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132歩目

 帰ってきたサクラとニコラはツボミについての自己紹介をしていた。


「ツボミです。よろしくね。」


「よろしく、私はサクラだよ。」

「私はニコラ。よろしく!」


 挨拶を終えるとクラリスが先程からの疑問をニコラたちにかけた。


「それで、エールとボタンはいつ帰ってくるの?」

「つ、強くなってからだと思うよ。」

「そうね……あの2人めちゃくちゃ気合い入ってたし。」


「ふーん……まぁいいわ。それじゃあ私たちはのんびりしておきましょう。サクラ後で手合わせしてくれるどのくらい強くなったか試させてよ。」

「いいわよ!今回は勝つから!」


 クラリスからこ挑戦状にサクラは燃えるのであった。




 昼の晴れた空に乾いた音が鳴っていた。クラリスとサクラが模擬戦をしていたからだ。


「はあぁぁぁー!」

「ぬうぅぅぅー!」


 優勢はサクラであった。魔法も使えるという事で魔法もアリだが、クラリスが劣勢だった。何故なら……


「風圧弾!」

「シールド!」


接近戦に持ち込むと接近系の魔法が飛んできていた。その為クラリスからはなかなか間合いに飛び込めないのだ。しかも精度を極めて正確である。


「貰ったー!」

「ふんっ!」


「また避けられた!クソー!」

「言葉が汚いわよ。サクラ、それに優勢は今あなたなんだからイライラしちゃダメよ。」


 劣勢でもサクラを気にするクラリス。まだ余裕の様である。


「分かっていますよ!それに、そんな余裕をすぐに消してあげる!」


 そう言って風圧弾を撃つサクラ。しかし慣れてきたのだろうかクラリスは半身で避ける。最小の動きで躱す事で次の動作へと直ぐに移行する為に。


「そろそろ攻めに転じようかしら!」

「うわっ!」


 そうここにきてクラリスはスピードを上げたのだった。


(そうだった……クラリスさんのスピードはあんなものじゃなかったわ……)


「いい目になったわね。それじゃあお返しよ!風圧弾!」

「嘘っ!」


 驚くもののこれを何とかギリギリで躱すサクラ。しかしリーフからヤジが飛ぶ。


「クラリスー、風圧弾の威力も範囲も手ェ抜きすぎじゃない!真面目にやりなさいよ!」


 このヤジにサクラはギョッとしてしまう。そしてクラリスはリーフに向かって風圧弾を撃つ。


「うるさいわね!黙ってなさい!」


 それを見たサクラは驚愕する。何故なら先程自分に撃たれた風圧弾よりも速くそして範囲も広かったからだ。


(あの大きさだったら……避けれなかった……)


 サクラは固唾を飲み込んで集中し直した。そしてクラリスはサクラに向き直る。


「あー、あれは実戦でしか使わないわよ。あんなの味方に撃って良い魔法じゃないからね。」


 クラリスのその言葉に安堵するものの。サクラは悟ってしまった。クラリスには絶対勝てないという事を……


「さぁーて。そろそろ本調子でいくわよ!」


 そうしてトップスピードでクラリスはサクラの間合いに入り込んだ。


「クラリスってあんなに強かったの?」

「ツボミは知らないっけ?というか戦ってたじゃん。」


 リーフの言葉にうんうんと頷くフロールとウールとニコラ。


「私の場合は次元を歪めたりして素早さを落としたりしてたから本当のクラリスの強さは分からないわ。」

「それはそれで凄い様な……」


「まぁ、私たちもクラリスの本気はまだ知らないのかもね。」

「どう言う事ですか、ニコラ?」


「前に2人だけで修行してた時なんだけど、私が1度だけ失敗しちゃって山を吹き飛ばしちゃった事あるんだけど……」


 サラッととんでもない事を言うニコラにリーフ達は驚く。


「でもねそれを全てクラリスは隠蔽魔法を使ってその間に私の魔力欠乏と山を同時に直してたんだ。」


「それって……」

「クラリスさんってどのくらいの魔力を有しているのかしら……」


「今分かった事だけど、つまりクラリスは山1つ隠蔽して他人の魔力欠乏を回復させつつ山を復元出来るレベル魔力を持ち合わせているという事よね。」


 それを考えると1人で何度も世界を救ってるって言われても現実味が出てくるリーフ達だった。



 そうして戦意喪失したサクラの木刀をクラリスが弾いて試合終了となった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。次回更新は8月31日水曜日の21時です。お楽しみに!


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