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131歩目

 エール達が妖精の里へ戻ると慌ただしかった。


「あ!皆さん。おかえりになられたのですね!」


 エール達に話しかけてきたのは妖精の里の門番をしている妖精でした。


「ただいまです。それで何ですかこの騒ぎは?」

「そうでした!近々神様の軍と戦争する事になりまして。」


「「「「えーーー!」」」」


 これには流石に4人とも驚いた。


「それでその為の軍備を備えているんです!」

「ちょっと待って!何でそんな事になってるんですか⁉︎」


 流石に理由を聞かないと困ると思ったのかエールが質問する。


「クラリスさんですよ。あの子を匿ってた事がバレてたらしく。それでバンデスとか言う神のことを信用してクラリスさんを魔王と認定しているらしいです。」


「そんな!そんな事あり得ないのに!」


「ええ!ですから私たちはクラリスさんを守ることにしました。フロール姫の事、そしてこれまで何度もこの里を救って来てくれた恩もありますから!」


 その一言に安堵する一方ニコラは疑問を持つ。


「あれ?でも人間を嫌ってる妖精さん達もいましたよね?その方達はどうされるのですか?」


「その辺は王様の命令で全てをねじ伏せました。流石ですよね。皆さんはダークさんの家に向かわれて下さい。今日中に迎えが来るはずですので。」


 こう言われたのでエール達はダークの家に向かう。すると既にダークとライトが待っていた。


「お主ら戻ったか。」

「はい。戻りました。大変な事になりましたね。」


「その事じゃが、クラリス達には秘密にしておいてくれんか?」

「えっ?」


 真剣な目で見るダークにエール達は硬直した。そしてライトが説明する。


「あの子が知ればきっと1人で戦いの最前線に出るわ。それだけは私たちとしては避けたいの。」

「これはわっちらの戦じゃ。あやつを巻き込みたくはない。」


「でも、その間はどうするんですか?こちらに戻る様な事を言い出したら……」

「大丈夫よ。その辺はオオクニヌシ様に話をつけています。あの子を和の国に居させる為にね。」


「……わかりました。では、ワタシはここで戦わせて下さい。」


 エールの提案にそこに居た全員が驚いた。


「な、何を言ってるのよエール!」

「そうだよ!あんたが残るなら私も残るわよ!」


 ニコラとサクラがエールを止める。しかし……


「いいの。私にはクラリスさん達に沢山の恩があるの。ここで返さないといつ返すのよ。それに……」


 そこで一旦切ってエールはニコラの頭を撫でる。


「妹をいじめた神様もいるのなら私も仇を取らないと。この前は何も出来なかったから。」

「お姉ちゃん……」


「それなら……私も残ります。」


 先程まで黙っていたボタンが急に残ると言い出したのだ。これには流石に全員言葉を失った。


「私は……神の使いの神使です。神様の攻撃を無力化も可能なので。お役に立てると思うのです。」

「なるほどの……」


 納得するダークであった。そして……


「分かった、エールとボタンはここに残れ。ニコラとサクラは和の国でクラリスを見張っておいてくれ。」


「「えー!」」

「私も残りますよ!お姉ちゃんにだけ面白い事させたくない!」

「私もです!神様と戦えるなんて貴重な機会逃したくありません!」


「ならん!お前たちは此奴らの帰る場所であれ。コイツらが命を粗末にせん為の(くさび)じゃ。」


「そんな……」


 落ち込む2人にライトが言葉をかける。


「あなた達にはあなた達の仕事をして頂戴。クラちゃんたちをよろしくね。」


 そこまで言われてようやく納得する事ができた。


「あの。この事はクラリスさんだけ知らないんですか?」

「いや、リーフ、フロール、ウールも知らせておらん。あやつらにも余計な心配はかけられんからな。特にリーフは口が軽いからの。黙っておいた方がいい。」


 まだツボミのことを知らないのでここでは名前を出さなかったダーク。そしてリーフが口が軽いという事を知る4人であった。


 こうして残る事となったエールとボタンは戦闘準備に入るのであった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。次回更新もお楽しみに。


次回は8月24日水曜日の21時です。お楽しみに!


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