表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

149/151

148歩目

「あれが勇者⁉︎人間じゃないじゃん!」

「恐らくバンデスに強化してもらってここの守りに就かせたのかもね。」


「そいつも時間移動出来るって事?」

「そもそも神はいつの時代にも飛ぶ事ができるのよ。ただ未来も過去も変わるの。だから安易に飛ぶ事は出来ないはずなのよ。だから恐らく無許可でやってる。」


「でも、何でクラリスだけを?」

「恐らく恨みが深いから……」


 リーフとジェシカ、ツボミが観察しているとクラリスが叫ぶ。


「3人とも先へ行って!」

「はぁ⁉︎また1人になる気⁉︎」


「今度は必ず戻るから!大丈夫!それよりみんなの未来を守って!」

「……分かったわ。クラリスちゃん。絶対に死なないでね。そいつの聖剣で斬られたら不老不死のクラリスちゃんでも死ぬわよ。」


「分かったわ。大丈夫だから!封印をお願い!」


 クラリスの言葉にジェシカとリーフは走り出した。しかし……


「ツボミ!アンタも行かないと!」

「リーフ……そっちは任せていいかな?」


「はぁ?何を言って……」

「たぶんアイツはクラリスだけじゃ勝てない。サポートで私が残るわ。それに。私はクラリスからそんなに遠くへは離れられないもの。」


「分かったわ……死ぬんじゃないわよ。」

「分かってるわよ!」


 そうしてツボミもクラリスと元勇者の中に割って入り元勇者を蹴り飛ばした。


「ちょっとツボミ!何をして……」

「クラリス、手……抜いてるでしょ?」


「えっ?」

「あなたは優しすぎるのよ。もうアイツは人には戻れない。ここで殺さない。」


「……でも……」

「このままだとアイツは全てを壊すわよ。アンタ以外のみんなを。耐えられるのあなたに?」


 うじうじ悩んでるクラリスをみんな分かっていた。リーフもそれを知っていた。だからと言ってこのままではクラリスが死ぬ。だからこそツボミが残ったのだ。未練を絶たせる為に……


「……分かったわ。」


 そしてツボミに言われて目つきが変わるクラリス……それを確認したツボミはそっと離れた。


「勇者さん……いえ、元勇者さん。これが私にできる唯一の事です。」


 クラリスの刀に光が集まり始める。


「本来は神同士の闘いに使われるのだけど……もはやあなたは厄災になりかねない。少しでも痛みなく葬ります。」


「キ……エル……ノハ……オマエダ……シネ!」


 そうして翼を生やした化け物がクラリスへ突っ込んでくる。しかしクラリスは冷静だった。


「さようなら……スカイクラッシュ!」


 青い光が魔を焼き払う……


「ぐああぁぁ!」


 その時クラリスの目からは涙が落ちていた。そう……彼女は最初から優しいのだから。ツボミはそれを見逃さなかった。そしてやっぱりクラリスなんだと思うのだった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました!

次回更新は12月24日土曜日の21時です!お楽しみに!


完結まで残り2話!最後まで読んで頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ