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12歩目

一週間お待たせしました。


それでは本編をどうぞ。

朝起きてクラリスたちは朝ごはんを食べていた。今日は腕に抱きつかれて起きれないというハプニングはなかった。2人とも学習したらしい。

「ふぅー、それじゃあ出発しましょうか。」

「そうね、荷物も持ったし、片付けも終わったわね。」

「ええ、ウールはどうする?風に戻って、私が呼んでくる様にします?」

「うん、フロールに任せるわ、今の私じゃたどり着いた時には体力切れで何も出来なさそうだもん。」

「分かったわ、じゃあまた後でね。」

そういうとウールは風に戻った。


しばらく歩くと吊り橋が見えてきた。

「あれ?ドラゴンなんていませんね。」

「ええ、普通に通ってる人もいるみたいだし。」

フロールとクラリスは橋の様子を見て安全そうだと呟いた。

「でも、何かいるわよ…」

そんな中リーフだけは警戒していた。

「リーフが気配を感じ取れるのなら何かいるかもね。」

「慎重に行きましょう。」

クラリス達3人は橋の近くまで行く事にした。

「それにしても妙ですね…」

「何が?」

「いえ、この前も山越えした時に魔物がいなかったじゃないですか、今回も魔物に合わなかったなーと…」

「そういえば…」

フロールの言葉にクラリスとリーフが異常性に気づいた。

「そうよ!魔物が居ないなんてあり得ないわ!どうなってるのよこの山は!」

「ええ、普通街に魔物はいないけど、山に魔物が居ないなんておかしいわ。という事は…」

「「食べられた」」

リーフとクラリスは同時に答えを出した。そして、

「となると、動物達にも時期に被害が…」

「早めに片付けた方が良さそうね。」

2人の面持ちが険しくなった。

「作戦変更しますか?」

心配したのか、フロールは2人に尋ねた。

「…うーん…まだ作戦は変えないわ、人への被害がまだ少ない以上、希少種を狩るのは気が引けるもの…」

「そうね、私もクラリスに賛成ね。希少種は殺したくはないわ。」

「2人がそう言うのであれば私は従います。普通にドラゴンに勝てる方法などないのですから。それに、私も殺生は苦手なので…」

橋の前で少し話し合いをした3人であったが作戦は変えないと決めた。そして…


「この橋よね…」

「何も居ませんね…」

「いいや…居るわよ、谷の下に…」

「「えっ?」」

クラリスとフロールが声を出した瞬間突然ドラゴンが現れた。

「クラリス!」

「うん、この子まだ子供ね!」

「えっ?この大きさでですか?」

リーフとクラリスの会話に驚くフロール。そしてドラゴンはゆっくりと口を開いた。

「タチ…サレ…」

「良かった、一応話は出来そうね…」

「タチ…サレ…」

「あのー…クラリスさん。話し合いという雰囲気では無さそうですが…」

「大丈夫よ。おそらく人間と何度か戦ってイメージが最悪なだけよ。」

「それ、全然大丈夫じゃないですよね!」

フロールから盛大にツッコミを入れられたクラリスであった。

「タチ…サレ!」

ドラゴンは怒っていた。そして、クラリス達に火炎を吐き出し攻撃した。

「水よ盾となれ!」

瞬時にクラリスは水の盾を作り2人を守る。

「あらあら…おいたが過ぎる子ね。少しお仕置きが必要かしらね?」

「そうね。でも加減しなさいよ、クラリス。」

「分かってるわよ。じゃあ2人とも援護宜しく!」

そう言ってクラリスは1人前に出た。


(今回は魔道士の方が相性良さそうね…)

歩く時は戦士の格好の方が歩き安い為、戦士の装束にしていたが、今回は戦闘前に魔道士へとクラスチェンジしていたクラリスであった。

「風よ!我を空へ!」

クラリスは上昇気流に乗ってドラゴンの上を取った。

「まずは頭を冷やしてあげる。コールドウォーター!」

クラリスはドラゴンの顔を目掛けて冷たい水をかけた。

「ナニ…ヲ…コンナ…モノデ…」

そしてクラリスの攻撃は続く。

「水に濡れたままだと風ひくわね、だから乾かしてあげる!ウインドートルネード!」

「グヌヌ…コノテイドデ…マケルモノカ…」


「おっと、そろそろかな?フロール!お願い!」

「はい!ウール!クラリスさんを!」

「待ってたよ!クラリス捕まって!」

「ふふふ。ナイスタイミング!じゃあ、後はリーフお願い!」

「任せて!」

そう言うとリーフは手をゆっくり上げ、ドラゴンにかざした。そして詠唱を始める。

「木々よ草花よ、かの者を捕らえ、落ち着かせよ!アロマレスト!」


クラリスの起こした竜巻を堪える形で地面に捕まっていたドラゴンをリーフの拘束魔法で捕まえたのだ。

リーフの使った魔法には心を安定させる効果もあるため、今回はリーフを守るのが重要であった。そして、大技を連発したクラリスを助ける為のフロールとウール。4人のチームワークが必要な作戦であった。


「ふぅー…上手くいったね。」

ウールと一緒にクラリスが戻ってくる。

「クラリスさん大丈夫ですか?」

「平気、平気!この程度ならね!」

「リーフもお疲れ様!」

「ふふん!」

「じゃあ、後はあの子が落ち着いたら話を聞きましょう。」

「グヌヌ…」

「あなたも落ち着いたら話をしてね、私たちはあなたを殺す為に来たんじゃないから、ね?」

クラリスはドラゴンの目を見て真剣に話をするのであった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は10月3日日曜日の21時です。

土日のささやかな楽しみにしてもらえれば幸いです。


宜しければブックマークと評価をして頂けると幸いです。

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