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116歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「というわけじゃ、」


 妖精の里から戻ったダークとライト、フロール、ウールからの話を聞くクラリス達。今は雨が止み快晴状態……いやひでりに近い状態だ。この状態でなら妖精の里と繋がる様だ。


「なるほどね。でもそんなに時間もかけてられないわ。」

「分かっておる。しかし、決定打がないのも事実じゃ。」


「封印場所も妖精の里は断られてますからね。」

「その代わりにこの国の霊山を勧められたんでしょー。この国の負担は変わらないじゃない。」


 リーフは半ば呆れた風に言う。


「まぁまぁリーフ。あの里は元々内向的だから仕方ないわよ。」

「それでも今は有事よ。こんな時も内向的とか馬鹿じゃないの⁉︎」


 リーフが言うことも一理あるが今はそれを問題にするべきではない為、フロールが話を戻した。


「リーフさんはとりあえず落ち着いてください。それに妖精の里から助っ人が来てくれるみたいなので……」

「助っ人?どうせナルカミあたりでしょ?」


「おおー正解じゃ。」

「でしょうね。アイツはかちきだから絶対強い奴がいるとアイツは絶対来るからね。まぁ嫌いじゃないからいいけど。それで他は?」


「後はクラムさんが来るそうです。」


 その名前を聞いた途端リーフとクラリスはライトの方を見た。


「どういうことよ?」

「あの妖精は確か人間嫌いのはずよね。なんで手伝ってくれるの?」


「たぶんこの前の不祥事の埋め合わせじゃないかしら。そんな怖い顔で睨まないでほしいわ。」


 ここでライトに問答しても無意味だと分かっていてもやはり理由を聞かずにはいられなかった。


「まぁそうね。ここでライトに聞いても無意味よね……ごめんなさい。」


「いいわよ。クラちゃんたちが言いたい事も分からなくないもの。何度も命狙われてるものね。でも今回は妖精王から直々にだから何もしてこないはずよ。」

「安心せい。何かしたらわっちが殺す……」


 その目からの殺気は本当に殺すという覚悟が滲み出ていた。クラリス達は背中に冷や汗をかくのでした。



 その日の夜、今度は雪が降り始めた。


「さ、寒い……」

「みんな近くに集まりましょう。このままだと凍死するわよ。」


「クラリス大丈夫か、お主は人間じゃし1番辛かろう?」


 ダークの心配する声にクラリスは首を振った。


「ううん、私よりもリーフをお願い。この子寒さに弱いから火の近い場所へ。」

「そうじゃったな。樹木の妖精は寒さと暑さには弱いからの。リーフこっちへ来い。」


「私……凄く眠い……」


 その言葉にクラリスはすぐに立ち上がってリーフを抱え火の近くに連れてくる。


「まずい、休眠しようとしてる……」

「休眠って?」


 ウールが疑問に答えている暇がクラリスにはないのでライトが説明してくれた。


「植物は冬の寒さを凌ぐ為に自ら水分を抜いて仮死状態になるの。休眠期ともいうけど妖精がそんな事したら死んじゃうでしょ?だからなるべく暖かい場所に居させないといけないのよ。」


「それって大変じゃない!妖精の里に連れて帰った方が……」

「ダメじゃ。今は人間共もリーフを狙っておる。戻るわけにはいかんのじゃ。」


「じゃあどうすれば……」


 焦るウールにダークは指示を出す。


「とにかく、温める事が優先じゃ。フロールは雪をコントロールして入らない様にしてくれウールはその手伝いをやれ。風で入ってこない様にの。」


「「はい!」」


 返事をするとすぐさま行動する2人。そして息のあった魔法で雪を跳ね返していく。


「ライト、ニコラお主は火を強めてくれ、出来るか?」

「任せて。夏くらいの気温まで上げるわよ。」

「任せて!地面を温めて寒さを和らげるわ!」


「頼む!わっちはクラリスの代わりにリーフを抱いて温める。クラリスは水を頼む。リーフの唇が既に乾燥しておるからの。」


「分かったわ。リーフをお願い!」


 そうしてクラリスはリーフをダークに預けて水を作り出す。そして作り出した水を少し温めるという作業を繰り返しリーフに与える。


「リーフよ、死ぬではないぞ……」


 そうして一晩中リーフの看病をするのでした。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は5月5日木曜日の15時です。お楽しみに!


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