔王を倒したパーティのメンバーの1人だった。彼女はパーティの中でも最弱であったが防御魔法が一流だった為にパーティにいられたのだ。


「少し眠いなー何処かに宿があるのなら今日はそこで寝たいなー」


 クラリスは歩いて近くの街へ向かう。お腹も空いていて、走る気力もないのだ。一昨日から何も食べておらず、ずっと野営していたのだ。


「流石に2日間飲まず食わずなら死ねると思ったけど…不老不死の呪いはそう簡単には解けないのね…」


 そんな事を言いながらもとぼとぼと歩いていく。


 しばらく歩くと小さな村があった。辺りは静かで人の気配がない。牧場の様な場所もあるがウシやブタなどの動物はいなかった。


(おかしい、誰もいないなんて…)


 クラリスは近くにあった家畜の小屋を覗くとそこにはウシやブタの死骸があった。吐き気を催しながらも中へ入って調査する。小屋の中は酷い異臭がしており、家畜の殆どが傷を負って死んでいた。剣で斬られた物、槍で刺された物など酷いものだった。


(戦争でもあったのかな?いやでも……それだと家畜は持って帰るはず。という事は……)


「魔物ね……」


 クラリスは思考して、結論を口にする。


「ふぅー……また厄介事に巻き込まれそうね……」

パキッ


 外で音がした為。クラリスはすぐに物陰に隠れた。


「人間の匂いがするぞ!」

「近くにいるのか?」

「あー…この濃さなら近いはずだ。」

「久しぶりのご馳走だな!探すぞ!」


 魔物達はそこら中の物をひっくり返していく。


「どこだ!」

「おい!早くしろよ!土産を手に入れたら街に戻らなきゃならねぇーんだから!」

(街…?これは聞き出さないとね。)


ドーンッ!


 クラリスは小屋から逃げる為に小規模の爆発を起こす。


「なんだ!」


 爆発が起こった方をみた魔物はクラリスが逃げる影を見た。


「居たぞ!殺せ!」


 小屋の中に居た魔物は外へと出て行く。しかし、外に出た魔物達はクラリスを見失った。


「何処にいった?探せ!近くにいるはずだ!」


 魔物達は散り散りに別れた。


(よしっ!)


 その様子をクラリスは空から見ていた。


 そしていつの間にかクラリスの衣装も変わっていた。黒い三角帽子に黒を基調にした衣装となっていた。


 路地裏の様な場所を探している魔物が居た。


「何処行きやがったんだ?」

「ここだよ!」

「何?」


 魔物が左右に首を振っていると、上から巨大の氷を落ちてきて潰された。


「ざーんねん上でした。」


「なんだ?今の音は……」

「まさか?」


 2匹の魔物が大通りに戻ると巨大な氷が見えた。


「な、なんだあの氷は!おい、行くぞ!」

「お、おう!」


 そして後ろから声がする。


「大丈夫だよーここに犯人はいるからね!」


 クラリスが言うと同時に氷の矢を一体の魔物に向けて放射する。


グサッ!グサッグサッ、グサッ!


「ぐわああああぁぁー」


 1匹の魔物の背中、それも刺さった氷の矢は全て急所に刺さっていた。そして生き残った魔物は後ろを振り返りながらクラリスを見た。


「貴様!なんと卑怯な!それが人のすることか!」

「うーん……魔物に言われるとは……少し悲しいかも。」

「おのれ!許さんぞ!」

「許さない?それはこっちのセリフよ!」

「なに?」

「この村の人に何をしたの?誰も居ない村。大方ここで殺さず、生かしたまま何処かで殺したんでしょ?」


「ふんっ!人間を食って何が悪い!貴様らだって家畜を飼育し食っているではないか!」


「確かに生きる為に私たちはそうやって生きている。でも!私たちは生き物の命に感謝し、必要以上の命は摂らないわ!アンタ達みたいにね!」


「ふんっ!所詮は詭弁(きべん)に過ぎん!我が仲間の仇取らせて貰う!」


「私もここの村の人たちの仇を取らせてもらうわよ!」

「ほざけ!お前なんぞ、直ぐに捻り潰してくれるわ!」

「樹木よ!我が刄となれ!ツリーブレード!」


 クラリスの詠唱を終えると2本の木刀が出てくる。


「フンッ!たかだか木の棒切れに何が出来る!」

「甘いよ…樹木の力を舐めすぎ!」


スパーン!


 交錯した木刀と剣……普通ならば木刀が折れて終わりだ……そう()()であれば……

「な、なんじゃこりゃー!」


 片方の木刀が当たっていた剣は当たっていた場所から溶けており折れていた。

 そして油断して無防備の肉体はというと、物凄い火傷を負っていた。


「なんでだと思う?」

「クソがー、一体何をしやがった!」


「木は燃やす事も出来れば、水とも仲がいい。そして土から養分を吸い上げるし、風をも呼ぶ。光を吸収すると言う事は、反対に闇を生む。」


「な、何が言いたい…?」

「つまり、あなたに未来がないと言う事よ!」

「答えになってねぇーじゃねーか!」


「ええ、教えるつもりはないもの。私、怒ってるんです。沢山の命を奪った貴方達に…」


 クラリスは殺気を込めて魔物を睨みつける。


「や、やめろ…」

「そう言ってた人達を殺してきたんでしょ?自分だけ助かりたいなんて虫が良すぎるわよ!」


 クラリスは木刀を仕舞い。詠唱する。


「炎よ、罪深き者に業火の罰を!ダークブレイズ!」

「ぐわああああぁぁぁー…」


 叫び声すらも燃やしてしまう業火を見た後、先程氷の矢で殺した、魔物へ近づく。


「貴方の記憶見させて貰うわよ。メモリースチール」


 クラリスは魔物が見ていた物を見る。1日前、2日前、3日前……


「次に行く街は決まったわ…」


 クラリスは次の目的地を決める。そして……


「ごめんなさい……私がもう少し早くこの街に来ていれば……」


 クラリスは涙を流しながら村人のお墓を作っていく。一つ一つ手作業で石を積み上げて……


「今日はもうこの村で休もう……」


 クラリスが全てのお墓を作り終わる頃には日が沈み、お月様が真上にきていた。


「ごめんなさい、ベッド使わせて貰うわね……」


 クラリスは家の中にあったベッドで眠りについた。それこそ泥の様に……


「おい!東の村に行った奴らは戻っておらんのか!」

「帰って来てませんぜ!大方サボってるのでは?」

「フンッ、ならば相当な土産が期待出来るのだろう!がーはっはっ!」


 高笑いをする魔物が居た。

 そして……街の片隅にこの魔物の命を狙っていた者も……

本日2回目の更新です。

初めて書くファンタジーなので拙い部分も多々ありますが読んで頂けると幸いです。


それではここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに

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[気になる点] 初っ端から五百年生きてる人間とは思えない言動をしてるんだが...?
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