終着点。
「うーん……今日も穏やかね。」
そこには1つ伸びをするクラリスがいた。
「クラリスさんのんびりしすぎですよー」
「そういうフロールものんびりじゃない。」
戦いが終わってクラリスは天界でのんびりとしていた。クラリスはこれまでの功績を考慮され神格へ迎えられた。そしてフロール、リーフ、ウールはクラリス直属の妖精となって暮らしていた。
「ちょっと2人とも!いくら休みだからって怠け過ぎよ!」
「そうよ!フロールは今日私と妖精会議に出るんでしょー!」
「そうでしたね。全く準備していませんでした。」
「私がしたわよ!もうほら行かないと遅れちゃうわよ!」
ウールに背中を押されてフロール達は妖精の里へと行った。
「エールとニコラが居たら連れて来てねー。」
「あっ、はーい!」
クラリスの言葉に反応してフロールが答える。エールとニコラは旅を続けていた。まだ半人前だからともっと広い世界を見てから落ち着きたいとの事だ。そして偶にここへ来てクラリスと手合わせをしたりのんびりしたりしている。
「全く……のんびりするのはいいけどのんびりしすぎでしょ?そんなんじゃ私に寝首をかかれるわよ?」
「大丈夫よー。ツボミはそんな事しないもーん。」
「ちょっ!抱きつくなー!髪をわしゃわしゃするなー!」
ツボミは未だにクラリスの中に封印されているという体になっているが実際は殆ど外で暮らしている。そしてクラリスの抱き枕的存在になりつつある。
「はいはい、嫌がってるからやめなさいねー。」
クラリスから解放されて距離を取るツボミ。そしてツボミを解放してくれたのはジェシカだった。
「やっほー、のんびりしてる?」
「ええ、おかげさまでね。」
「そんなところ悪いけど少し運動してくれないかしら?」
「いいけど……どんな仕事?」
「大した事じゃないわ……クラリスちゃんに魔法を教わりたいって天使達がいるの。その子達への教育の仕事よ。」
「いいわよー暇だし。」
クラリスは快く引き受けた。しかし話はまだ終わらなかった。
「それともう1つ。クラリスちゃんに聞きたいんだけど?」
「何かしら?」
「クラリスちゃんの本妻は誰になったの?」
「……まだ決めてない……みんな大好きだから順位なんて付けられない。」
「クラリスちゃんらしいわね。でもみんなそろそろ待ってると思うわよ。」
「……そうね。今晩決めるわ。」
「そう。明日答えを聴かせてね。」
「ジェシカ様。」
「その呼び方は辞めてって。もう同じ神格なんだからさ。」
「……いえ、今は人間としてのクラリスで言わせて下さい……」
クラリスの真剣な表情にジェシカも向き直る。
「私……今凄く幸せです!あの時あなたが来てくれなければ今は有りませんでした。改めてお礼を言わせて下さい。私に素敵な罰を与えてくれてありがとうございました!」
その時クラリスの頬には涙が伝っていた。そしてその言葉を聞いてジェシカはクラリスを抱きしめた。
「クラリス……よくぞここまで来てくれました。あなたの未来に幸がある事を……」
「……はい!」
そして夜……クラリスは結局誰を選んだのか……それは……
「ねぇ夜遅くにごめん……ちょっといいかな?」
fin
ここまで読んで頂き本当にありがとうございました!
一年半も付き合って頂きキャラ達も嬉しかったと思います。ここまで書けたのも読者様がいたからです。本当にありがとうございました!
本当はもっとエールやニコラ、ウールを活躍させてあげたかったのですが力量不足で出来なかった事が悔やまれます。
次回作は1月に投稿予定しております。次は異世界恋愛で長編を書いて行きますのでよろしくお願いします。
それでは本当にここまで読んで頂きありがとうございました!次回作もお楽しみに!