121歩目
「まずは俺から行くぜ!」
そう言うとナルカミは空から雷を落とした。しかし盾に防がれる。
「何⁉︎俺の雷があんな盾に防がれるだと?」
「確証がないから私もやってみるわ!水流弾!」
今度はリーフが水泡の球を作ってぶつけるも盾に防がれてしまう。
「おいおい、何もわかんねぇじゃねぇーか。」
「いいえ、1つ分かったわ。あの盾に魔法は通じないわ。」
「なんだと?」
「見てみなさいよ。あの盾を、私の水流弾を受けてるのに盾は濡れてないわ。」
ナルカミも確認すると確かに盾は濡れてなかった。
「どんな魔法を使ったのかわからないけどあの盾がある以上魔法は使えないわね。」
「チッ。じゃあしゃーねぇ。力ずくで行くぜ!」
そう言うとナルカミは真っ正面から突っ込んだ。相手はまだ動いていない。油断してる相手を速攻で叩くという判断は間違いではない。が……
「フンッ!」
ガギンッ!
ナルカミは短刀で鬼の首を取りに行ったが何と短刀が弾かれた。
「はぁ?皮膚も硬いの⁉︎」
「チィィィィ……」
「ぐぉぉぉー!」
驚愕するリーフ。そして攻撃された鬼は怒ったのかいきなり咆哮を上げた。
「おいおい、ありゃーキレちまったか?」
「みたいね。アンタのせいで。」
「うるせぇーな。皮膚まで硬いとは思わなかったんだよ。」
すると鬼は2人目がけて棍棒を振り下ろした。2人は左右に分かれて避けたが地面に棍棒が当たり砂煙が舞った。
(うおっ!)
(これじゃあ周りが見えない……)
すると鬼は砂煙の中からリーフに向かって突進して来た。
「ちょっ!」
目の前に現れた鬼に吹っ飛ばされたリーフ。それでも木刀を間に挟んでなんとか堪えた。
「おいおい、大丈夫か?」
「なんとかね……でも、たぶん肋骨何本か折れたかも……」
「ちっ……しゃーね、俺が相手しておいてやるからその間に回復しとけ!」
「アンタに借りを作るのはごめんよ!」
リーフは痛みを堪えて立ち上がる。
「相変わらずだな。」
「うるさいわね!行くわよ。何とか突破口を見つけないと2人とも死ぬわよ!」
そうして2人は鬼を挟む様に立ち回る。
「あんまやりたくないが、死ぬよりマシだ!後ろから行くぜ!」
「樹木よ、敵の動きを止めよ!」
リーフの言葉に樹木が反応する。地面から木の枝が出てきて鬼の手足を縛ろうとする。しかし、盾を持つ左手だけには樹木が巻きつこうしない。
「もしかして……あの盾を恐れてるの……」
「みたいだな。だがこれなら動きやすいぜ!」
そう言ってナルカミはまさに雷の様な速さで鬼へ攻撃していく。
「コイツ皮膚がやたらと硬いな……ならば!」
そうしてナルカミは一旦距離を取る。
「おい、後どのくらいアイツの動きを止められるか?」
「はぁ……?」
リーフは何でそんな事聞くのという反応をするがナルカミの表情から策があるとみて答える。
「そうね。3分位かしら。」
「そんだけあれば余裕だ!」
そう言うとナルカミは更に距離を取る。
「本来はトドメを刺すときに使うが、今回は動きが止まってるから使えるぜ!」
ナルカミは短剣から黒い槍へと武器を変えた。
「あの盾は魔法は無効化出来るみたいだが、身体強化までは解けなかった。ならば俺がそのまま突っ込めば良いだけだ!行くぜ!」
するとナルカミの身体から雷が噴き上がった。
「雷神槍弾!」
そうしてナルカミは鬼に向かって一直線に飛んで行く。鬼はもう避けられない。なので盾を構える。
直後物凄い轟音が聞こえる。そして辺りには再び砂煙が舞う……
「ナルカミ!」
リーフが呼ぶも返事はない。そして砂煙が晴れるとそこには。ズタボロのナルカミと仁王立ちの鬼。しかしその鬼は盾を壊され身体には巨大な穴が空いているのだった。そして鬼はゆっくりと倒れ砂となるのだった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は6月8日水曜日の21時です。お楽しみに。
宜しければブックマークと評価、またはいいねをよろしくお願いします!
最近更新遅くなって申し訳ありません。今後もよろしくお願いします。




