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126歩目

「ただいまー」

「帰りました。」


 クラリスとフロールが買い物から戻ってきた。


「あっ、起きたのね。どう?何か不調ある?」

「金髪のお姉さん!大丈夫だよー。」


 とりあえず元気そうなので安心するクラリス。続いてフロールが話しかけた。


「ええっとこれからはなんと呼べばいいですか?」

「ツボミになりましたー。リーフのお姉さんが付けてくれたの!」


「えっ⁉︎リーフが!」


 クラリスは不審そうな顔でリーフを見る。


「な、何よ!何か不安なの?」

「いや、リーフがまともな名前を付けるなんて……驚いたわ。」


「うるさいわねー!私だってたまには良い線いくのよ。」


「はぁ……2人はほっときましょう。ツボミさん、何か食べたいものありますか?」

「い、いや大丈夫だけど……」


「そうですか、では手早く作りますのでクラリスさんたちを見てて下さい。」


 2人が痴話喧嘩を始めたのでフロールは昼食を作るのでした。


 昼食を食べ終わりようやく本題の話を始める。


「ええっと、じゃあ話し合いを始めるけど特に変わった話はないんだけどね。」

「あるでしょ!何言ってるのよ!」


 クラリスのボケにツッコミを入れるリーフ。


「うーん。だってツボミが仲間になりましたくらいでしょ?自己紹介だけで良くないかしら?」

「クラリスさん……あまりふざけてると怒りますよ?」


「はい……」


 フロールの黒い笑みには敵わないのでクラリスがまともに話始める。


「ええっと、じゃあツボミさん。自己紹介と能力について話してくれる?」

「うん、鬼蜘蛛のツボミです。神を食べる事が出来るくらいの力はあります。」


「神を食べるってどんなふうによ?」


「うーん。食べるって言ってるけど実際には力を食べてるの。それで神力を吸い上げるんだ。神力がなくなれば神は神じゃいられなくなるの。だから神喰いなんて呼ばれるんだ。」


「それってどんな神にも通じるの?」

「えっ?たぶん……?和の国の神々はそれで食べれてたし。」


「それなら倒して欲しい神様がいるんだー。」

「ん?」


 この時点でフロールとリーフはクラリスが何を企んでるのかがわかった。


「クラリスさん、まさか……」

「バンデスをツボミに食べて貰うの?」


「そのまさかよ。そうでもしないと神なんて倒せないんだから。」


「ねぇ。なんの話をしてるの?」


 事情が分からないツボミにクラリスが事情を説明した。


「……事情は分かったよ。ただ確認させて欲しい事があるわ。」


「何かしら?」

「そのバンデスとかいう神を倒した後、私はどうなるの?その後私を殺すの?」


 ツボミの言葉に3人は目を丸くして笑った。


「あはは。そんな心配してたの?」

「そんな事する訳ないでしょ。」

「第一、私たちが束になってもツボミさんには勝てませんから。」


 フロールの一言でクラリスとリーフは落ち込むのであった。


「そうそれならいいわ。私が生きていられるのならね。」

「もうあなたを殺させないわよ。」


「そうよ。今度はみんなであなたを守るわ。」

「……おかしな人達だね。ついさっきまで殺し合いをしてたのに今は守ろうとしてるなんてね……」


「クラリスはそんなもんよ。分かり合えると思ったのなら例えそれが魔物であろうが妖精だろうが。仲間にしちゃうのよ。」


「その分私たちは恋敵が増えて困りますがね……」


 フロールの言葉があまりにも重かったため、同情してしまうツボミでした。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。次回更新は7月13日水曜日の21時です。お楽しみに。


宜しければブックマークと評価をよろしくお願いします。

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