127歩目
夜になり、ツボミとリーフ、フロールが寝た頃ダークとライト、ウールが和の国に戻ってきていた。しかしウールはすぐに寝てしまい今はライトとダーク、そしてクラリスがはなしていた。
「なるほどね。あの子はやっぱり私たちの事信用はしてないのね。」
「当たり前じゃ。ついこの間戦って封印した奴らを信用しろという方が無理な話じゃろ。わっちなら信用せんな。」
ダークの言う事がもっともだと思うクラリスとライト。
「まぁそうよね。でもその辺はゆっくり慣らしていくしかないわ。それが私たちの仕事だもの。」
「でも。クラちゃんなんであの子を自分の中に封印したの?」
「えっ?」
「だってクラちゃんならあの山の力を借りられるのならあの山に封印することも出来たはずよね?何でしなかったの?」
「それは……」
クラリスが言い淀んでいるとライトが代わりに答えた。
「簡単じゃこやつ昔の自分と重ねたんじゃろ。」
「何でダークが知ってるのよ!」
「リーフに聞いたのじゃ。お主があまりにもお人好しだからな。」
「リーフめ〜……」
「まぁ、リーフを責めるでない。わっちが無理矢理聞き出したのじゃから。」
「何でそんな事を!」
「お主は無茶ばかりする。それでもリーフはついて行く。どんなに危険でもだ。それはわっちらは知らんのはあかんじゃろ?」
「ぐっ……」
もっともな理由を突きつけられてクラリスは黙り込む。そしてライトへの説明をする。
「何で私には話してくれなかったのかしら?」
ライトからの目の圧が怖い……これには流石のクラリスとダークも怯えた。
「いや、話しても余計に心配かけるじゃろ?じゃからな……」
「私は……話すことでもないかなと……」
「ふーん……じゃあリーフとダーク以外は知ってる子はいないのね?」
「……いや、フゥは知っておる。あやつは諜報が仕事じゃからな。」
「ふーん。じゃあいいわ。」
どうやら1人だけ除け者にされてないかの確認の様だ。
「もう300年くらい前だったかしらね。クラちゃんと出会ったのは……」
「そうじゃなー。あの時からクラリスは変わらんなー。人の癖に。」
「何よ、その言い方は。」
「他意はない。ただ懐かしくてのー。」
「そうねー。私たちはあの頃から丸くなったわよね。」
「あはは……あの時の2人は怖かったわ。」
クラリスが思い出すのは2人から追いかけ回されたり、怒鳴られたりと散々な日々だった。
「それでもクラちゃんはめげずに来たよね。」
「あぁ、しごきがいがあったの。」
「……もしかして楽しんでた?」
「いえ、むしろ鬱陶しかったわ。」
「じゃな。人間嫌いと分かっておっての仕打ちじゃ。何度消し炭にしてやろうかと思ったか。」
「……ごめんなさい。」
しつこすぎるというのも迷惑だとようやく気づくクラリス。
「まぁそれでもそのガッツがあったから今の私たちなのよ。」
「まぁそうじゃな。」
笑い合うダークとライトに自然と笑顔になるクラリス。
「そう言えば、エールたちは修行進んでるの?」
「まぁ。ぼちぼちじゃな。今は竜の里に里帰りしておる。」
「へぇー、2人で?」
「いや、さくらとボタンも付いていっておる。あやつらとしてみればわっちらの国は全て初めてじゃからな。良い経験になるじゃろう。」
「そうね。帰ってきたら私も手合わせしてもらおうかしら。さくらとね。」
みんなが強くなっているのが嬉しいクラリスであった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は7月20日水曜日の21時です。お楽しみに!
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