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108歩目

お待たせしました。


それでは本編をどうぞ!

「帰って来ませんね……」

「帰って来ないわね。」


 夜になってもダーク達は帰ってきていなかった。


「何かあったのかな?」

「それなら連絡くらい来るわよ。」


「雨も止みませんし、もしかしてこの雨のせいかも……」


 エールの言葉にリーフとクラリスは何かを思ったのか急に立ち上がった。


「リーフ、妖精の里の扉開いて。」

「うん!」


 リーフは空間に魔力を流す。


「やっぱり、開かない……」

「「「「えっ?」」」」


 クラリスはなんとなく分かっていたらしく驚く事はなかったが深刻な顔をしていた。


「つまり、結界を張られたみたいね。」

「えっ?何のために?」


「分からないわ。でも、このままだと、私たちも帰られないわ……」


 エールとニコラは今の言葉に焦り出す。


「流石に帰れないのは困りますね。」

「そうよ!ここから飛んで帰るにしろ方角は全くわからないんだから!」


「まぁ落ち着きなさい2人とも。こういう時の為にあれがあるのよ。ねぇ、クラリス。」


 リーフに言われてクラリスはダークから貰った魔鏡を取り出す。


「我が呼びかけに応えよ。ダーク!」


 すると魔鏡からダークが現れる。


「ようやく異変に気づいたか愚か者!」

「という事はそっちで何かあったの?」


「阿呆!起こっておるのはこっち、和の国じゃ!」

「えっ?そうなの?」


 クラリスの予想はハズレてしまうが落ち込んでなどいられない。なんとかする方法を考える。


「ひとまず、フロールよ雨を止ませよ。この雨には邪気が篭っておる。これのせいかもしれんのでな。」

「分かりました!」


 すると、フロールは天を見上げる。


「雨よ一時止まれ。」


 一言、たった一言で雨は止んだ。


「少しだけ空の時間を止めました。今のうちに精霊の里の扉を。」

「うむ、リーフよ!」


「分かってる!開け妖精界の門!」


 すると何もない空間から扉が現れる。そして扉の前にはサクラとボタンが座り込んでいた。


「2人ともお待たせ。」

「リーフさん!」

「皆さん!」


 ようやく戻れた事に安堵の表情を浮かべる2人、そしてダークも一度妖精界に戻って門をくぐりこちらへと帰って来た。そして再び雨が降り始める……


「さて、お前たち異変の原因について何か知っておるか?」


 ダークの質問に昨日来たオオクニヌシの事を思い出す。


「なるほど、この間の城で取り逃がした奴が原因の可能性が高いのだな。」

「うん、それと昼間に妙な子が現れたわ。」


「妙な?」

「まだ関係があるかは分からないけどね、ただこの雨の中傘もささずに笑ってたわ。どこか不気味だったわよ。」


「……そうか、じゃが、今回の件にわっちらは手を出さんと言ったのじゃろ?」

「ええ、私たちの力まで取られたら和の国では手がつけられなくなると言われたから。」


「まぁ、正解じゃろな。」

「えっ?」


 クラリスの判断を肯定した事に驚くリーフ。


「当然じゃろ。クラリスだけならまだしとも、リーフ、フロールの力を取られては大妖精総出でも勝てん。断言出来る。」


「意外と考えてるのね。」


 その余計な一言がなければ雨の中吊るされる事はなかったであろうリーフでした。


 翌日、朝から雨である。


「止まないねー……」

「止みませんねー……」


 こんな会話をサクラとボタンはしていた。雨はやはりいやなのだろう。それはもちろんクラリス達も同じだ。


「ねぇ、みんなは妖精の里に行ってたら?」

「はぁ?何を言ってるのよ!」


 クラリスの急な提案に驚くみんな。


「今帰られないのは私だけよ。それなら私だけここに残ってみんなは安全な場所に……」

「ふざけないで下さい!」


 珍しくフロールが怒鳴る。それにはサクラとボタンも驚いた。


「ふざけてないわよ。でもこのままここで待つ必要はないと思わない?」

「それがふざけてると言ってるんです!みんなここにいるのはクラリスさんと一緒に居たいからです。それなのに1人置いていけと言うんですか⁉︎」


「……ごめん。でもこんな狭い場所に閉じこもってるのは辛いと思ったの。」


 少し落ち着いたのか、フロールもいつもの調子に戻った。


「クラリスさん、それでもここに1人で残るのは寂しいですよ。せめて何人かは居させて下さいよ。」


「そうね……じゃあ私と残りたい人は?」


 そうこの質問は悪手であるなぜなら……全員手を上げるに決まっているのだから。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新は4月23日土曜日の15時です。お楽しみに。


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