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119/151

118歩目

「あーあ、お姉さんたちとは戦いたくなかったのになー」


 鬼蜘蛛の少女は星空を見上げてクラリスたちのことを考えてた。


「私の戦力が揃う前に殺す気だなー……」


 辺りには鬼が居た。もともと人だった者、最初から鬼だった者……今は全て彼女の手下である。


「みんなー!近々戦争になるから準備しといて!」

「うおー!」

「うがー!」


(よし!指揮は高いわね。お姉さんたち……私は倒せないよ。まだ生きていたいからね。)


 鬼蜘蛛の少女も戦の準備をするのだった。



「それで鬼蜘蛛を誘き寄せるための囮は用意したの?」


 リーフの質問にクラリスはダークを、ダークはライトをライトはクラリスの顔を見ていた。


「ちょっと待て……」

「まさか……」

「誰も考えてなかったの⁉︎」


 3人で驚いていた。


「あの無能の作戦参謀はまだ来てないの⁉︎」


 リーフの言う無能とはクラムの事である。


「そろそろ来るはずですが……」

「ダーク呼んできなさいよ!」


「リーフ……お主も偉くなったのー……わっちを顎でつかうとはのー……フフフ……」

「あっ……」


「まぁお主は里に今は帰れんからの。わっちが行くしかないのー」

「……だったら今すぐここから下ろしてよー!」


 一瞬の内に逆さずりに吊るされたリーフがダークに文句を言うが無視されて妖精の里へと戻って行った。そしてリーフを助ける者もいなかった。助けたら次は我が身なのだから。


「おらん!」

「「「「「はい?」」」」」


 戻ってきたダークの第一声がこれだ。


「アイツは準備でいねぇぞ。」


 その後ろからは男性の声が聞こえた。


「ナルカミじゃない。アンタはきたのね。」

「よぉー、リーフいい格好じゃねぇーか。」


「うるさいわね!ダーク早く下ろしてよ!」

「ならばまず言う事があるんじゃないかのう?」


「ぐぬぬ……ごめんなさい。」

「うむ。」


パチンッ

「きゃあー!いてっ!」

 ダークが指を鳴らすとリーフの足を縛っていた縄が解けた。そしてリーフは頭から地面に落ちた。


「いてて……もー!もう少し考えてから下ろしてよ!」


 リーフの文句を尻目にダークたちは話を続ける。


「と言うわけじゃあやつは使えん。ここにおる奴らで考えるぞ。」

「使えないわけではないけど、いないのでしたら仕方ありませんね。」


「一つだけあるわよ。」


 いきなりウールが案を出してきた。


「えっ?あるの?」

「ウールそれは?」


「オオクニヌシよ。アイツらが狙ってるのはあの神様なんだから。」

「……ウールよ。それは皆考えておる。だが、どこの世界に神を囮に使う罰当たりがおるか!」


 ダークはウールを叱りつつほっぺたを摘みあげるのであった。そう、これは皆考えていたが黙っていたのだった。


「まぁ、ウールの言うのも分かるけどね。でもそれは最終手段よ。」


 ほっぺたを摘み上げられてるウールはそれどころではないがクラリスがしっかりとフォローするのだった。


「いたたた……じゃあどうするの?あの子を誘き寄せる方法なんてないじゃない。」

「そうね。今の私たちに出来ることは鬼蜘蛛を誘き寄せるというよりそこまで誘導する事になるわね。」


「おいおい、そうなると鬼の軍団とも戦う事になるぞ。」

「仕方ないわね。じゃあそこは私とナルカミ、2人で抑えるわよ!」


「ああん?何勝手に決めてるんだリーフコラ!俺はつえーやつと戦れるって聞いて来たんだ。鬼退治なんざ興味ねぇーよ。」


「うるさいわね。私だって本当はクラリスと組みたいわよ。でも決戦場所は標高の高い山なの。だから仕方なくアンタと組むのよ!有り難く思いなさい!」


「相変わらず口の利き方がなっちゃいねぇーな。どういう教育してんだクラリスさんよ!」

「うーん自由にさせてるわよ。」


 屈託のない笑みで言われた為これ以上突っかかるのをやめたナルカミ。意外と賢いようだ。


「皆の者集まっておったか……」


 するとテントの外から聞き覚えのある声がするのだった。

ここまで読んで頂きありがとうございます。

次回更新は5月18日水曜日の21時です。お楽しみに。


宜しければブックマークと評価またはいいねよろしくお願いします!


新作の百合小説を投稿しております。良かったら読みに来て下さい。

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