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133歩目

「それで、あっちで何かあったの?」


 クラリスの一言に2人は驚いた。


「特に隠してなんかないわよ……」

「そうですよー……」


「あからさまに目が泳いでますよー」

「泳いでるわねー」

「素直に答えた方が良いと思いますよ。2人共。」


 リーフ、ニコラ、フロールにも見抜かれた事で、サクラ達は観念した様だった。


「はぁ……やっぱり裏でそんな事をしてたんだ。」


 サクラ達を自白させたクラリス達であった。しかしダーク達の気持ちも汲んであげないとと思ってしまう。


「じゃあ私たちはここで大人しくしてろと?」

「ええ、クラリスさんに指一本触れさせないとの事でした。」


 サクラからの報告を聞いたクラリスは納得した感じだったが……


「よし、じゃあ私たちは私たちで行きましょう!」

「どこ行くのよ?」


 リーフからの問いにさも当然の如く言い放つクラリス。


「どこって天界よ!」

「えっ?」


 その一言でツボミ以外のみんなはやれやれという感じになるのだった。


「まぁクラリスならそう言うと思ったわ。」

「行く方法はあるのですか?」


「オオクニヌシに連れて行ってもらうわ。そのくらいの恩はあるはずだからね。」

「いやいや!ちょっと待ってよ!」


「ん?どうしたのツボミ?」

「いや、なんでそんな簡単に決めてるの?大人しくしときなさいって言われてたじゃん!」


「あはは、初めはそうなるわよね。でもこれがクラリスなのよ。誰かが傷つくくらいなら自分が。そういう子なのよ。」


「リーフ達はもう慣れてるのね……じゃあ私もクラリスに助けて貰ったんだからクラリスの為に頑張ろうかしらね。」


 ツボミもリーフ達同様やれやれという感じでクラリスに付き合う様だ。


「という訳で、ニコラ。飛んでくれる?」

「いいけど、私オオクニヌシ様のいる場所知らないから案内してね!」


「任せて、あと、ツボミは私の中に戻ってて。オオクニヌシにツボミを見せるわけにはいかないからね。」

「はーい。」


 そういうとツボミは光に包まれてクラリスの中に消えていった。案外クラリスの中は居心地が良い様だ。





 ニコラが飛んでくれたおかげで4日でオオクニヌシのいる社に到着したクラリス達。


「おや、クラリス殿。何故ここに?」

「すいません急に押しかけて。」


「いや、君がそんなに急いで来るという事は天界戦争の事だろう?」

「やはりこちらにも話が来ていたのですね。」


「あぁ、君が世界を壊すという話になっていたよ。我々八百万の神々は君にこの国を救って貰った。なので君と戦うつもりはない。」


「それは良かったわ。では、お願いを聞いて貰えないですか?」

「願いとな?あまり無理は出来んが聞いてみよう。」


 クラリスは戦争を止める為に天界の王と話がしたいという旨を伝えた。ダーク達がこのままでは死ぬかもと付け加えて。


「ううむ。あれと話すのか?」

「あれって、神様じゃないの?」


 オオクニヌシのあれ発言にリーフが違和感を感じて聞いてみるとオオクニヌシは渋い顔をした。


「あれは神でもあるが同時に魔王でもあるんだよ。その気になれば全てを灰にして他の神に1から世界を作り直しさせるくらい偏った思想の持ち主なんだ。」


「それでも、ダーク達を傷つけたくないの!お願いします!オオクニヌシ様!」

「ううむ……それでは連れて行ってやろう。明日の夜まで待って貰えんか、天界に行くには満月か新月の夜にしか開かんのだ。」


「分かりました。では、今夜は下界に泊まる事にします。」

「いいのか?ここならば部屋はいくらでもあるぞ?」


「いえ、オオクニヌシ様もお仕事があるでしょう。私達が邪魔をしてはなりません。また明日お会いしましょう。」


 そう言うとクラリスたちは背を向けて帰るのだった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は9月7日の21時更新です!お楽しみに!


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします!

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