134歩目
「オオクニヌシ様の様子……変じゃなかった?」
「ええ、おそらく私たちと対立しないが協力も出来ないんでしょうね。」
下界の町を散策しながらリーフとクラリスはそんな話をしていた。
「まぁ今回ばかりは仕方ないわ。神様との喧嘩だからね。」
「こっちには切り札のツボミがいるとはいえ、あまり使いたくはないわよね。」
(それはどういうことよ!)
「うわっ!」
「何、どうしたのクラリス?」
「えっ、いやいきなりツボミの声が……」
(私の声はクラリスにしか聞こえてないよ。だってクラリスの中から話してるんだから。)
なるほどとクラリスは納得したがやっぱり少し違和感はある。
「ねぇ、何があったのよ!」
「あぁ、ツボミが内側から話しかけてきてるのよ。」
「えっ、何それ……怖い!」
(怖いとは失礼な!)
しかしツボミのツッコミがリーフに聞こえることはなかったのだった。
(というか、私はまだここにいないといけないの?)
「ここはオオクニヌシのお膝元だからね。ツボミは私の中で大人しくしてて。」
(まぁいいわ。じゃあ私は寝てるから食事はあなたの魔力を貰うわ。何かあったら起こしてね。)
「ツボミはなんて?」
「暇だから寝てるって、ご飯は私の魔力を食べるみたいよ。」
「魔力って美味しいの?」
「知らないわよ。その前にあの子は何で、私の魔力が分かるのよ。」
「それこそ知らないわ!」
「クラリスさん、リーフさん……」
クラリス達が振り向くとそこには目が笑っていないフロールと他人のふりをしていたニコラとサクラとウールがいた。
「2人ともこんな町中の往来で喧嘩なんてして何を考えているのですか?」
「いや、これには事情が……」
何か言い訳をしようとしていたが結局2人ともフロールに怒られるのであった。
その夜……フロールからクラリスへ質問が飛んだ。
「それで天界でクラリスさんは何をする気ですか?」
「えっ、話し合いよ。」
平然と言うクラリスに全員が驚いた。
「出来るわけない!」
「考え直して下さい!」
「無謀よ!」
「クラリスさん、何を考えてるんですか⁉︎」
散々な言われようだった。しかしクラリスにはなんとなく上手くいく様な気がしていた。
「大丈夫よ。たぶん……きっと上手くいきわよ!」
「今たぶんって言ったわよね?」
「たぶんって言いましたね!」
「たぶんってなによ!」
「クラリスさんバカなんですか?」
「大バカでしょ!サクラ当たり前の事聞かないの!」
散々な言われようだった。そしてサクラを攻撃しつつ、クラリスを攻撃するリーフだった。
「大体何を話すのですか?」
「えっ、妖精の里への攻撃を止める様に言うのよ。狙いは私なんだからね。」
「まさか……クラリスさん自分を犠牲に……?」
「そうだよ?」
「「「「ダメに決まってるでしょ!」」」」
こうして4人に釘を刺されたクラリスは再度作戦会議をする羽目になった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は9月14日の21時です!
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