107歩目
お待たせしました。
それでは本編をどうぞ!
雨の中現れたのはオオクニヌシだった。
「すまんな、こんな夜分に。」
「いえいえ、さすがに驚きましたが……」
「妙な結界のせいでなかなか見つからなかったのでな。歩き回ってようやく入れたんだ。」
(ダーク……)
ダークの結界の凄さに驚いくクラリス達だった。
「まぁ良い、本題に入る。3ヶ月前にお前達が来てすぐだったんだが、ある大妖怪が復活した。」
「大妖怪ですか?」
「ああ、その妖怪は人の病んだ心に寄生して宿主を乗っ取り成長していく。」
「ふーん。それがどうしたの?」
リーフは全く興味無さそうに先を促した。
「まぁ、そう話を急くな。問題はこの近くでその妖怪が復活しているということだ。」
「……もしかして、山を一つ超えた所にあるお城から?」
「知ってあるのか?」
「ええ、私たちが行った時には寄生されてたであろう人が背中から裂けていたわよ。」
「そうか……とにかく注意喚起に来たというわけだ。あれは力のある人間を食べる。更に強くなると神をも食う力を手に入れる。気をつけろ。」
「気をつけろって……神様でも勝てないのに?」
「まだ心配ない。今はまだな。だが、君達が食べられた場合、奴に全てを取られる。だからもし会ったら逃げろ。」
「はぁ?それは私たちを舐め過ぎ……」
「分かりました。」
「ちょっ、クラリス!」
リーフの言葉を遮って返事をした。そしてリーフはクラリスに文句を言おうとするが、クラリスが説明する。
「リーフ、もしこの国で私たちが食べられたら誰がそいつを倒せるの?」
「あっ……」
そう、ここでクラリス達の誰かが相手に食べられた場合もう手がつけられないのだ。だからこそ逃げるという選択肢を取る事にしたのだ。
「理解して頂けて感謝する。」
「ええ、でも、もしその妖怪が出てきたら私たちはどうすればいいの?」
「うむ、これを渡しておく。」
そう言うとオオクニヌシは懐から龍の型取った笛を3つ渡した。
「これを吹け、そうすれば近くの神々が来るだろう。とにかく、お前達はこの騒動に関わらないでくれんか?」
「まぁ、他所の国の事だしね、」
「私たちが関わるべきではありませんね。」
「ワタシ達も関わらない様に努めます。」
「了解しました。」
「分かったわ。」
という事でみんなからの返事を聞きクラリスは返事を纏めた。
「分かりました。ここで大人しくしておきます。また何かありましたら出雲へ呼んで下さい。」
「不便をかけてすまんな。ではまた。」
そう言うとオオクニヌシは霧となって消えていった。
「良いんですか?ワタシたちが戦わなくて?」
「あそこまで念入りに言われたら受け入れるしかないわよ。」
「ワタシは心配です。今のうちにクラリスさん達が倒した方が余計な事にならないと思うんです。」
「何言ってるのよ。エール。相手は妖怪でこっちは神よ。クラリスより強いに決まってるじゃん!」
「そうですけど、一応クラリスさんも戦神に勝ててますし……」
「勝っててるって模擬戦でしょ?本来の力の神々ならクラリスなんて10回は死んでるわよ。」
リーフの物言いに腹が立ったのかクラリスはリーフにゲンコツをおとすのだった。
次の日も雨が降っていた。朝食を済ませてダーク達の帰りを待っていた。するとまた何かが近づいてくる足音がした。そこを見ると髪がボサボサで左の片目の隠れた少女が立っていた。
「あなたこんな所で何してるの?」
「お姉さん達こそ、こんな所で何してるの?」
「私たちは……」
クラリスが口籠もってしまったので代わりにフロールが答えた。
「私たちは旅をしてるの。あなたこそそんな所に居たら風邪引きますよ。」
「心配してくれるの?へぇー……」
不敵に笑う少女を見て悪寒が走るクラリス達。
「ありがとう、でも私も行く所あるからまったねー」
そう言うおケラケラと笑いながら立ち去ってしまった。
「なんだったの今の……」
「分からない……でも、凄い嫌な予感がした。それだけは確かね。」
冷や汗を拭いながらクラリス達はダーク達の帰りを待つ事にしたのだった。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回更新は4月20日水曜日21時です。お楽しみに!
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