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119歩目

「なるほどな。つまり霊山に封印したいが誘き寄せる事ができんと言う訳だな。」

「はい……」


 全ての事情を話したライト。流石に囮になって下さいとは言えなかった。


「ならば私が囮になろう。奴の狙いは私なのだからな。」

「そんな!神様を囮に使うなど罰当たりですよ!」


「本来私たち和の国の神々が抑えなければならん事だったのだ。何もかも他国の者に任せる訳にはいかんのだ。」


「……では、お願いします。ダーク護衛をお願いします。」

「任せておけ。後ろは任せて鬼蜘蛛の封印に努めよ。」


「……結局みんなここには残らないわね。」

「安心せい、ウールとサクラとボタンに戻ってきてもらう。あやつらもだいぶ強くなってきておるからな。任せても安心じゃろ。」


 そして作戦決行日も決まる。


「決行日は明日の夜、月が満ちる深夜に行う。」

「満月の夜って何がいいの?」


 ウールの質問にダークは鬼の形相となり、ウールに鉄拳を落とした。


「貴様!わっちの座学を聞いておらんかったな!」

「いっっつー……えっ?」


 呆けた顔をするウールの頭に再びダークは鉄拳を落とした。


「良いか!もう一度説明するから耳の穴かっぽじってよーく聞け!」


 そうして何処から出したのかいきなり黒板を出して解説を始めた。


「いいか、魔法は夜に使うのが1番いい、キレが増す、魔力の消費も少ないからの。」

「なんで?」


「貴様本当に何も覚えておらん様じゃの。」

「半年くらい前だからね。」


 胸を張って言うウールに鉄拳を落として解説を続けるダーク。


「続けるぞ。ではなぜ夜が強くなるのか、それは月の加護を受けるからじゃ。月は魔力の塊じゃ。その月が満ちておるということはそれだけ加護が強いというわけじゃ。」


「へぇーなんとなく思い出したかも。」

「貴様には鉄拳制裁では足らん様じゃのー……」


「あはは……ごめんなさい!」


 謝ったがそんな事で許されることもなく。吊るされるのであった。


 次の日。クラリス、ダーク、ライト、フロール、ウール、ニコラはオオクニヌシを護衛しながら霊山へと登っていた。


「なんじゃこの殺風景な山は。」

「何もないですね……」


「仕方ないわよ。ここは寒いし、地下にも水が少ないもの。」

「それにしても……寒いわね。」

「ドラゴンにこの寒さは鬼畜だよー」


 ウールとニコラは自分の手に息を吐きながら寒さを凌いでいた。


「クラリスよ。周りを暖められんか?」

「出来るけど、なるべく魔力を温存していた方が良くないかしら?」

「じゃがこのままでは登るまでに体力を使い切ってしまうぞ。」


 どっちも正しいがこの場合を考えて出した結論は……


「私が暖めよう。君たちが私を守ってもらう以上こちらもそれなりのサポートをしよう。」


 そうオオクニヌシがサポートに徹してくれる様だ。すると急に辺りが暖かくなってきた。


「凄い。こんなに早く!」

「クラリスよりも早いな。何かトリックでもあるのか?」


「まぁな。ここは山だ。山にはマグマという火よりも高温の物質がある。その力を借りて私たちの周りを暖めてもらっている。」

「なるほどのぅ。クラリス、フロール勉強になったな。」


「「ダークもでしょ!」」


 我関せずを決めていたダークに2人でツッコミを入れるクラリスたちであった。


 一方でリーフとナルカミ達はというと……


「ほんとっ!勘弁してほしいわー」

「なんだリーフ、怖気付いたか?」


「うるさいわね!少し愚痴りたいだけよ。」

「まぁ……この数だからなー……」


 そうクラリス達が山を登り始めてからすぐに鬼の群れが現れたのだ。その数は千を超えていた。


「あら、あのお姉さんのお友達の方ね。もう1人は初めましてだね。」


「友達じゃないわ!恋人よ!」

「そうなんだ。失礼しました。それでお隣の人は?」


「俺はナルカミってんだ!わりーが嬢ちゃんここは通さないぜ!」

「いいよーだ!押し通るから。」


 すると、いきなり突風が吹き荒れてリーフ達を襲うのだった。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は5月25日の21時です。お楽しみに!


現在ストックが少なくなっているので投稿スピードを下げております。何卒ご了承下さい。


宜しければブックマークと評価、またはいいねをよろしくお願いします。


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