113歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
翌日……ダークとライトが戻ってきた。
「クラリス、お主はまた厄介な事をした様じゃな。」
開口1番不機嫌な顔のダークから叱責を受けるクラリス。
「だって……」
「ダーク、気にしてたらダメよー。この子はこんな感じなんだから。」
「そうですよ。天然たらしなんですから。」
リーフとフロールもこんな感じで不満を言う始末……でもどこか楽しそうでもある。
「まぁ良い。面会の話じゃろ?悪いがクラリスとリーフは参加出来んぞ。」
「はぁ?なんでよ!」
「人間どもがまだおるんじゃ。あいつらがおる以上クラリスとリーフは参加出来ん。お主が戻れば尋問される事になるからの。」
「ぐぬぬ……」
「上部だけでも人間達と足並みを揃えてるのよ。だから堪えてね。」
「分かったわ。じゃあダーク。今回はフロールとウールを出すわ。だから2人を守ってね。」
「言われんでもするわ!アホウ!」
ダークにこめかみをグリグリされるクラリスでした。
その日の午後、フロールとウールはライトとダークに連れられて妖精の里へと戻って行った。そして今残ってるのはクラリスとリーフとニコラである。
「フロール大丈夫かな?」
「心配ないわよ。クラリスよりしっかりしてるもの。」
「そうよ、ウールもいるもん。」
「そうじゃないわよ。公式の場で話し合いに参加するの初めてでしょ?私たちも初めては緊張したじゃない?」
「そこはウールに任せましょう。あの子がフロールをサポートしてくれるわよ。」
「……そうね、私たちも最初はお互いにサポートし合ったもんね。」
「でも、クラリスは最初の会議でお腹鳴ったのは笑ったわ!」
「えっ?そんな事あったの?」
「なんで覚えてるのよ!」
「あの時はライトとダークにも笑われてたし。あんな笑ってたダークも見たことなかったもんね。」
ケラケラ笑うリーフにクラリスは少しふくれっつらになるのだった。
一方里に戻ったフロール達はライトの家に来ていた。
「緊張しとるのか?」
「ええ……まぁ……少しは……」
「まぁウールちゃんほどではなさそうね。」
「わ、私は、き、緊張……なんて!」
「はいはい、ウールちゃんも肩に力が入りすぎよー」
そういうとライトはウールの後ろに回って肩を揉んであげた。
「ライトよ、あまり甘やかすな。つけあがるぞ。」
「そんな事ないわよーねぇーウールちゃん。」
「は、はい……」
結構緊張しているらしく話が全く入ってこないみたいだ。流石にこのままでは困るのでダークとライトはあの話をする。
「そういえばライトよ。クッキーがあったな。出してやれ。」
「そうね。あの時みたいになったら困るものね。」
どこか含みのある笑みを浮かべて戸棚からクッキーを皿に盛り付けてテーブルに置いた。
「あの……緊張で何も食べれないのですけど……」
戸惑うフロールにダークは皿からクッキーを1枚口に運んだ。
「いや、少し食べておけ。恥はかきたくなかろう。」
「どういう意味ですか?」
フロールは言われるがままにクッキーを1枚掴む、そしてウールもそれを見て1枚摘んだ。
「クラリスが初めて会議に参加した時じゃ。」
「あの子。朝から何も食べれてなくて会議が始まってすぐにお腹が鳴ったのよ。」
「「えー!」」
ダークとライトの説明に2人は驚いた。
「あの時は妖精王含めみんなで笑いましたね。」
「ああ、あやつがあそこまで緊張してたとは知らなかったからな。そのおかげかみんなの緊張も解けて会議もスムーズに終えることが出来たしな。」
「そうなんですね……」
「災い転じてなんとやらね……」
クッキーを齧りつつクラリスの不運を憂う2人だった。
「ああ、分かっておると思うが王宮でクラリスの話は禁止じゃぞ人間どもがどこで聞き耳をたててるか分からんからな。だから会議中もクラリスの名前は出さん様にの。」
ダークの忠告にフロールとウールは頷いた。
「それじゃあそろそろ行きましょうか皆さん。」
「はい。」
「うん。」
「うむ。」
そうして4人は席を立ちライトの家を出て王宮へと向かうのでした。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は5月2日月曜日の15時です。日付に注意して下さい。
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