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17歩目

お待たせしました。

それでは本編をどうぞ!

「クラリスさんリーフさん、ワタシの妹が大変失礼なことをしました。」

「いえいえ…」

「まぁ悪気もなかったんだし…」


結局全員エールに乗ることにした。後ろの方にはしょんぼりしたニコラが正座させられていた。


「あのー…そろそろ許してあげたら…」

「ダメですよ、クラリスさんとリーフさんが酷い目に遭わせたのだから里に着くまではそのまま反省させておいて下さい。」

(意外と厳しいお姉さんみたいね。)


それから飛び続けて日が暮れる頃、ドラゴンの里へ着いた。

里の真ん中に着陸するとクラリス達を降ろして人の姿へ戻った。

「みなさんただいま帰りました。」

「おおー、エールにニコラじゃないか!今まで何処に?」

「この子が人に襲われて怪我をしてたの。だから回復の為に休んでいたのよ。」

「なるほどそれで…で、そちらの方々は?」

「人の子の匂いがするぞ…」

「そこは私が説明します。」


里の人たちに睨まれたクラリスたちの前にニコラが前に出た。


「この方達はわたくしの命の恩人です。3日間交代で治癒魔法をかけてくれた方々なのです。」

「何?人の子が?」

「馬鹿な…あり得ん…」


(やはり人とドラゴンのいざこざは今も続いているみたいね…ここはニコラ達には悪いが帰らせてもらおう。争いになってからでは遅いのだから…)

しかし、クラリスが考えを口にする前に割って入って来たものがいた。


「ありゃ?クラリスちゃんとリーフちゃんじゃないか?」

「えっ?あ!あなたは!」

声のする方を見ると見知った老人がいた。

「覚えていてくれましたか!あの時は助けて頂いて助かりました。」

「懐かしいわね、150年ぶりかな?谷に落ちた指輪を拾ったのは。」

「そうですなー、あの時ワシの指輪を探してくれなければ里の(おさ)を引き継ぐ事は出来なかった。本当に助かったよ。」

「という事は…今はあなたが長なの?」

「もう世代交代しましたよ。同じ者が長く政治をし続けるといずれ綻び始め、里を壊してしまう。常に新しい風を吹かせた方が良いのです。」

「なるほど…では今は?」

「今はしがない里の者じゃ。せっかくじゃからワシの家に来んか?あの時の礼もまだじゃし。」

「そうしたいですけど…」


私は周りを見渡して見る。すると、里のみんなが片膝をついてお辞儀をしていた。


「あ、貴方様がクラリスさんだったとは失礼致しました!」

「前長のおかげで我々は平和な時代を迎える事ができたのです。今回のニコラの件といいありがとうございます。」

急な手のひら返しに正直驚いたが。受け入れられてひとまずホッとするクラリスたちであった。


ひとまずエールとニコラは自分の家に帰った。クラリス達は前長の家に来ていた。

「ふぅーようやく一息つけたわ。」

「ですねー。」

「遠かったわねー」


クラリスとフロールとリーフは椅子に座って一息ついた。ウールは少し疲れたらしく風に戻ってしまった。


「ふぉっふぉっふぉっ。まぁお茶でもいかがかね?」

「「「ありがとうございます。」」」

クラリスたちはお茶を一口飲んで一息ついた。


「そういえば、そちらの子にはまだ名乗ってなかったの。」

「あっ、そうですね。フロールとは初対面でしたね。」

「ふぉっふぉっ。では改めてワシの名前はバースじゃ。よろしくの。」


「こちらこそ、私はフロールです。よろしくお願いします。そして、先程の子は私と契約してる精霊のウールです。次に呼び出した時に改めて挨拶させます。」

「なるほどの、リーフちゃんとフロールちゃんは妖精かの?」

「はい、そうです。」

「それにしてはフロールちゃんはかなり弱っているのー、どれ見てあげようかな?」


バースはフロールの後ろに回って背中に手を添えた。

「うーむ…これは…かなりの魔力を吸い取られていた様だの…一体どんな契約を結んでおった。消えていてもおかしくなかったぞぃ。」

「そ、そんなにですか?」


その言葉に驚いたクラリスが口を開き次にリーフが続いた

「ちょっ!土地神様がそんなめちゃくちゃ契約結ぶはず無いわよ。」


「何、土地神じゃと…?神がこんな契約をしたなど聞いた事ないがの…」

バースは土地神と聞き驚いていた。

「しかも、これはまだ少しじゃが魔力を吸い取られておるの、解除しておこう。クラリスちゃん手伝ってくれんかの?」

「分かりました。何をすれば?」

「光の加護をワシにかけてくれぬか?今のワシの魔力では足りんからの…」

「分かりました。では…」


クラリスは手をバースの方へ向け詠唱をする。

「光よ、かの者に崇高な加護を!ライトエンチェイン!」


詠唱を終えるとバースの身体が白く光出した。

「ふぉ、ふぉ、ふぉ、さすがクラリスちゃんじゃ!では、次はワシの番じゃの!」


そういうとバースは杖を取り出し詠唱を始めた。


「かの者を蝕む呪いよ、我が名の元に解けよ、」

すると魔法陣が地面と天井に現れた。さらに詠唱は続く。

「これは我が契約する火、風、の精からの命なり!」

次は部屋中に火と風が吹き荒れる。しかしその火には熱さを感じなかった。風も強いが荒々しくはなかった。強さの中に安心感があった。

「この命に背く事あらば、"そ"の者に罰を与えんとする。さぁ解かれよ、忌まわしき呪いよ!スペルキャンセル!」


詠唱を終えると眩い光がフロールを包み込んだ。そして…

魔法陣の中心に居たフロールはその場に倒れていた。


「「フロール!」」

クラリスとリーフはすぐにフロールに駆け寄った。クラリスがフロールを抱き抱えるとフロールは寝息を立てて眠っていた。


「ふぅー。上手くいったようじゃのう…」

バースも少し疲れたのか椅子に腰掛け息を長く吐くのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は10月13日水曜日の21時です。

今後もよろしくお願いします。


面白かった方はブックマーク、評価よろしくお願いします。

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