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123/151

122歩目

 鬼は地面に倒れるとそのまま砂となって消えた。リーフはナルカミに走って近寄った。


「アンタ大丈夫?」

「ああ……だが、槍はぶっ壊れちまった。」


 見ると刀身にヒビが入っており、あと一振りで壊れる所だった。


「まぁ、でも、あの化け物を倒せたんなら良いだろうよ。」

「……ごめん、アンタの槍壊しちゃって……」


「何でオメーが謝るんだ。これは俺が選んだ道だ、お前に謝られる筋合いはねぇーよ。」


「……それもそうね。じゃあ残りは私が貰うわよ。」

「ああ、好きにしろ。その代わり勝負は俺の勝ちだ。」


「はぁ?何言ってるのよ。質より量よ。」

「はぁ?ふざけんな。それなら俺もやるぞ!」


 そうして2人は残りの鬼を倒すのだった。



 その頃山頂では……


「来たみたいね……」

「この気配……神を凌駕するのも納得じゃな。」


「お姉さんたち……こんにちは。」


 鬼蜘蛛の少女は礼儀正しくお辞儀した。クラリス達に緊張が走る。


「ごめんね。怖がらせるつもりないんだよ。ただそこの神様を殺させてくれない?」

「はい、どうぞって言うと思うの?」


「思ってないよ。でも、お姉さん達を傷つけたくないから提案しただけだよ。」

「ほー、わっちらに勝つつもりとは余裕じゃの。」


「そこの黒いお姉さんは見栄を張ってるけど内心は焦ってるね。大丈夫、命までは取らないからそこの神様以外はね。」


 そうして鬼蜘蛛は一歩前に出る。その瞬間氷の柱が造られる。


「まずは一つ目の罠、氷の氷像です。陣に入った者を氷漬けにして封印する技です!」


 設置したのはフロールだ。だがこの程度で止まるなどと思ってはいない。


「うん。そこそこに冷たいね。でもそんなのじゃ止まらないよ!」


 そうして鬼蜘蛛は超低空で飛んでくる。しかし今度は竜巻が巻き起こる。仕掛けたのはウールだ。


「えっ?」

「私は風魔法を使うのよ。空気の揺れに反応する罠を仕掛けたの。これは予想外でしょ!」


「ふーん。なかなかに厄介な事するだね。お姉さん達……でも私は殺さないよ!」


「殺す必要はないわ。あなたからオオクニヌシ様を守りきれれば私達の勝ちだもの。」


 クラリスの言葉に鬼蜘蛛は笑った。


「何それー。お姉さんやっぱり面白いね!」

「どのみちあなたを倒す事は出来ないわ。それならあなたの力が尽きるまで守り切れればいいだけよ。」


「へぇー、お姉さん達も考えたんだー。でも……耐えられるのかな?」


 すると、鬼蜘蛛は何もない場所に手を思いっきり伸ばした。クラリス達は何をしてるのか分からなかったが、ダークだけは反応した。


「オオクニヌシ様!」


 ダークは横っ飛びでオオクニヌシを抱えて倒れ込んだ。


「おおー、黒いお姉さんは勘が良いねー」


 そう、先程オオクニヌシがいた場所には手があった。その手は正しく鬼蜘蛛のものだ。


「なに……あれ……?」

「あれは恐らく妖精王が使う魔法と同等のものかも……」


「つまり時空を操っているの?」

「そういう事みたいね。」


 ウールは完全に怯えていた。あまりの力の差に。そしてそれを鼓舞するのはクラリスとフロール。


「大丈夫、私がみんなを守るから、ウールも全力出していいわよ。」

「ウール、あなたも強くなりました。大丈夫、自分の力を信じなさい。」


「うん!」


 2人に鼓舞されて奮い立つウール。


「へぇー、今の見てもまだ守れるって思えるんだー、凄いねお姉さんたち。」


 鬼蜘蛛の表情が変わる。先程までは楽しそうにしていたが今は真面目な顔になる。


「お姉さんたち、死んだらごめんね……」


 すると地面が急に隆起し始めた。


「な、なんじゃ、あやつは。先程は空間、今度は地面か?」

「それだけじゃないわ。あの裂け目を見て!」


 ライトの言葉に全員下を見る。そこには……


「マ、マグマ……」


 絶句するクラリス。炎よりも熱く、炎すら凌駕してしまう破壊力を持つ力を持っている。そのマグマが今眼前にあるのだった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は6月15日土曜日の15時です。お楽しみに!


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