表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

138/151

137歩目

 天界のどこかもわからない場所にクラリスがいた。


「ここが天界……」


 初めて来る場所だが空気が軽く吸う空気が美味しく感じた。


「とりあえず歩こう……」


 もう話す相手もいないから黙って歩いていく。寂しいと思ってしまう。でも、自分と一緒に死ぬ必要はないわないのだからこのくらいは我慢する。


「おや、和の国からお客様が来るなんて聞いていませんが?」


 1人の羽を生やした女性が立っていた。


「すいません、オオクニヌシ様に無理言って開けてもらいましたので。」

「そうだったのですね。お名前をお聞きしても?」


 特に嘘をつく必要ない為そのまま名乗る事にした。


「クラリスです。今天界のお尋ね者です。」

「……なぜ素直に名乗ったのですか?」


「私は争いにきたわけではないので、できれば穏便にすませたいのです。」

「分かりました!私は心の中を見ることが出来るのであなたが嘘をついてない事が分かりました。こちらへ。」


 そう言うと天使の様な女性はクラリスを案内しだした。


「何故私を縛らないのですか?」

「敵意のない者を拘束する必要はありません。」


「そうですか……」

「あと、私は神様ではありません。天使です。」


「天使……ですか……」


 そこからは無言で案内されるクラリス。そして遠くに宮殿が現れる。


「あそこに行くのかしら?」

「はい。少し遠いですよ。」


 そこからしばらく歩いた。無言の中ただただ歩くという苦行である。そうして歩いていると殺気が飛んできた。


「……!」

「気にしないで下さい。彼らは攻撃してきませんから。」

「そうなんですか?」


「ええ、彼らは神のなれ果て。人間を襲ってもなんの価値もありませんから神具を持っていれば別ですが。」


「神具ですか?持ってますけど?」

「えっ?」


聖天の剣(せいてんのつるぎ)ですが……」


 天使は開いた口が塞がらないという表情だった。そして周りで息巻いていた神のなれ果ての者たちがクラリス達へ襲いかかってきた。


「ぎゃー!なんで神具を出すんですか!話の流れ的に出したら襲われる事くらい分かってましたよね⁉︎」

「えっ?だってこんな奴ら……」


 そう言うとクラリスは一気に飛び込んだ。そして……一気に聖天の剣で切り倒していく。


「……うそ……人間が……神を倒してる……?」

「逃げる必要もないでしょ?」


 そう言うクラリスの周りには神のなれ果て達が転がっていた。


「あなた……何者?」

「えっ?だからクラリスよ。あなた達の中では敵と認識されているね。」


 そう言うクラリスがどうしても悪人には見えない天使。それもそのはず。クラリスは冤罪をかけられただけなのだから。


「噂に惑わされてはなりませんね……少しクラリスさんを疑っていたのですが……考えを改めなければなりません。」


「ありがとう……私もその誤解を解きに来たのよ。」


 ここへ来て初めて笑顔を見せたクラリス……しかし……


「いや、その女はとんでもない大罪人だ!」

「ああ、国を1つ滅ぼしたな。」

「久しぶりね。クラリス。」


「あ、あなた達は……」

「勇者パーティのみなさん……」


 そうそこにいたのは500年前にクラリスが国ごと消し去った勇者パーティがいたのだった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は10月5日水曜日21時です。お楽しみに!


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ